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ニフティ、事業戦略を説明――「プロバイダーからパートナーへ」

2001年11月01日 23時41分更新

文● 編集部 中西祥智

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ニフティ(株)は1日、記者懇談会を開催し、同社のインターネット接続サービス“@nifty”の現状と、今後の事業戦略について説明した。

ニフティの経営陣
ニフティの経営陣。右端が代表取締役会長の田中益雄氏、その左が代表取締役社長の渡辺武経氏

同社の渡辺武経代表取締役社長によると、@niftyの会員数は10月に500万人を突破した。また、ADSLを利用する会員数は、9月末の時点で約8万人、10月に8Mbpsサービスを開始してからは従来の3倍のペースで申し込みがあり、年内に30万人から40万人程度になると同社では見込んでいる。9月のウェブサイトの利用状況は、@niftyの月間ユニークユーザー数は約1万3000人、1日あたりのそれは平均して約2300人で、平均滞在時間は約6時間であり、“Yahoo!”に次ぐ第2位だという。

渡辺武経代表取締役社長
渡辺武経代表取締役社長

また、ブロードバンドコンテンツについて、渡辺社長は手塚治虫のアニメ『ブラック・ジャック』を題材にしたものなど、「熱心なファンのいるコンテンツが成功する」としている。また、月額料金4000円の英会話レッスン“イングリッシュタウン”や、マーケット情報を提供する“ブルームバーグ”といった、教育やビジネス関連の実用的なサービスに人気が集まっているという。なお、これらのコンテンツは、現段階でもすでに個々に採算を取ることを計画しており、決して採算を度外視した人寄せのためのものではないと同社長は述べた。

“With Us, You Can.”
“With Us, You Can.”のサービス体系

今後のコンセプトとして、渡辺社長は“With Us, You Can.”というスローガンを掲げ、「“NIFTY-Serve”の原点に戻る」とした。同社長の説明によると、@niftyのインフラは、たとえば“フレッツ・ADSL”の場合、47都道府県のPOP(Point Of Presence:接続拠点)から大手町のNOC(Network Operation Center)につなぎ、そこから総容量20Gbps以上の回線でインターネットに接続する。それぞれのPOPおよびNOCにはキャッシュサーバーを設置している。また@niftyのコンテンツは、速度が求められるものは東京の、それ以外は群馬県館林市の、それぞれの“ニフティセンター”に置いているという。@niftyは、全てのADSL事業者および15~6社のCATV事業者から接続可能。また、パソコン以外でも、家庭用ゲーム機やPDA、iモードなどの携帯電話、からもアクセスできるという。FOMAにも対応している。

また、一部のサイトへのアクセスを制限する“コンテンツフィルタリングサービス”や、メールボックス内のウイルスを検知する“ウィルスバスター”サービスなども提供している。クレジット決済サービス“iREGi(アイレジ)”や、物流サービス“iLOGi(アイロジ)”も提供する。

@niftyのバックボーン
@niftyのバックボーン

渡辺社長は「人が距離と時間を超えて結びつくのがネットワークの原点」だとし、NIFTY-Serveの時代から伝統あるコミュニティーをさらに広げることにも言及した。すでに提供している“Forum(フォーラム)@nifty”や“@niftyメッセンジャー”のほか、テキスト中心ではない新しいフォーラム“Webフォーラム”や、パソコンから加入電話へ電話ができるVoIPサービス、ビデオチャット機能などを今後、サポートする予定。また、個人対個人の“CtoC”決済機能も導入するという。

渡辺社長は、提供するこれらのサービス、機能によって、エンドユーザーの“自己実現”を支援するとし、@niftyは「プロバイダーからパートナー」になると述べた。

記者懇談会では、年内にVoIPサービスを、また2002年3月をめどにC2C決済を開始するとの説明がなされたが、具体的にどのような方式かは明かされなかった。また、Windows XPに標準搭載されるメッセンジャー機能“Windows Messenger”と@niftyメッセンジャーとの相互接続についても、現状では未定。

今回の説明では、おおまかなサービスの枠組みだけで、具体的な内容は説明されなかった。しかし、同社は2003年度には、売り上げの30%を接続料金以外で得るとしており、今後とも課金できる各種サービスに注力していくことは間違いなさそうだ。

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