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2001年度グッドデザイン大賞は『せんだいメディアテーク』

2001年10月30日 22時47分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(財)日本産業デザイン振興会は30日、“2001年度グッドデザイン賞”の大賞審査会を開催、2001年度のグッドデザイン大賞を公開審査で決定した。大賞は公共施設『せんだいメディアテーク』((株)伊東豊雄建築設計事務所+仙台市)。

せんだいメディアテーク
2001年度グッドデザイン大賞を受賞した『せんだいメディアテーク』

『せんだいメディアテーク』は、アートギャラリー、仙台市図書館、映像センター、視聴覚障害者のための情報提供という4つの機能を融合した公共施設。チューブやプレート、スキンといった要素で建築が構成されており、物理的なバリアを含めあらゆる意味のバリアを取り除く空間作りを目指したという。

2001年度グッドデザイン賞は、2329点(1028社)の応募対象の中から1次審査、2次審査、現品審査を経て1290点が選出された。本年度の最も優れたデザイン1点を選出する大賞審査会は、ノミネート作品のメーカーとデザイナー、報道関係者など約1000人を前にした公開形式で行なわれ、大賞審査委員によるディスカッションにより決定した。

大賞審査会プレゼンテーション
大賞審査会では、大賞候補作品の開発担当者がプレゼンテーションを行なった
審査討議
プレゼンテーションを受けて行なわれた大賞審査委員によるディスカッションでは、最終的に『せんだいメディアテーク』と『ヤマハ・水夢21』の一騎打ちとなった。「大賞を2つにしては」という意見も出たが、21世紀の日本を最初に代表するものとしてせんだいメディアテークが大賞に選ばれた

審査委員長の川崎和男氏(名古屋市立大学教授/医学博士)は、「良いデザインだった。『せんだいメディアテーク』は、手っ取り早く言うと公民館。ワークショップの隣で近所のおばあさんが休んでいたり学生が勉強していたりする光景が見られる。ワークショップやミュージアムのやりかたに整合性があり、21世紀の公共施設とはこういうものだと語ってくれている。各地方がこれを目指してくれれば」と講評した。

受賞者と審査委員長
右から、せんだいメディアテーク館長の奥山恵美子氏、プロデュースを担当した伊東豊雄氏、グッドデザイン賞審査委員長の川崎和男氏

せんだいメディアテーク館長の奥山恵美子氏は「斬新なデザインなので仙台市民に受け入れられるか心配していたが、好評で毎日3000人が来場しており、年間100万人の利用が見込まれる。伊東氏が自由でやる気の出るような場所を作ってくれたので、普通の公共施設の枠を超えた楽しいことをやっていきたい。これからの運営次第なので受賞を励みにがんばっていきたい」。

また、総合プロデュースを担当した伊東豊雄氏は「せんだいメディアテークにおいては、いつもの建築よりはるかにたくさんの人たちとコラボレーションを行なった。子供たちの遊び場だったり、カップルのデートスポットにもなっている。さまざまな年代の人たちに自由に使ってもらえてうれしい。建築をやっていて良かったと思う」とそれぞれコメントした。

水夢
こちらは『せんだいメディアテーク』と大賞を争った特設プール『ヤマハ・水夢21』(ヤマハ発動機(株))。仮設構造型の国際公認プール(50×25×3m)。プールユニットは、2週間で組立/1週間で撤去が可能。今年7月に福岡で開催された“第9回世界水泳選手権大会福岡2001”で使用された

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