(社)日本オーディオ協会主催のオーディオ機器の展示会“オーディオエキスポ2001(AUDIO EXPO 2001)”が5日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。期間は8日までの4日間。国内外の約80社が出展した新製品や新技術を、写真を主として紹介する。
DVDプレーヤー内蔵ゲームキューブ
松下電器産業(株)および松下通信工業(株)のブースでは、DVDプレーヤー内蔵の『ゲームキューブ』互換機やSDカードによるコンパクトオーディオプレーヤーなどを展示していた。
『ゲームキューブ』互換機。文字が2重に見えるのは、表面に透明なパネルが貼り付けてあるからで、決してピンボケではない。以前の参考出展ではこんなにピカピカではなかったと思うが…… |
ゲームキューブ互換機の発売は年内、11月ごろを予定しており、価格は4万円前後という。DVDのエンコードをハードウェアで行なうため、そのハードの価格をゲームキューブの価格に上乗せした形になる。
上面にはDVDプレーヤーとしてのボタン類が並ぶ。本家のゲームキューブとは違い、ドライブは12cmDVDにも対応する |
そのほかに出展したのは、11月に発売するSDオーディオプレーヤー『SV-SD80』や、12月発売予定の薄型DVDプレーヤーなど。
輝くSDのロゴ |
SDオーディオプレーヤー『SV-SD80』。再生できる音楽ファイルの形式は、MP3およびAAC、WMA。幅43.3×奥行き44.5×高さ17.3mmの本体サイズで、約50時間の連続再生が可能 |
SDオーディオレコーダー『SV-CR100』。内蔵するCDプレーヤーからSDカードへ録音できる |
左からDVDプレーヤー『DVD-XP30』とデジタルコントロールアンプ『SA-XR10』。厚さは52mm |
HDD内蔵DVDプレーヤー『DMR-HS1』40GBのHDDを内蔵し、DVDと合わせて最大64時間の録画が可能。12月発売 |
パソコンではない“bitplay”
ソニー(株)はマルチエンターテインメントターミナル“bitplay(ビットプレイ)”『DMT-PR1』や、Net-MD対応ウォークマンなどを出展した。DMT-PR1はCeleron-800MHzを搭載し、Windows 2000をOSとして採用しているが、同社はパソコンとしての使用は推奨しない。またNet MDは、USBを利用してパソコンとMD機器を接続し、楽曲の著作権を保護しながら音楽データを転送できる規格。
“bitplay”『DMT-PR1』パソコンと同じ機能を有しおり、各種アプリケーションソフトをインストールすることも可能だが、ソニーは推奨しない。 |
ポータブルMDレコーダーNet MD ウォークマン”『MZ-N1』。標準で28時間の再生が可能 |
コンパクトコンポーネントシステム“キューブリック”『CMT-C7NT』。音質に悪影響を与えない形状、材質を採用しているという |
メモリースティックのロゴ |
縦長スピーカー2種
ボーズ(株)は幅8.5×奥行き10×高さ120.5cmの縦型スピーカー『55WER』を出品した。パイプオルガンのように共振共鳴させることで、細長い筐体でもしっかりした重低音を鳴らせるという。12月1日発売予定。
BOSEの『55WER』。サブウーファーを別に接続しなくても、しっかりした重低音を楽しめる |
日本ビクター(株)の出展した“DD(DIRECT DRIVE)スピーカー”は、幅30×奥行き15×高さ135mmのサイズの本体で指向性が弱く、聞く場所が移動しても、音の定位感を失わずに音楽を楽しめるという。すでにミニコンポのスピーカーとして販売しているが、単体での販売を現在検討中。
“DDスピーカー”。白い柱の上の8台のスピーカーでデモ |
細長い筐体 |
“参考出品したCCコンバーター”高域部分の欠落や歪みを補正することで、MP3など圧縮音楽ファイルの音質を向上する。LSIチップまたはソフトウェアとして実装 |
シャープ(株)は1bitフルデジタルシステムを参考出展した。DVD/SACDプレーヤーとマルチチャンネルコントロールセンター、デジタルアンプのセットで、機器間は1bitデジタル信号でやり取りする。デジタルアンプは出力ごとに必要で、たとえば5.1chで再生する場合には、3台必要になる。
1bitフルデジタルシステム。手前から、DVD/SACDプレーヤー、マルチチャンネルコントロールセンター、デジタルアンプ |
1bitマルチチャンネルコントロールセンター。最大8chの出力が可能 |
同じく参考出展のNet MDポータブルプレーヤー。発売時期は未定 |
ホームシアターのデモ。映像はEAGLESで、曲はもちろん?“Hotel California” |
シーラス・ロジック(株)は、DVDデコーダーチップ『CS98000』や8チャンネルD/Aコンバーターチップなどを展示していた。CS98000は、RISCプロセッサーを2個およびDSPを内蔵している。
CS98000を使ったDVDデコーダーのデモ。青い基板上の“CRYSTAL”と書かれたチップがCS98000 |
会場には、真空管アンプを集めたコーナーもあり、真空管の新製品も出展されていた。
真空管アンプ。やわらかい音もそうだが、この剥き出しの外観がたまらない |
チェコ共和国製の真空管。1番手前は新製品 |
日本ビクターの背負うラジカセ“サウンド・ロケット”。これは2002年ワールドカップ記念モデル |
ヤマハ(株)が3日に発表したフラッグシップアンプ『DSP-AZ1』。発売は12月中旬で、価格は30万円 |
DSP-AZ1に内蔵する巨大なトランスと電解コンデンサー |
アルパイン(株)のカーナビゲーション『DVD 099 SR』。パソコンでダウンロードした位置情報を、メモリースティック経由で取り込める。デジタルカメラで撮影した画像も見ることができる |
前回の“オーディオエキスポ2000”と同様、今回も“SuperAudioCD(SACD)”と“DVD-Audio”の2つのオーディオ技術が、それぞれの陣営ごとに集まってパビリオンを設置していた。
DVD-Audio陣営 |
SACD陣営 |