このページの本文へ

富士通、英日・日英翻訳ソフト『ATLAS V8』を発売

2001年10月12日 22時13分更新

文● 編集部 田口敏之

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

富士通(株)は10日、英日・日英翻訳ソフト『ATLAS』シリーズの最新版『ATLAS V8』を発表し、同社と富士通ミドルウェア(株)から販売を開始した。価格は5万8000円から。出荷開始は11月9日の予定。また、一般企業向けに、ウェブブラウザーを利用して翻訳を行なえるサーバーアプリケーション『ATLAS 翻訳サーバ2002』も同日付けで発売した。価格は160万円からで、出荷開始は10月31の予定。

写真は『ATLAS V8』のパッケージの1つ、『ATLAS 翻訳スーパーパック V8』写真は『ATLAS V8』のパッケージの1つ、『ATLAS 翻訳スーパーパック V8』

『ATLAS V8』は、翻訳家や企業の翻訳部門などでも利用できるハイエンドユーザー向けの翻訳ソフト。同社が2000年10月に発表した『ATLAS V7』のバージョンアップ版。『ATLAS V7』では、英日・日英それぞれ26万語ずつだった基本辞書に、新たに30万語を加えて、英日56万語、日英58万語へと強化している。翻訳エンジンも改良しており、富士通ミドルウェアによれば、「翻訳品質を16%向上(※1)し、翻訳コスト(※2)を10%削減した」という。

※1 翻訳結果による、富士通独自の理解度テスト。60点から70点になったという

※2 翻訳結果のリライトに要するコスト

『ATLAS V8』で追加された新機能の中でも特徴的なのが“Acrobat連携翻訳”。これはアドビシステムズ(株)の『Adobe Acrobat』と『Adobe Acrobat Reader』のツールバーに翻訳機能を追加し、PDFファイルの中の本文を、図や注釈などを含めたレイアウトを保ったまま翻訳できるというもの。また、ファイルアイコンを選択してファイル全体を翻訳し、新しいデータとして別名で保存できる機能“ファイル翻訳”もPDFに対応した。また、翻訳したい原文と、翻訳結果の訳文とを左右に表示して、編集作業をしながら翻訳を行なえる“対訳エディタ”へ、PDFデータの本文を直接読み込むことも可能となっている。

『Adobe Acrobat Reader』に追加された翻訳ボタン
『Adobe Acrobat Reader』に追加された翻訳ボタン
“対訳エディタ”
“対訳エディタ”

そのほかの各アプリケーションとの連携機能も、従来通り備えている。Internet Explorerに完全対応したほか、『Outlook Express』と『Lotus Notes Mail』の2つのメールソフトに対応した。ツールバー上に“ATLAS翻訳バー”を追加することによって、IEではウェブサイトを、メーラーでは受信メールを、ワンボタンで翻訳してソフト上に表示できる。

IEのツールバー上に追加された“ATLAS翻訳バー”
IEのツールバー上に追加された“ATLAS翻訳バー”

“Office連携翻訳”は、マイクロソフト(株)の『Office XP』に対応し、『Word XP』や『Excel XP』、『PowerPoint XP』と連携し、本文をワンボタンで翻訳することができる。また、同社のワープロソフト『OASYS』とも連携している。

『Word 2000』に追加されたATLASツールバー
『Word 2000』に追加されたATLASツールバー”

“キータイプ翻訳”は、専用ウィンドウを立ち上げて、ウインドー内に文章入力を行なうと、エディター内に自動的に翻訳文を出力するという機能。日英・英日、どちらの翻訳にも対応しており、手軽かつ迅速な文書作成が行なえるという。文章作成の目的によって、“手紙・メール”のほか“ビジネス”や“契約書”、“エンターテイメント”などといった翻訳環境を用意している。

キータイプ翻訳
キータイプ翻訳

“マウス翻訳/マウス辞書”は、『ATLAS 翻訳パーソナル』にも搭載している機能。ウェブサイトの文章や、アプリケーション上の一文や単語の上で、“Alt”キーを押しながらマウスをクリックすると、自動的に翻訳ウインドーが立ち上がり、翻訳や辞書引きができるというもの。

“マウス翻訳/マウス辞書”
“マウス翻訳/マウス辞書”

また“単位換算ツール”を備えた。これは面積や体積、温度や長さ、重さなどの単位や通貨を、各国に対応して換算するツール。通貨は、タイバーツからユーロまで、17ヵ国の現在のデータが揃っており、レートは適宜変更できるようになっている。

“単位換算ツール”
“単位換算ツール”

さらに、『ATLAS 翻訳サーバ2002』との連携機能も備えている。“Acrobat連携翻訳”と“Office連携翻訳”を使用する時に、『ATLAS 翻訳サーバ2002』の辞書および翻訳エンジンを使用できる。また、『ATLAS 翻訳サーバ2002』が持っている、利用者辞書のアップロード・ダウンロード機能および、編集機能も使用できる。編集した辞書は、利用者辞書としてサーバーに登録でき、『ATLAS 翻訳サーバ2002』の各クライアントの翻訳機能から、この利用者辞書を使用できる。辞書を共有することで、業務を行なうクライアント間での、用語の統一を図ることなどができるという。

リリースする製品は、ユーザーの用途に合わせたパッケージに分かれている。ラインアップは以下の通り。

  • 『ATLAS 翻訳ダブルパック V8』(8万8000円)……英日/日英、双方向翻訳ソフト
  • 『ATLAS 専門用語辞書フリーパック V8』(7万8000円)……ATLAS専用の専門用語辞書オプション。英日/日英それぞれ211万語25分野の専門用語を網羅
  • 『ATLAS 翻訳スーパーパック V8』(12万8000円)……『翻訳ダブルパック V8』と『専門用語辞書フリーパック V8』がセットになったもの
  • 『ATLAS EJ V8』(5万8000円)……英日翻訳ソフト
  • 『ATLAS JE V8』(5万8000円)……日英翻訳ソフト
  • 『ATLAS 翻訳ダブルパック グレードアップキット V8』(3万3000円)……旧版よりのバージョンアップ用
  • 『ATLAS 翻訳ダブルパック 優待キット V8』(5万円)……ATLAS翻訳パーソナル(ビジネス辞書付き)からの優待グレードアップ用
  • 『ATLAS 専門用語辞書フリーパック グレードアップキット V8』(3万3000円)……旧版からのバージョンアップ用

また、2001年10月10日以降に『ATLAS V7』を購入した登録したユーザーは、優待価格5000円で『ATLAS V8』への優待バージョンアップを実施するという。

対応OSは、Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP(Professional/Home Edition)。動作環境として、メモリーが32MB以上、HDDの空き容量が、『ATLAS 翻訳ダブルパック』のインストール時に200MB以上、『ATLAS EJ V8』『ATLAS JE V8』のインストール時に180MB以上必要となっている。

『ATLAS 翻訳サーバ2002』の対応サーバーソフトは、Windows 2000 Server Family。動作環境として、メモリーが768MB以上、HDDの空き容量が200MB以上必要となっている。クライアント側の対応OSは、Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000/XP(Professonal/Home Edition)。動作環境として、メモリーが32MB以上、HDDの空き容量が200MB以上必要となっている。

なお、同社ウェブサイトの『ATLAS V8』の製品紹介ページに、同製品の翻訳品質を体験できる、“英日・日英翻訳体験コーナー”が設けられている。

“英日・日英翻訳体験コーナー”
“英日・日英翻訳体験コーナー”

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン