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カテナと日本システムデザイン、居酒屋/レストランチェーン向け戦略情報システムパッケージ『ToReBis』を開発

2001年10月22日 19時37分更新

文● 編集部 田口敏之

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カテナ(株)と日本システムデザイン(株)は19日、居酒屋/レストランチェーン向けの管理パッケージソフト『ToReBiS(トレビス)』を、10月下旬に発売すると発表した。

『ToReBiS』は、“Total Restaurant Business System”の略。カテナでは、成功を収めている“勝ち組レストラン”に必要な基本要素として、“美味しい料理”と“良いサービス”、および“優れた利益管理”を挙げている。同製品は、これらの要素を補う、店舗と本部間のすべての業務を網羅したERPソフト(※1)として、レストラン経営を根底からレベルアップできるという。

※1 Enterprise Resource Planning(エンタープライズ リソース プランニング/経営資源利用計画)の略。財務会計・人事などの管理業務。在庫管理などの生産業務、物流などの販売業務などにおいて企業が蓄積する情報を全体的に管理し、企業活動の効率を高めるシステムやソフトウェア。

同製品の特徴的な機能として、“美味しい料理”を提供するための“鮮度管理付き原材料自動補充発注システム”と、“良いサービス”を提供するための“L.S.P(Labor Schedule Planning)自動支援管理システム”、的確なコスト管理を行なうための“店別日割予算自動編成システム”などがある。

“曜日別メニュー販売予測計画”の画面。POSを通じて蓄積したデータを基に、自動的に予測を立てられる。これを基に在庫管理を行なう
“曜日別メニュー販売予測計画”の画面。POSを通じて蓄積したデータを基に、自動的に予測を立てられる。これを基に在庫管理を行なう

“鮮度管理付き原材料自動補充システム”は、POSのメニュー別売り上げを、レシピに基づいて管理することで食材在庫を把握し、その変動を見て、余剰や不足の食材在庫が出ないように、仕入れ量を予測する機能。さらに、自動補充発注データを自動生成して、各仕入れ先の締め時刻に合わせ、自動的にFAXを送信する、または電子データ交換(EDI:Electronic Data Interchange)によって発注データの送信を行なえる。これにより、現場の対応に追われて食材在庫管理や鮮度管理、発注などに気が回らなくても、行き届いた管理が行なえるという。

“店別・曜日別・時間帯別シフトプラン作成&実績照会/分析”の画面。実際のソフトでは、ここに日々の売り上げ予測を同時に表示し、つき合わせながら従業員の出怠勤予定を立てられるという
“店別・曜日別・時間帯別シフトプラン作成&実績照会/分析”の画面。実際のソフトでは、ここに日々の売り上げ予測を同時に表示し、つき合わせながら従業員の出怠勤予定を立てられるという

また“L.S.P自動支援管理システム”は、店舗が混み合う時間帯と空いている時間帯を、過去のデータから自動的に予測し、週/日ごとに売り上げ予測と人件費とをつき合わせながら、キッチンやフロアなどといったセクションにおける、従業員の出怠勤予定表を作成できる機能。これによって、客数変動にマッチした人員の配置ができ、人件費の管理も行なえるという。

さらに“店別日割予算自動編成システム”は、店別の過去の販売実績を基に予算(売上、粗利)の自動編成を支援する機能。店別・月別売上予算額、粗利率予算を入力すれば、前年同月の実績を基に修正を加えながら、日別の予算編成を行なうことができる。

日本システムデザイン代表取締役の納富誠治氏。「むしろ、あまりシステムには触れないほうがうまくいく」とのこと
日本システムデザイン代表取締役の納富誠治氏。「むしろ、あまりシステムには触れないほうがうまくいく」とのこと

開発者である、日本システムデザイン代表取締役の納富誠治氏は、「外食産業では現場の管理が最も大切だが、システムがしっかりしていないと長続きしない。『ToReBis』は、事務ワークを極限まで削減した上で、誰でもミスをするということを前提に、運用できるシステムとして作ってある。というより、人があまり触らないほうが、在庫管理や予算の運用はうまくできるようになっている」と述べた。

『ToReBiS』は、カテナのソフトウェア開発基盤技術“Lyee”によって作成された。これはソフトウェア生産技術研究所の根来文生代表取締役社長が開発したもの技術で、“Governmental Methodology for Software Providence(ソフトウェアの摂理に関する統一理論)”の語尾を並べた略称。ソフトウェアの開発を、開発要件を定義するだけで行なえるようにする手法で、単語とその単語を規程する式、成立条件、画面のレイアウトを定義し、その後の処理は定義に基づいてコンピューターが行ない、自動的にプログラムを生成するという。

納富氏に、“Lyee”を用いたことのメリットを尋ねたところ「通常、ソフトウェアの開発期間には12ヵ月から14ヵ月を要するが、“Lyee”を用いることによって4ヵ月で作成することができた。またカスタマイズやメンテナンスが容易で、各社に合ったサービスを提供することができる」という答えが返ってきた。

『ToReBiS』の構成例
『ToReBiS』の構成例

『ToReBiS』の価格は、本部のサーバーに設置する基本システムが160万円。“食材自動補充発注システム”や“LSP作成支援管理システム”などはオプションのパッケージソフトとなり、店舗ごとに1ライセンスとして購入する必要がある。設置した後に講習などを受けて、約1ヵ月程度で全システムを運用できるようになるという。

カテナは、『ToReBiS』の販売ターゲットとして、売り上げが5億円から100億円規模の居酒屋やファミリーレストラン、ファーストフードチェーンなどを見込んでおり、外食産業で圧倒的なシェアを拡大していく目標であるという。

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