このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

LUMIX DMC-F7

LUMIX DMC-F7

2001年11月09日 22時40分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

手軽に使えるのは大きな魅力

 実際に使ってみると、小型軽量な本体は持ち歩く際に非常に快適だ。すべての記録画素数で約4枚/秒、最大5枚の連写機能に加え、通常撮影でも約1秒強の撮影間隔や3秒程度の起動時間など、動作がキビキビとした処理速度も好感が持てる。

 操作系に関してはボタン類が右側に集中し、レンズカバーを開ける電源ONを初めとするすべての操作が右手だけでできる。これは非常に使いやすい。ただひとつ問題があるのはストラップが左側、つまりシャッターボタンとは反対側の面にある点だ。
 ポケットやポーチからストラップを持って引き出したり、ストラップに腕を通した状態で歩いている状態から撮影動作に移る際に、左手を使って一度持ち直すことになる。付属のネックストラップで首から下げたときにレンズを上にしたほうがデザイン的にきれいに見えるほか、右側側面が電池&スロットのフタがあって強度が確保しにくいといった理由があったのかも知れない。
 しかし、銀塩コンパクトカメラでも左側にストラップがつくカメラがほとんどないことからもわかるように、ストラップが左側にあるのはコンパクトカメラにとっては使いにくいことこの上ない。同じことはリコー「Caprio RR10」でも言えるのだが、見ため優先で使い勝手が考慮されていないとしか思えない。

撮影サンプル1【撮影サンプル1】元画像は1200×1600ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズしている。プログラムAE、F3.1、1/60秒(Exifデータ値)。
撮影サンプル1中央拡大
撮影サンプル1(オリジナル)の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。コンパクトデジタルカメラとしては解像感は悪くなく、中間調の階調表現も良好だ。

 画質に関しては、評価したモデルが最終製品版とは異なることを念頭に置いてほしい。とくにホワイトバランス調整が安定していないためカラーバランスが異なる可能性がある。撮影サンプルを見ると、解像感はコンパクトカメラとしてはそれなりに良好だ。プログラムAEは暗部を重視しているようで、暗い部分の色やディテールも表現しようしているが、ハイライト部分は白とびしやすい傾向にあるようだ。小サイズのCCDを搭載するコンパクトデジタルカメラではやむを得ないだろう。彩度強調や輪郭強調などは少なめなので、不自然さはないもののCyber-shot PシリーズやIXY DIGITALシリーズに比べると目を引きにくい少々地味な画質だ。ただし、小型カメラにありがちな画面周辺の色むら(周辺収差)はかなり抑えられている。



撮影サンプル2
【撮影サンプル2】元画像は1600×1200ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。プログラムAE、F4.0、1/250秒(Exifデータ値)。
撮影サンプル2中央拡大
撮影サンプル2(オリジナル)の中央を640×480ドットにトリミングしたもの。空がとんでしまっているほか暗部の表現が甘めになっているなど、高コントラストな部分での階調表現力は高くない。

 200万画素クラスのコンパクトデジタルカメラは、入門機や持ち歩き用サブカメラとしての色合いが強いが、それだけに見ために格好いいデザインと使いやすさが求められる。スタイリッシュコンパクトデジタルカメラ(銀カメ)のマイルストーンであるキヤノン「IXY DIGITAL」やソニー「Cyber-shot DSC-P1」は、現在ではそれぞれIXY DIGITAL 200、Cyber-shot DSC-P5という後継機種へと代替わりしているが、いずれもポケットに入るサイズながら必要十分な画質と機能、所有欲をそそるデザインが特徴だ。



撮影サンプル3
【撮影サンプル3】元画像は1600×1200ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。マクロモードで撮影、プログラムAE、F2.8、1/125秒(Exifデータ値)。
撮影サンプル3中央拡大
撮影サンプル3(オリジナル)の中央左を640×480ドットにトリミングしたもの。解像感は良好なほか、植物(トウガラシ)や葉の色も鮮やかに表現されている。

 2001年はIXY DIGITALやCyber-shot Pシリーズの成功を受けて数多くの銀カメが登場した。300万画素以上のCCDを搭載するものやマニュアル撮影モードを持つものもあるが、基本的には200万画素クラスでプログラムオート+αの撮影機能を持つ機種が多い。そんな状況の中で発売されるDMC-F7は、ライカレンズというブランドイメージもさることながら、IXY DIGITALシリーズよりも軽量な本体と、DSC-P5よりも小型のボディ、キビキビとした動作など、魅力の高いコンパクトカメラだ。


LUMIX DMC-F7の主なスペック
撮像素子1/2.7インチ有効200万(総211万)画素原色CCD
レンズ光学2倍ズーム、f=5.3~10.6mm(35mmフィルムカメラ換算:35~70mm)/、F2.8~4.0
記録媒体SDカード(8MB付属)/マルチメディアカード
記録画素数 1600×1200/800×600/640×480ドット
液晶モニタ1.5インチTFT液晶(6万画素)
動画320×240ドット、最大20秒
インターフェイス USB、AV出力、DC入力
電源 専用リチウムイオン充電池
本体サイズ104(W)×31.6(D)×50.9(H)mm
重量150g(本体のみ)

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン