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PCG-SRX7

PCG-SRX7

2001年10月21日 00時06分更新

文● 山崎

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PCG-SRX7

ソニー

オープンプライス

10.4インチ液晶を搭載するコンパクトなB5ノートPCながら、大容量バッテリを標準搭載し長時間駆動と携帯性の高さを両立したのがPCG-SRシリーズだ。新筐体を採用して登場した「PCG-SRX7」は、56kbpsモデムと有線のEthernetポートに加え、無線LANとBluetoothの2種類のワイヤレス通信機能も内蔵した最強のモバイルコミュニケーションマシンである。

小型・軽量化と高機能化を推し進めた持ち運ぶためのPC

上がPCG-SRX7で下は2000年夏モデルのPCG-SR9/K。新筐体のPCG-SRX7は従来のPCG-SRシリーズより奥行きが約15mm短くなっており、携帯性が向上しているのがよくわかる。
 新しいボディデザインを採用するPCG-SRX7は、従来のPCG-SRシリーズに比べると奥行きが15mm程度短くなり、見た目にもはっきりと小さくなったことがわかる。ボディの厚みは最厚部では前モデル「PCG-SR9M/K」とほぼ同様だが、最薄部で約4mm程度増しており、さらにエッジやコーナー部分のRが大きくなっているため全体的に丸っこくなった印象を受ける。重量は前モデルから約130g軽量化されたので、フットプリントの減少と併せて携帯性は向上している。



ボディデザインの変更に合わせて、付属のACアダプタもVAIOのロゴがエンボス加工された新しいタイプとなった。サイズは58(W)×110(D)×30(H)mmで、重量は約300g。

キーボード周囲はパームレスト部分も含めてポリカーボネート素材を採用する。手前のBluetoothと無線LAN、スピーカ横のHDDのアクセス、Num Lock、Caps Lock、Scr Lockの各インジケータはボディを透過して光り、ちょっとオシャレ。
 またボディの外観は、液晶パネル裏側と底面がシルバーのマグネシウム合金、キーボード周りや液晶周りの内面は青みがかったダークグレーの樹脂という2トーンカラーになった。しかもキーボード周りにはポリカーボネートを使用しており、電源ランプやHDDのアクセスランプといったインジケータ類がボディを透過して見え、高級感が醸し出されている。



底面からネジを3本緩めるとキーボードを取り外せ、Micro DIMMソケットにアクセスできる。128MBモジュールを追加すればオンボードの128MBと合わせてメインメモリを最大256MBまで拡張可能。
 このボディに搭載するハードウェアは、CPUがTualatinコアの低電圧版Mobile PentiumIII-M-800AMHzでチップセットにはi815EMを採用し、FSBクロックは100MHzで動作している。TualatinコアのPentiumIIIは標準ではi815EMで動作しないが、ソニーではIntelの協力を得てこのオリジナルの組み合わせを実現しており、通常の組み合わせより省電力化に成功しているという。ただしCPUの持つ機能のうちEnhanced SpeedStepには対応するがDeeper Sleepは利用できない。
 メインメモリは128MBのSDRAMをオンボードに装備し、1基のMicro DIMMソケットを利用して最大256MBまで増設可能だ。HDDは30GBの大容量のものを搭載しており、PCG-SRX7をデータストレージ代わりしてに大量のデータを持ち運ぶ際にも充分対応できる。光メディアドライブやFDDはオプションとなる。

 画面表示機能は従来どおり1024×768ドット/フルカラー表示に対応した高精細な10.4インチTFT液晶を装備。i815EMチップセットに内蔵のビデオ機能を利用し、ビデオメモリはメインメモリを最大11MBまで共用する。3DMark2000 V.1.1の結果は883(3DMarks)と、Savage/IX8(ビデオメモリ8MB内蔵)を搭載する前モデルPCG-SR9M/Kの508という値からは大幅な向上が見られたが、絶対的なパフォーマンスはあまり3D描画に適しているとは言えない。とはいえ、プリインストールされているソニーオリジナルアプリケーションやワープロ/表計算といったビジネスアプリを使ってみた限りでは何ら不満のない環境が整っている印象だ。



本体右側面にメモリースティックスロット(MagicGate対応)、USB×1、ヘッドフォン、マイク、左側面にモジュラジャック、i.LINK、CRT(ディスプレイアダプタ専用端子)、10BASE-T/100BASE-TX対応のEthernetポート、PCカードスロット(TypeII×1)を備える。i.LINK端子のそばには、i.LINK接続の光メディアドライブ類をACアダプタレスで利用するための電源供給用端子が備わる。
 本体に装備するインターフェイスは、右側面に著作権保護技術「MagicGate」に対応したメモリースティックスロット、USB×1、ヘッドフォン、マイクの各端子を、左側面にモジュラジャック、i.LINK(4ピン)、CRT(ディスプレイアダプタ専用端子)、10BASE-T/100BASE-TX対応のEthernetポート、TypeIIのPCカードスロット×1、無線通信機能のオン/オフスイッチを備えている。周辺機器の接続性はあまり高いとは言えないが、USBあるいはi.LINKを積極的に活用することで対応できるだろう。



BluetoothとIEEE802.11bの2つの無線通信機能は、「無線機器の選択」ユーティリテによって使い分ける。機器を選んで本体左側面のスイッチをオンにすれば無線通信機能を利用できる。両方を同時に使用することも可能だが警告画面が表示される。
 そのほか、この小さなボディにIEEE802.11bとBluetooth1.1に準拠した2種類の無線通信機能を内蔵している点がPCG-SRX7の大きな特徴となっている。2つの無線通信機能は2.4GHz帯という同じ無線周波数を使用しているため、同時利用では干渉による速度低下が起こり実用的ではない。
 BluetoothはほかのVAIOや携帯電話、オプションで用意されるBluetooth内蔵モデムなどとのデータシェアや通信に利用し、無線LANは家庭やオフィスでのネットワークアクセス、外出先でのホットスポット利用といった用途に使い分ければ、2種類のワイヤレス通信機能を標準装備するPCG-SRX7のモバイル性の高さをフルに活用できるだろう。



ソニーオリジナルソフト「DigitalPrint」を使えば、デジタルカメラなどで撮影した静止画を使って、オリジナルアルバムやCD/MDのラベル作成などが行える。ウィザードに従って使う画像やテンプレートを選択するだけなので操作も簡単。
 アプリケーションに関しては前モデルから大きな変更はないが、DV動画の取り込みや編集を行う「DVgate Ver.2.4」「MovieShaker Ver.3.2」、地図閲覧ソフト「Navin' You Ver.5.5」、画像管理ソフト「PictureGear Ver.5.1」などがマイナーバージョンアップしている。そのほか専用Webサイト「パーキャスTV」を利用して動画のリアルタイム配信が可能な「URecSight」がVer.2.0にバージョンアップし、撮影済みの映像と撮影中のリアルタイム映像を切り替えて配信できるスイッチング機能を搭載したほか、オリジナルアルバムやラベルを簡単に作成できる印刷ソフト「DigitalPrint」が追加されるなど、従来にもまして豊富なオリジナルアプリケーションが用意され、PCを使うことを楽しめるというVAIOならではの特徴が継承されている。また、この秋モデルからすべてのVAIOはプリインストールOSにWindows XP Home Editionを採用する。



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