このページの本文へ

ALSI、教育市場に特化したアプライアンスサーバー“eNetシリーズ”3製品を発表

2001年11月19日 23時58分更新

文● 編集部 田口敏之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

アルプス システム インテグレーション(株)(ALSI:アルシー)は19日、小・中学校、高等学校、大学、特殊教育学校などの学校現場向けに、アプライアンスサーバー“eNetシリーズ”3製品を発表した。

“eNetシリーズ3製品。左から『eNetStar SE』、『eNetAle』、『eNetLibe』”
eNetシリーズ3製品。左から『eNetStar SE』、『eNetAle』、『eNetLibe』

同社によれば、小・中・高等学校および、養護学校や盲学校、ろう学校などの特殊教育学校を合わせた、全国の公立学校におけるインターネットの接続率は80%を超え、インフラの整備はほぼ整ってきたといえるという。2002年には学習指導要領の改訂によって国際理解教育などが推進されることもあり、同社は今後教育のツールとして、インターネットは重要度を増してくると見ている。このために、学校内でウェブやメール、プロキシーやファイアウォールの機能を持つサーバーを設置することは不可欠であり、また資産活用のためにファイルサーバーや、URLフィルタリング機能も必要となってくるという。その際に、学校には専任のシステム管理者を置けないことなどから、同社は学校現場のニーズに応じて必要なハードウェアやソフトウェアをパッケージ化して機能を特化し、導入にかかる時間とコストの削減が可能な、用途を特化したサーバー(アプライアンスサーバー)を教育市場に投入していくという。

3製品の位置づけ
3製品の位置づけ

同社が発表したのは、インターネット・セキュリティーサーバー『eNetStar SE(イーネットスター エスイー)』とコミュニケーション/ファイルサーバー『eNetAle(イーネットエール)』、eラーニング・教材用サーバー『eNetLibe(イーネットリーベ)』の3製品。サーバーのハードとしての仕様は3製品とも共通となっており、CPUがCeleron-766MHz、メモリーが512MB、HDDが40GBで、OSはLinux 2.2。本体サイズは幅300×奥行き320×高さ78mmで、重さは約6kg。なお、この仕様は発売までに変更する可能性がある。各製品にはそれぞれ、30日間試用できる同社の教育現場向けのソフトウェアがプレインストールされており、ライセンスキーを購入することにより、正式版として利用できるようになる。

『eNetStar SE』でネットワークの設定を行なう
『eNetStar SE』でネットワークの設定を行なう
URLフィルタリングの規制は自由に設定できる。新たな単語を登録して、それを規制語として登録することもできる
URLフィルタリングの規制は自由に設定できる。新たな単語を登録して、それを規制語にすることも可能

『eNetStar SE』は、学校教育に不適切な用語を収録した独自のライブラリーによって、不適切な用語を含むウェブサイトのフィルタリングを行なうソフト『InterSafe(インターセーフ)』と、トレンドマイクロ(株)のゲートウェイサーバー用ウイルス対策ソフト『InterScan Wall(インターネットスキャン ウォール)(eNetStar版)』をプレインストールしたインターネットセキュリティーサーバー。『InterSafe』の規制のカテゴリーは30以上に分かれており、規制対象の変更も行なえる。『InterScan Wall(eNetStar版)』は、メールに添付されてくるウイルスなどをシャットアウトすることができるという。これらのソフトにより、有害情報の規制やウイルス対策を行なえ、安心してインターネットを学校生活や授業に取り入れられるようになるという。また、ファイヤーウォールが標準装備されており、パケットフィルタリングによるアクセス制限が可能となっている。同製品は2002年3月発売予定で、価格は25ユーザーの利用で69万6800円から。

『DREAM Community』のログイン画面
『DREAM Community』のログイン画面
『キッズウェイブ』で、授業で使えるウェブサイトを検索する様子
『キッズウェイブ』で、授業で使えるウェブサイトを検索する様子

『eNetAle』は、学校内の掲示板の設営やチャットなどを可能するコミュニティーソフト『DREAM Community(ドリームコミュニティ)』と、授業で利用できるウェブサイトへのリンク集を収録したインターネット活用ソフト『キッズウェイブ』をプレインストールしたコミュニケーション/ファイルサーバー。『DREAM Community』で作成できるコミュニティースペースは、掲示板やチャットなどへの投稿時に、誹謗中傷などの不適切用語を使うと、自動的にチェックして書き直しを指示するという機能を持っており、このコミュニティーを利用して、生徒にネット上のマナーなどを教えることができるという。また『キッズウェイブ』は教科や学年に応じたウェブサイトへのリンクを3000以上収録しており、かつ毎月新たなウェブサイトを追加してゆくという。これらのソフトによって、教師の負担を軽減できるとしている。同製品は、2002年6月発売予定で、価格は25ユーザーの利用で92万9600円から。

『スマートHTML』で作成したeラーニング用の教材の画面
『スマートHTML』で作成したeラーニング用の教材の画面

『eNetLibe』は、ウェブ学習を行なうための教材を作成するソフト『スマートHTML』をプレインストールしたeラーニング・教材用サーバー。これによって生徒はウェブブラウザーを利用して学習を行なえ、また学習した結果を一元管理でき、教師が学習結果を把握できる。また、HTMLベースの教材を作成・登録できるツールを備えており、学校に蓄積されている教育素材をデジタル化、マルチメディア化して、資産として活用できるという。また、各教材出版社との提携によって、同サーバーでeラーニングを行なえる教材も発売してゆく予定だという。同製品は、“高等学校・大学版”が2002年3月発売予定で、“小・中学校版”が2002年6月発売予定。価格はどちらも、25ユーザーの利用で88万2000円からとなっている。

また同製品を導入した学校へのサポートとして、運用上の疑問に答えたり、インストールなどの導入作業を代行する“リモートメンテナンスサービス”を、2002年6月より行なうという。このほか、全国にある同社の代理店を通じて、SIなどを派遣するとしている。

ALSIシステム商品部マーケティングマネージャーの川居睦氏
ALSIシステム商品部マーケティングマネージャーの川居睦氏

同日行なわれた発表会において、ALSIシステム商品部マーケティングマネージャーの川居睦氏は「我々は、10年来教育関連の事業をやってきた。昨今、子どもが被害者となる凄惨な事件が後を絶たず心が痛むが、子どもたちの未来のためにがんばりたい。少しでも可能性のある子どもの役に立てればいい、と思って事業を展開している。志は広く持っているので、支援をお願いしたい」と述べた。

同社では、これらの3製品の目標として初年度500台、6億円の売上を見込んでいる。また3製品を発売した後に、さらに機能を特化したアプライアンスサーバーの販売を行なってゆく予定だという。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン