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Nvidia初のマザーボード用チップセット“nForce”搭載製品がデビュー!MSI製「K7N420 Pro」が2万1500円で販売開始!!

2001年11月17日 18時52分更新

文● Jo_Kubota

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K7N420 Pro

 nForceチップセットを搭載するMSI製マザーボード「K7N420 Pro」のサンプル展示開始を10月26日の記事でお伝えしてから約3週間。早ければ来週と噂される国内流通版の登場に先駆けて、並行輸入のバルク版がアキバにデビューした。

 nForceはビデオチップベンダとして知られるNvidia初のマザーボード用統合チップセット。AMDのAthlonファミリをサポートしている。対応するCPUはAthlon XP/Athlon/Duronとなっており、公式にはAthlonMPはサポートされていない。



IGP128
IGP

 nForceの構成は、North Bridgeに相当する“IGP”(Integrated Graphics Processor)と、South Bridgeに相当する“MCP”(Media and Communications Processor)。IGPとMCP間はAMDの提唱する“HyperTransport”と呼ばれるバスで接続されている。HyperTransportは当初“LTD”(Lighting Data Transport)と呼ばれ、コンソーシアム設立とともに改称されたもので、各IC間を最大6.4GB/秒で接続する規格だ。nForceではIGPとMCP間を800MB/秒で接続しているが、これは他のチップセットと比べても高い数値。Intelの“ハブアーキテクチャ”やVIAの“KT266A”チップセットなどが採用する“V-Link”の266MB/秒に対して約3倍、533MB/秒のSiS製“SiS645”に対しても1.5倍の帯域を持っている計算になる。



MCP-D
MCP。マザーボード上のチップに“DOLBY DIGITAL”のロゴが刻まれたのはこれがはじめて

 なお、IGPにはGeForce2 MX相当のビデオ機能を内蔵されており、システムバスとはAGP 6x相当で接続され、帯域幅は約1.6GB/秒。VRAMはメインメモリから最大で32MBシェアされる。一方MCP“MCP-D”は10/100Base-TXネットワークコントローラとドルビーデジタル5.1chリアルタイムエンコーダを内蔵するチップ。S/P DIFのデジタル出力にも対応しているのも特徴と言えるだろう。ただし、K7N420 Proではオンボードのアナログ出力コネクタにステレオのラインしか用意されていないため、5.1ch再生を行うには付属のブラケットで用意されるS/P DIFコネクタにて外部アンプや外部アンプ内蔵スピーカなどと接続する必要がある。


バックパネル部にはRJ-45コネクタが用意され、ネットワーク接続がサポートされている(左)。右は同軸のデジタル出力コネクタ。付属のハーネスを用いてマザーボードから引き出して用いる
バックパネル部S/P DIFコネクタ
マニュアル表紙
TwinBankアーキテクチャについての説明はほとんど載っていないマニュアル

 また、メモリインターフェイスにも既存の製品との違いが見られる。nForceにはメモリインターフェイスの違いにより“nForce 420D”“nForce 220D”の2種類があり、K7N420 Proが採用しているのは上位モデルのnForce 420D。そもそもDDR SDRAMは64bitメモリアクセスする仕様で、nForce 220Dはこの仕様に準拠しているのだが、nForce 420DのIGP“IGP128”は128bitでアクセスするよう、インターフェイスが拡張されているのである。この128bitメモリアクセスは“TwinBankアーキテクチャ”と呼ばれるもので、これによりメモリ帯域幅は、64bitアクセス時に2.1GB/秒の帯域を持つPC2100 DDR SDRAM使用した時に4.2GB/秒と、Intelのi850チップセットなどがサポートするRDRAM 2チャンネルの帯域幅3.2GB/秒を大きく上回る。



マニュアル

 ちなみにTwinBankアーキテクチャは2chのメモリインターフェイスを持つが、独立してアクセス可能なため、メモリを2枚単位で増設する必要がない。これは、メモリのレイテンシこそ改善できる一方で帯域の向上はない一部のVIA製チップセットがサポートするメモリインターリーブや、常に2枚単位でのメモリ増設が要求されるi850などの2chメモリインターフェイスにはない特徴だ。しかし、現在のところこのTwinBankアーキテクチャについては明快な解説がないうえ、マニュアルにも説明がないため、仮にK7N420 Proへメモリを1枚だけ差したときメモリアクセスはどうなるのかなど詳細は不明となっている。



DIMMスロット

 DIMMスロットは3本で、1スロットあたり最大512MB、最高で1.5GBのDDR SDRAMを搭載可能。レジスタードタイプはサポートしていない。構成はAGP(1.5V)×1、PCI×5、CNR×1。サンプル版では3.3V/1.5Vに対応したAGPカードが使用可能だったが、製品版ではPentium 4用マザーボードと同様、1.5Vに対応したAGPカードのみのサポートとなった。



OC設定
マニュアルを読む限り、オーバークロックに関する設定はほとんど期待できないようだ
残り1枚

 6枚ほど入荷したOVERTOPでは、2万1500円で販売中。ただし、入荷数はわずかで、しかもNvidia初のチップセット、800MB/秒というバス帯域が高い注目を集めていたこともあって17日18時の取材時点ですでに残り1枚となっており、今から入手するのは困難だろう。素直に、まもなく登場予定の国内流通版を待った方がいいだろう。こちらは2万5000円程度で販売される見込み。
 現在のところ“GeForce2 MX相当のコアを内蔵するオールインワンマザーボード”というより“帯域幅にすぐれたベンチマーカー向け製品”という位置づけになっているため、来週以降に登場の際は、アキバ中で争奪戦が繰り広げられそうだ。



VER:1.0
ボードのリビジョンは1.0。今回入荷した製品は近日中に登場する予定のボードとおそらく同じものだろう
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