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富士フイルム、携帯で画像が送れるコンパクトデジタルカメラを発表

2001年10月23日 22時06分更新

文● 編集部 佐々木千之

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富士写真フイルム(株)は23日、都内で記者発表会を開催し、携帯電話を使って撮影画像を送信できる、有効200万画素CCD搭載のデジタルカメラ『FinePix30i』を発表した。11月23日発売予定で、価格は6万4800円。

『FinePix30i』
『FinePix30i』ボディーデザインや仕上げは口紅などの化粧品のパッケージをイメージしたもの

FinePix30iは、『FinePix40i』『FinePix50i』で女性ユーザーに好評を得た“スクエアデザイン”を踏襲した、薄型・軽量のスタイリッシュモデル。40i/50iが持つMP3ファイル再生機能を継承しながら、au/ツーカーグループの携帯電話とケーブルで接続し、撮影した画像を携帯電話に取り込んだり、ほかの携帯電話に送信できる機能を搭載したことが最大の特徴。ボディーカラーも女性ユーザーを意識して、“シルバー”、“オリオンブルー”、“ローズピンク”の3色を用意した。

FinePix30iのカラーバリエーション。(左から)シルバー、オリオンブルー、ローズピンク
FinePix30iのカラーバリエーション。(左から)シルバー、オリオンブルー、ローズピンク
本体横に、USBとリモコン付きヘッドホンのソケットが並ぶ。携帯電話接続ケーブルはヘッドホンソケットと兼用本体横に、USBとリモコン付きヘッドホンのソケットが並ぶ。携帯電話接続ケーブルはヘッドホンソケットと兼用

主な仕様は、有効200万画素の2.7分の1インチ正方画素原色CCD、焦点距離5.8mm(35mm換算、38mm相当)のフジノン単焦点レンズ、絞りはF4.8/11の自動切り替え、記録感度はISO100相当のみ。光学ファインダーと1.8インチの7.2万画素TFT液晶ディスプレーを備える。シャッタースピードは2分の1秒~1000分の1秒、マクロモードでは約8~15cm、標準時約60cm~無限遠でフォーカスはパンフォーカス。内蔵ストロボの到達範囲は0.6~3.0mとなっている。

FinePix30iの上面
FinePix30iの上面。電源スイッチとシャッターボタンが並ぶ

記録ファイル形式は静止画がDCF準拠/DPOF対応のJPEGファイルで、記録画素数は1600×1200、1280×960、640×480ピクセル。動画ではAVI形式のMotionJPEGで、サイズは320×240ドット(毎秒10フレーム)の画像を音声付きで最大20秒間撮影可能。記録媒体はスマートメディア(3.3V)で、2~128MBまで対応する。電源は単3型ニッケル水素充電池×2(リチウム、マンガン、ニカド電池は使用できない)で、単3型アルカリ乾電池は緊急用として使用可能。単3型ニッケル水素充電池2本を使用したとき液晶モニターON時に約120コマ、OFF時に約300コマ(※1)の撮影が可能。MP3ファイルの連続再生は4.5時間。サイズは幅84.7×奥行き29.5×高さ72.5mmで、重さは150g(本体のみ。電池、スマートメディア込みで約205g)。パッケージには、単3型ニッケル水素充電池×2、バッテリーチャージャー、リモコン付きヘッドホン、USBケーブル、ショルダーストラップ、付属ソフトウェアCD-ROMを同梱する。

※1 30秒に1回撮影し、ストロボの使用は2回に1回という条件下での数字。

FinePix30iの特徴である携帯電話接続機能は、オプションの『携帯電話接続用ケーブル』(3500円)でau/ツーカーグループの携帯電話に接続し、画像を携帯電話に転送、その画像を携帯電話のメール機能(EZweb)を使って、ほかのau/ツーカーグループの携帯電話に転送できる。また、auの携帯電話を経由して、富士写真フイルムのFinePixユーザー専用(※2)インターネットサービスサイト“PictureJourney(ピクチャージャーニー)”に画像を登録・保管できる。PictureJourneyに登録した画像は、パソコンを使えばiモードやJ-SKY対応携帯電話に送信することもできるという。このほか、パソコンとUSBで接続したFinePix30iをUSBカメラとして使用し、FinePixユーザー同士でインターネットを経由して対話するテレビ電話“PictureHello(ピクチャーハロー)”も利用できる。

※2 利用には会員登録が必要(無料)。

携帯電話とケーブルを使って接続し、画像を転送しているところ
携帯電話とケーブルを使って接続し、画像を転送しているところ
FinePix30iの携帯電話接続機能の概要
FinePix30iの携帯電話接続機能の概要
富士写真フイルム執行役員で電子映像事業部の加藤典彦事業部長
富士写真フイルム執行役員で電子映像事業部の加藤典彦事業部長

発表会で挨拶した、富士写真フイルム執行役員で電子映像事業部の加藤典彦事業部長はデジタルカメラ市場の動きに触れ「1月から5月までは対前年比190%という大きな伸びだったが、6、7月は150%台に落ちた。ただ、8月は178%、9月も170%近い伸びに回復した。今後160%ぐらいで推移すれば年間出荷台数で500万台くらいになるのではないか。海外輸出についても暦年で1000万台を超えるくらいと予想される。およそ日本写真工業会の予測通りの結果になりそうだ」と述べた。

電子映像事業部の青木良和営業部長
電子映像事業部の青木良和営業部長

また、電子映像事業部の青木良和営業部長は、「FinePix6800は女性比率10%だが、FinePix40i/50iでは25~30%が女性ユーザー。さらに男女を会わせて10~30台の若い層がユーザーの60%を占めるなど、新しいユーザー層の開拓ができた」と述べた。

富士写真フイルムの有効200万画素CCDを搭載したFinePixのラインアップ
富士写真フイルムの有効200万画素CCDを搭載したFinePixのラインアップ

富士写真フイルムでは、8月と9月に有効200万画素CCDを搭載したデジタルカメラ3機種を発表しており、今回のFinePix30iで4機種目となる。現在の国内市場で最も人気のあるクラスの製品バリエーションを増やし、年末商戦において一層のシェア拡大を目指す構えだ。また、携帯電話による画像送信機能について「各社から3G携帯電話が来年あたり出てくるといわれている。1枚500KBくらいの撮影画像も、いままでなら4、50秒かかるが3Gなら1、2秒で送ることができる。そういう時代がすぐそこにある」(青木部長)としており、今回はau/ツーカーグループのみの対応だが、今後3G携帯電話の普及状況を見ながら、積極的に携帯電話を利用したサービスを展開しそうだ。

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