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デジカメの達人 Version3

デジカメの達人 Version3

2001年10月18日 00時00分更新

文● 伊藤

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デジカメの達人 Version3

日本アイ・ビー・エム

9800円

日本アイ・ビー・エムの「デジカメの達人 Version3」は、「一括自動補正」「一括リネーム」など基本的な修正機能を標準で備え、レイヤ対応の本格的フォトレタッチ機能、バリエーション豊かな281点の印刷用テンプレートなど、多彩な機能を搭載した“エクスプローラ型”の画像管理ソフトだ。

アイコンをまとめてグループ化し、操作画面を広く

メディア エクスプローラ
画像ファイルの保存/管理を行う「メディア エクスプローラ」。画面左端のアイコン群のひとつにカーソルを合わせると、フォルダツリーに代わって詳細メニューを表示する「オペレーションバー」が特徴。通常はメニューをコンパクト化しておけるため、画面の表示エリアを有効に利用できる。

 画像ファイルの保存/管理を行うツール「メディア エクスプローラ」は左右2分割画面の左側にフォルダツリー、右側にサムネイル一覧を表示するエクスプローラ風のレイアウトを採用する。サムネイルは32×32~256×256ドット(1ドット単位、縦横比は元画像のまま)で自由にサイズを変更可能。サムネイルの表示形式は「写真+タイトル」「写真+ファイル名」「写真+写真情報」「写真+ファイル情報」の4種類に切り替えられるほか、撮影日/ファイル名/ファイルサイズ/ファイルの種類などをキーにしたソート(並べ替え)も可能となっている。
 目を惹く特徴としては、機能アイコンをカテゴリごとにグループ化してまとめておき、マウスカーソルを置いたときにだけ表示する「オペレーションバー」が挙げられる。たとえば、「整理」などの各コマンドグループの上にカーソルを持っていくと、項目の右側に「新規フォルダ」「並べ替え」「検索」などのコマンドが簡潔な機能説明とともにメニュー表示されるという具合で、視認性の高い大きなアイコンを使いながらも、サムネイル表示エリアを極力広くしている。
 さらに特筆すべきは「オペレーションバーの設定」で、バーに登録されているコマンドやグループを自由に編集できることだ。追加コマンドには「記録メディアからの取り込み」「連続番号割付」など、煩雑なメニュー操作が必要な多くの機能が“一発コマンド”として標準で用意されており、完全オリジナルのオペレーションバーを構築することも可能だ。
 検索機能は、日付(範囲指定可)/タイトル/コメント/キーワード/ファイル名といった一般的な検索キーに加え、スケジュール帳に貼る“シール”感覚で画像ごとに設定する「マーク」による絞り込みにも対応している。マークはハート/傘/雪だるま/笑顔などの25種類が用意されており、画像の分類や管理に役立つ。
 一括修正機能は、自動補正/リサイズ/画像回転/形式変換/レトロ変換(モノクロ、セピア調)/リネームの6つが用意されており、よく使う機能をひととおり押さえた構成だ。操作方法も簡便で、一括リネームを除いた5つはオペレーションバー「整理」-「変換ウィザード」から実行する。一括リネームは、選択した画像の上で右クリックメニューを開き「連続番号割付け」を選択、という手順となっている。

イメージ エディタ
画像の補正/加工を行う「イメージ エディタ」。項目の内容は異なるが「オペレーションバー」の機能はこちらにも搭載されている。コマンドグループのカスタマイズに対応している点も共通だ。

 画像の編集を行うツール「イメージ エディタ」に搭載されている主要な修正/補正機能は、

  • 回転(左右90度回転、左右鏡像反転)
  • サイズ(画像サイズ変更、トリミングなど)
  • 補正(自動補正、明るさ/コントラスト、色調補正、色温度補正、赤目除去)
  • 効果(グレイスケール、セピア、ぼかし、シャープ、ネガ反転など全43種類)

――といった具合で、いずれも「オペレーションバー」から実行できる。イメージエディタはメディア エクスプローラから呼び出される別アプリだが、オペレーションバーによるインターフェイスは共通している。あまり注目されにくいが、直感的なオペレーションを実現するこの工夫は大いに評価したい。
 各補正機能は、9つの補正例を示したアイコンからレベルを選択する。パラメータを手で動かすタイプと、このアイコン方式のどちらが使いやすかは好みや感覚にもよるが、フォトレタッチソフトに慣れていないユーザーにとっては、補正結果をあらかじめ確認できるアイコン方式の方が親しみやすいだろう。

レイヤー機能の活用例
レイヤ機能とフィルタ機能を組み合わせた“影付き文字”の作例。「文字を入力」→「レイヤーを複製」→「背面レイヤーに“ぼかし”などのフィルタを適用」→「背面レイヤーを少しナナメに移動」という、4ステップの簡便な操作で作成可能だ。こうしたレイヤ活用テクニックは、Photoshopの活用本で詳しく解説されている。

 本ツールにおける最大の特徴は、Photoshopでお馴染みの「レイヤー表示機能」に対応していること。これにより、別々に撮影した人物と背景の合成写真が容易に作成できるほか、「ぼかし」などのフィルタ機能と組み合わせることで影付き文字なども作成できる。このレイヤとフィルタ機能を応用した加工/表現テクニックは、Photoshopの活用本などで数多く紹介されている。本製品でも同様の手順で利用できるものが少なくないので、参考にするといいだろう。
 このほか、任意の2色を選択してグラデーションを作成できる「グラデーションツール」や、エアブラシ、クレヨン、木炭、チョークに加えて覆い焼き、焼き込みなど28種類のブラシ効果を持つ「ブラシツール」など、加工機能は豊富に搭載されており、画像管理ソフトではなくフォトレタッチソフトを使っているのかと思うほど充実している。フォトレタッチ機能の充実度は、今回紹介するソフトの中で「美写楽」と並びトップクラスだ。



アート クリエータ
「アート クリエータ」の写真集モードの画面。281点の豊富なテンプレートを収録している。このほか、画像一覧、カレンダー、ポストカードが作成できる。簡単操作を実現するウィザード形式のインターフェイスも好印象だ。

 写真集やカレンダー、ポストカードやインデックス(画像一覧)印刷が可能なプリント機能「アート クリエータ」にはキュートでポップな雰囲気のテンプレート281点を収録する。インターフェイスはスムーズに作成作業を進められるウィザード形式を採用しており、マニュアルをほとんど読まない状態で「表紙作成」「目次作成」「アルバムページ作成」などを実行しても、操作に戸惑うことはないだろう。また、インデックスプリントを行う「一覧を作る」モードでは、エーワンとヒサゴのラベル用紙計8種類が標準で用意されており、ラベル印刷を行う際の印刷位置設定の手間が省けるのも嬉しい。



ギャラリー エディタ
ギャラリーエディタで作成したHTML形式のアルバム画面。飛び回るサムネイルをクリックすると、実画像が表示される。サムネイルの浮遊はJavaアプレットにより実現している。

 ただし「アート クリエータ」はあくまで紙への印刷用途を主眼に置いた機能で、PC上で楽しむ画像集、いわゆる“電子アルバム”は「ギャラリー エディタ」で作成する。このアルバム機能が非常にユニークで、“ウィンドウ内をサムネイルが浮遊する”という、サイバーな雰囲気の「動くアルバム」が作成できることが他社製品にはない大きな特徴となっている。ギャラリー エディタで作成したアルバムは、独自形式ファイル(.dpg)のほか、実行ファイル(.exe)やスクリーンセーバ、HTML形式での保存が可能だ。なお、HTML形式の場合は、Javaアプレットでサムネイルの浮遊を実現しているため、実行にはJavaランタイムが必要となる。
 ただ、本機能で作成できるアルバムはこの“特殊な”タイプだけ。個人的にこうしたギミックは好きだが、「フツーにパラパラめくるタイプのアルバム」を作成する機能も用意してほしかった。

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