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JEITA、近未来のネットワーク化された家庭と情報家電をデモ

2001年11月02日 00時08分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(社)電子情報技術産業協会(JEITA)は1日、東京・港区の慶應義塾大学三田キャンパスにおいて、経済産業省予算によって実施している“住宅分野の情報システム共通基盤整備事業”の成果発表会を開催した。1日は事業参加企業の成果デモンストレーションと展示、2日には成果の発表講演会が行なわれる。

この事業は2000年(平成12年度)に開始したもので、電子・情報産業と住宅関連産業の協力に基づいて、家庭内のデジタル化、ネットワーク化を推進して、21世紀型電脳住宅の実現と、ネットワークビジネスの送出を目的としている。成果発表会の開催は2000年4月に続いて今回で2回目。

1日にデモと展示を行なったのは、松下電器産業(株)、(株)東芝、(株)日立製作所、三菱電機(株)、スカイ・シンク・システム(株)の5社。各社の展示・デモの内容は以下の通り。

松下電器産業
ホームネットワークサーバーを中心として、IEEE1394ネットワーク(一部にプラスチック製光ファイバー使用)でテレビやパソコン、電灯線をネットワークインフラとして利用する“ECHONET”(※1)でエアコンやセンサーを接続。テレビ画面を見ながらリモコンで異なるネットワークにまたがった機器をコントロールするというデモを行なった。開発成果のポイントはネットワーク規格の異なる機器間を相互接続してシームレスに利用する技術の確立。


※1 '97年に国内家電メーカーを中心として結成された“エコーネット・コンソーシアム”が使用を策定している。幹事会社は松下、日立、東芝、三菱、シャープ(株)、東京電力(株)。現在100社以上が参加している。

松下電器のデモ。テレビとリモコンで、別の部屋に寝ている赤ちゃんの様子をカメラでモニターし、その部屋のエアコンの温度設定を変更した
松下電器のデモ。テレビとリモコンで、別の部屋に寝ている赤ちゃんの様子をカメラでモニターし、その部屋のエアコンの温度設定を変更するなどした
東芝
外出先からパソコンを使って自宅のホームサーバーにアクセスし、Bluetooth、IEEE802.11b、IEEE1394などで接続したDVデッキ、掃除機ロボット、冷蔵庫内を映すカメラなどをコントロールした。開発成果のポイントは、さまざまなネットワークプロトコルの差異を吸収できる仲介エージェント機能を備えたプラットフォーム。
IEEE802.11bでホームサーバーと接続された東芝の掃除機ロボット。“自由行動”命令によって、自分で床を移動し、ゴミを見つけて吸い込んでいた
IEEE802.11bでホームサーバーと接続された東芝の掃除機ロボット。“自由行動”命令によって、自分で床を移動し、ゴミを見つけて吸い込んでいた
日立製作所
Bluetoothでホームゲートウェイと接続した洗濯機を、インターネットを介してサービスサイトと接続して、新機能のダウンロードや修理箇所の検知と修理予約などを行なう。開発成果のポイントはネットを活用した家電機器のライフサポート。
日立の家電サービスサイトに接続して、洗濯機の新しい“洗濯コース”をダウンロードしているところ。また、洗濯機がエラーメッセージを出したという設定では、修理が必要な故障かどうかの判断や修理の予約も行なっていた
日立の家電サービスサイトに接続して、洗濯機の新しい“洗濯コース”をダウンロードしているところ。また、洗濯機がエラーメッセージを出したという設定では、修理が必要な故障かどうかの判断や修理の予約も行なっていた
日立のネットワーク対応洗濯機
日立のネットワーク対応洗濯機
三菱電機
宅外からパソコン/携帯電話を使ってインターネット経由でホームセンターサーバーに接続、宅内のチップ型ホームサーバー(不揮発性メモリーを備えた超小型サーバー)を経由して、複数の家電製品の連携制御運転や、停電によるネットワークダウンからの復帰。開発成果のポイントは連携コントロールのためのミドルウェアと、センターサーバー/チップ型ホームサーバーシステム。
三菱電機の家庭内ネットワークの概要。暑い日に帰宅前に携帯電話を使って、自宅の換気扇をしばらく回して熱気を逃がしたあとでエアコンを動作させる、という連係動作のデモを行なった
三菱電機の家庭内ネットワークの概要。暑い日に帰宅前に携帯電話を使って、自宅の換気扇をしばらく回して熱気を逃がしたあとでエアコンを動作させる、という連係動作のデモを行なった
スカイ・シンク・システム
自宅とクルマに搭載したカーナビゲーションシステムとを無線(PHS/携帯電話の利用を想定)で接続し、音声認識によるハンズフリーのメール送受信システム、PHSによる位置情報確認システムの統合。開発成果のポイントは音声合成/音声認識によるハンズフリーのメールシステムと、位置情報確認システムの相互利用。
スカイ・シンク・システムの、音声合成/音声認識を利用したハンズフリー電子メールシステムのデモ
スカイ・シンク・システムの、音声合成/音声認識を利用したハンズフリー電子メールシステムのデモ
スカイ・シンク・システムのハンズフリー電子メールシステムを組み込んだカーナビを搭載したクルマ
スカイ・シンク・システムのハンズフリー電子メールシステムを組み込んだカーナビを搭載したクルマ

各社が出展していたシステムを構成する基礎となる技術(無線/有線ネットワークなど)は、ほとんどがすでに実用化段階にあるもので、ポイントはそれらをいかにして家庭内として誰にも使えるようなシステムに仕立てるか、といったところにあった。各社とも違った立場からシステムを開発していた点は面白い。ただ、では実用化はいつかという話になると、予想はつかない。例えば、各社は家庭に、中心となるホームサーバーを置いていたが、このサーバーの標準からしてまったく決まっていない。もちろん、外からアクセスするためのシステムやプロトコルなども標準化はされていない状態だ。暮らしを便利にするという意味合いからは、こうしたシステムの導入効果は大きいと言えそうで、研究成果を生かすためにも、各種インフラの早期の標準化が望まれる。

なお、JEITAでは、東京・多摩市の多摩ニュータウンにモデルハウスを建築し、ホームネットワークと情報家電の展示を2002年1月中旬から2ヵ月間行なうとしている。

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