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ウィンドウ、米プラティパスの企業向け半導体ディスク装置を販売

2001年11月08日 00時23分更新

文● 編集部 佐々木千之

(株)デジベリーと(株)ウィンドウは7日、都内で記者発表会を開催し、米Platypus Technology(プラティパス テクノロジー)社とデジベリーが提携して、Platypusの半導体ディスク(SSD)装置(※1)“Qik(クイック)”シリーズをウィンドウを通じて発売すると発表した。デジベリーはPlatypus製品の日本における輸入販売代理店、ウィンドウは国内再販業者という位置づけとなる。

※1 SSD:Solid State Drive。半導体メモリーをHDDとして機能するように構成したストレージ製品。

Platypus Technologyは、オーストラリアのメモリーモジュールメーカーであるHypertec社から'99年に独立した、SSD装置の専業メーカー。当初は本社は米ニューハンプシャー州ウエストレバノンで、オーストラリアのシドニーに開発研究センターを持つ。SSD製品に関連する特許を数多く保有しているという。

『QikDATA』
『QikDATA』PCIの専用インターフェースカードが1枚ないし2枚付属する
『QikDRIVE』
『QikDRIVE』最大8GBまで対応した、フルサイズバージョン。これ以外に最大2GBまでのハーフサイズバージョンもある

日本で販売するのは、高さ1Uのラックマウント筐体に4~16GBのメモリーを組み込んだ『QikDATA』(最大容量は8台を接続して128GB)、PCIバスのカードに512MBから最大8GBまでのメモリーを組み込んだ『QikDRIVE』『QikCACHE』の3製品。QikDRIVEは高速ディスクドライブとして、QikCACHEはシステムの仮想メモリースワップエリア専用ドライブとして動作する。価格はすべてオープンプライスで、本日受注を開始する。編集部による予想価格はメモリー4GBのQikDATAが1台約630万円。

発表会ではPlatypus Technology Australia社の海外事業部アジアパシフィック地域担当部長のスチュワート・ゴール(Stewart Gall)氏が、SSD製品に関連する市場の状況と、同社製品の特徴について説明した。

(左から)ウィンドウ代表取締役社長の田中仁氏、デジベリー代表取締役社長の野渡龍氏、Platypus Technology Australia社の海外事業部アジアパシフィック地域担当部長のスチュワート・ゴール氏
(左から)ウィンドウ代表取締役社長の田中仁氏、デジベリー代表取締役社長の野渡龍氏、Platypus Technology Australia社の海外事業部アジアパシフィック地域担当部長のスチュワート・ゴール氏

ゴール氏によると、メモリーをストレージに利用するというアイデアは以前からあったが、かつて1MBあたり7~8ドル(約840~970円)だった半導体メモリー価格が、いまや20セント(約25円)程度にまで下がったことによって、より現実的なものになったという。

また、「メモリーをストレージとして利用するというと、企業内のデータはTB(テラバイト)クラスに達しており、コストが見合わないといわれるが、企業内で利用するDBサイズに着目した調査によると、DBのサイズは87%が50GB以下になっている」として、SSD製品は、数10GB程度の最もアクセスの多いデータを格納するという考えを示した。

ゴール氏が示した、磁気ディスクの問題点
ゴール氏が示した、磁気ディスクの問題点

ゴール氏は、現在ストレージの主流となっている磁気ディスクは、ディスク容量の増大に重点をおいて開発されてきた結果、容量の増大に比べてデータ転送速度はそれほど向上しておらず、企業内システムで頻繁に起こる磁気ディスクへの書き込み/読み出しがシステムパフォーマンスのボトルネックとなっているという。InfinibandやHyper Transportといった高速データバス技術も、データI/Oのバンド幅は向上しても、磁気ディスク性能の向上には関係しないという。

企業内ストレージシステムとしてのQikシリーズの位置づけ
企業内ストレージシステムとしてのQikシリーズの位置づけ

企業内システムにおいて、DBクエリーに対する反応やメールサーバーの反応が遅いという場合でも、CPUの処理能力には余裕があり、磁気ディスクがボトルネックになっていることが多いという。同社のSSD製品であるQikDATAと磁気ディスクを比較すると、データのアクセススピードはQikDATAが25~50μ秒と、磁気ディスクの8~12m秒の100倍、IOPS(※2)では4万と、磁気ディスクの160に比べ250倍、さらにデータストリーミング速度(※3)では毎秒350MBと、磁気ディスクの毎秒20MBよりもはるかに高速であり、ボトルネックを解消できるとしている。

※2 IOPS:IO Per Second。磁気ディスク性能の指標の1つで、1秒間あたりのIO処理能力を示すもの。

※3 データエリアからデータをディスクに読み込み、あるいは書き込む際の1秒間あたりのデータ量を示す指標。

QikDATAの高速性能を示すグラフ(その1)
QikDATAの高速性能を示すグラフ(その1)
QikDATAの高速性能を示すグラフ(その2)
QikDATAの高速性能を示すグラフ(その2)

同社はSSD製品について、半導体メモリーをドライブとして利用する際の内部基本構造や、サーバーとのデータ転送高速化技術、システム内のデータのうち高速化に効果のあるデータファイルを特定して磁気ディスクから別のデバイス(SSD)に移動する技術、といった技術を独自開発して特許を保有しているという。同社のQikDATAでは、筐体内部に無停電電源装置、システム診断機能、RAMのデータをミラーリングするバックアップディスク、データパスなどを2系統用意するなど、十分な信頼性を確保しているという。

QikDATAの内部構造
QikDATAの内部構造

PlatypusのSSD製品はオーストラリア、米国、英国ですでに販売しているが、企業での導入事例として、米国の世界最大級の就職ポータルサイト“monster.com”のメールシステムの例を紹介した。

monster.comでは6台のメールサーバーで、1日あたり300万通のメールを配信していたという。これは1秒あたり120通になるが、これを240通に倍増するということが計画された。通常はサーバーをさらに6台増設して12台構成にするところを、サーバーを4台減らして2台にし、磁気ディスクをQikDATAに置き換えた。これによって、サーバー管理費を削減しつつ、1秒あたりのメール配信は1200通に増加したという。

国内で販売を担当するウィンドウ取締役の芦辺氏によると、メールサーバー、ビデオストリーミングサーバー、コンテンツ配信キャッシュ、DBクエリー、CAD/CAM/CAEなどといった、磁気ディスクへの書き出し/読み込みがボトルネックとなっている分野に向け、“パフォーマンス向上のための確実で有効な解決策”として積極的に販売する計画。QikDATAを1年間で500セット、QikDRIVEとQikCACHEを合わせて2000セットの販売を見込んでいる。

サーバー向けの高性能のディスクシステムでは、10月30日に、米アダプテック社がUltra320 SCSIインターフェースを、米マックストア社がそれに対応するHDD『Atlas 10K III』を発表した。Atlas 10K IIIはトップレベルの高速HDDだが、それでも平均シークタイムは4.5m秒でデータスループットも最大で毎秒56MBであり、QikDATAの高速性にはまったく及ばない。Platypusの製品はどの企業でも導入できるほど廉価ではないが、このアクセス性能必要としている企業は決して少なくないはずだ。

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