2日に登場したPC2700 DDR SDRAMをサポートするチップセット“SiS645”を搭載するマザーボードとしては、ECSから16日に「P4S5A」が登場するとお伝えしているが、そこはアキバ。早くも3日に並行輸入品が店頭に現れた。数枚入荷し、1万3800円で販売を開始したDOS/Vパラダイス本店では、すでに完売状態となっている。
SiS645はチップセットと同名のNorth BridgeとSouth Bridge“SiS961”からなる製品。SiS961は久しぶりのSiS製South Bridgeだ。コストパフォーマンスを重視する立場から、ここ数年North BridgeとSouth Bridgeをワンチップ化した統合チップセットのほぼ専業メーカとなっていたSiS(Silicon Integrated Systems)にとって、このSiS961は大きな転換点と言えるだろう。
そんなSiS645チップセットは“DDR333”とも呼ばれるPC2700 DDR SDRAMをサポートする世界初の製品で、同時にIntel公認のPentium 4用サードパーティ製チップセットとしてはじめてDDR SDRAMをサポートする製品でもある。North BridgeはPC2700(166MHz)/PC2100(133MHz)のDDR SDRAMとPC133(133MHz)/PC100(100MHz)のSDRAMに対応。また、North BridgeとSouth Bridge間はAMDの“Hyper Transport”技術をベースにSiSが独自開発した“MuTIOL”(ミューティオール)バスにより、533MB/秒(16bit×266MHz)で接続されるのも大きな特徴だ。533MB/秒というパフォーマンスは、VIAの“V-Link”(266MB/秒)のちょうど倍のスピードである。
DDR SDRAMのサポートはDDR 266MHzまでとするマニュアル |
ここで気になるのは、P4S5AがSiS645ではなく“XP4”チップセットを搭載したマザーボードであるとECSが言っている点だ。XP4とはECSが独自に呼んでいるもので、基本的にはSiS645と同じもののようだが、ECSのニュースリリースや製品情報にPC2700 DDR SDRAMのサポートが明記されておらず、マニュアルにもPC2700やDDR333についての明確な説明はない。また2日に日本エリートグループからサンプルボードを入手したという高速電脳によると、メモリクロックは100MHzと133MHzしかBIOS上で選択できなかったとのことで、若干不明な点は残る。すなわち“XP4=PC2700に対応しないSiS645”である可能性があるわけだ。あくまで可能性の問題であり、BIOSのアップデートですんなりと対応する可能性も大いにあるが、現在のところ対応BIOSは上がっていないため、進んで人柱になる覚悟がある人以外はひとまず16日に発売予定の国内流通版「サムライの乾杯!」を待った方がいいかもしれない。安心して酔いしれたい人は、もうちょっとの辛抱を。
ボードのリビジョンは1.2A。これは、高速電脳が入手したボードと同じもののようだ |
パッケージ脇のシールには“SiS645”と書かれている |
基板は紫。CPUクーラー固定板は、パッケージ同梱のものをユーザーが自分で取り付ける仕様となっている |
メモリサポート以外の仕様は既報のとおり。DIMMスロットはDDR SDRAM用×2、SDRAM用×2で、ともに最大2GB。排他使用となっている。拡張スロットはAGP×1、PCI×5、AMR×1で、IDEはUltra ATA/100に対応。SiS961の内蔵10/100Base-TX対応ネットワークコントローラを利用しており、バックパネル部にRJ45コネクタを備えている。なお電源コネクタはATX20ピンのみで4ピンのATX12Vコネクタは装備せず、ATX2.03対応電源であれば問題なく利用できそうだ。
パッケージはおなじみのもの |