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LUMIX DMC-LC5

LUMIX DMC-LC5

2001年11月08日 22時18分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・行正 和義

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LUMIX DMC-LC5

松下電器産業

オープンプライス

銀塩カメラ用レンズで定評のある独LEICA(ライカ)との提携による松下電器の新デジタルカメラ製品が「LUMIX DMC-LC5」と「同 DMC-F7」だ。DMC-LC5は400万画素CCDを搭載し、マニュアル撮影などの機能を豊富に備えた中上級者向け高級機だ。

風格のある外観の高機能カメラ

 DMC-LC5は、1/2インチと2/3インチの中間にあたる1/1.76インチ有効385万(総401万)画素CCDと光学3倍ズームレンズを搭載し、マニュアル露出などの多彩な撮影モードを備える中・上級者向けのデジタルカメラだ。

LIMIX DMC-LC5本体
ブラックボディのLC5は重厚な印象を受けるが、実際には本体のみで360gと、約425gのPowerShot G2よりも軽くて持ちやすい。シルバーボディのモデルも用意される。

 光学3倍ズームの沈胴式レンズを中央に配置し、レンズの上に光学ファインダを、背面には液晶モニタを装備するなど、本体デザインはカシオ「QV-4000」や、液晶モニタ可変アングルを除くとキヤノン「PowerShot G2」とほぼ同様だ。レンズ周囲のマニュアルフォーカスリングや各部のダイヤルのギャザー(ギザギザ)や、上面軍艦部に向かう立ち上がりの部分をはじめとする各面のエッジ処理、グリップ部のラバーなど、全体的に高級感のある表面処理がなされており、ダイヤルを回したときのクリック感や、プッシュ式スイッチを押し込んだ感触も良好だ。



LIMIX DMC-LC5背面
大きな液晶モニタが目を引く背面。右上の電源レバーはパチンと小気味いい感触でON/OFFできる。

 背面に装備する2.5インチTFT液晶モニタ(20万画素)は、多くのデジタルカメラが装備する1.8インチ以下の液晶モニタ(11万画素)を見慣れた目からすれば非常に大きく感じる。見ための印象だけでなく、大きな画面と解像度の高さのおかげで漢字混じりの日本語表示メニューや詳細なステータス表示などの情報量も一覧性が高く見やすい。なお、撮影モードなどの基本情報は本体上面の左側に配置されたモノクロ液晶に表示されるため、カラー液晶モニタを消灯したままでも利用できる。



LIMIX DMC-LC5上部
電源を入れるとレンズはここまで伸張する。レンズ周囲のマニュアルフォーカスリングは回しやすい。シャッターボタンの周囲にあるのがズームレバー。

 撮影機能に関しては、本体上面のモードダイヤルでプログラムオート/絞り優先/シャッター速度優先/マニュアルなどの撮影モードを選択し、絞り値やシャッター速度に関しては背面のカーソルキーで設定する。本体背面の光学ファインダ右にあるボタン「露出補正/連写/フラッシュ調光/オートブラケット」は、繰り返して押すことで個々の設定が液晶画面に表示され、カーソルキーで選択する。このあたりのユーザーインターフェイスは、機能ボタンの取捨選択(何を物理的なスイッチにし、何をメニュー内から設定するか)が、PowerShot G1/G2とよく似ており、基本的な撮影機能に関してはメニューツリーに入ることなくワンタッチで選択ができて便利だ。

 デジタルカメラの多くはオートフォーカスに「像面AF」、つまりCCDからの画像信号を検出しつつレンズを動作させ、最もピントが合ったところでレンズを止めるという方式を採っている。これに対し、LC5では、専用のパッシブAFセンサを併用する「ハイブリッドAF」を採用する。これは、AFセンサで測距してだいたいの合焦位置までレンズを高速で動かして、そののちCCDセンサの画像検出による精密なピント合わせを行うというもの。オリンパスの「CAMEDIA E-20」が採用するアクティブAFセンサ(赤外線を照射する)のように低光量時でもフォーカスが速いというわけではないが、CCD像面AFのみに比べて合焦速度が高速になる。



LIMIX DMC-LC5前面
レンズがほぼ中央に位置するためホールド性は良好だ。レンズの横にあるAF/MF/マクロ切り替えダイヤルがクラシカルなイメージを演出している。

 フォーカスに関しては、レンズ横のダイヤルをMF(マニュアルフォーカス)にしてフォーカスリングを回すと手動でもピント合わせが行える。大きく解像度の高い液晶を持つといってもピントの合いは視認しづらいが、合焦したときには画面上にフォーカスサインが表示されるの安心だ。

 また、デジタルカメラには珍しくフォーカスブラケティング撮影機能を持つ。一般的にブラケット撮影といえば、露出を上下に補正した画像を連写する機能がほとんどだが、デジタルカメラの中には彩度やコントラストを補正しつつ連写する製品もある(ミノルタの「DiMAGE 7」「同 5」)。LC5のフォーカスブラケティングは、名前のとおりピントの合った位置とその手前と奥を連写するものだ。液晶画面で見てピントが合っているように見えても、PCに転送して拡大表示すると微妙にピントがずれていたというようなミスが避けられるだろう。

 最高画素数(2240×1680ドット)でも4枚/秒で最大8枚まで撮影可能な連写機能、最大5枚(最高画質では4枚)までのオートブラケット撮影機能を持つほか、通常の撮影時においても撮影間隔は約1秒(実測)、起動からファーストショットまで約5秒と、動作が高速なのが特徴だ。



LIMIX DMC-LC5電源部
電源はDVカムコーダなどと同等のカマボコ型バッテリパック。側面にはSDカードスロットがある。

 バッテリはDVカムコーダに使われているような(同一品番の製品はない)カマボコ型のリチウムイオン充電池が付属する。同社では、液晶ONで2時間の撮影(30秒に1回撮影、フラッシュ使用50%)が可能としているので、約240枚撮影が可能ということになる。実際に利用しても半日程度で電源警告が表示されるため、少々電池寿命は短いように思えた。また、充電は本体付属のACアダプタを接続したカメラ本体側で行う。予備の電池を購入したとしても1度に1個しか充電できないのは不便だ。同社のDVカムコーダ用充電器が利用できるので、旅行などでは予備電池とともにそろえておきたい。



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