ドローイングツールもよりいっそう快適に
ベクターシェイプの扱いが強化され、テクスチャを貼ることができるようになった。テキストに関しても、強化がなされている。 |
具体的には、ベクターシェイプに対して、グラデーションパターンやテクスチャを適用できるようになった。パターンやテクスチャの設定は、ベクターオブジェクトの外側の枠と内側の塗りつぶし領域の両方に対して、個別に指定が可能だ。もちろん、この機能強化はベクターベースのテキストにも通用する。さらに、ベクターベースのライン(線)には、点線、矢印などのスタイルも適用できるようになった。今回の新機能により、表現力は間違いなく向上している。
ラインのスタイルは普通の直線のほか、矢印や点線など、さまざまなものがある。ちなみにこの画面の矢印は、スタイルに矢印を採用した直線を曲げただけのものだ。 |
このほかにも、さまざまな機能強化が行われている。たとえば、特殊効果の追加もそのひとつだ。筆で塗ったような印象を与える「ブラシストローク」や、鉛筆書きのような雰囲気を画像に持たせる「鉛筆」のほか、「カラーホイル」「エナメル」「逆光」「照明」「ページカール」――と、合計7種類が新しく追加されている。
さらにおもしろいところでは、今回から「作業状態」の保存も可能になった。ツールオプションやオーバービューの位置と、PSPで開いていたファイルの情報などをまとめてファイルとして出力・保存できるわけだ。ある作業を中断して別の作業に取り掛かるときでも、その時点での作業状態を保存しておけば、別作業が終わり次第、即座に以前の状態に戻って続きができる。
今回から、グリッドが吸着可能になり、今まで以上に意味を持つようになった。 |
常に万能であれ、というわけではないが、フォトレタッチ機能の強化が行われたことは、やはり特筆に価する。ほかにもさまざまな機能強化がなされており、2Dグラフィックツールとしてのトータルパフォーマンスは一層向上している。
特殊効果「ページカール」。このほかにも、いろいろな特殊効果が収録されている。 |
本製品の価格は1万4800円で、Adobe Photoshop(LEを含む)やPhotoDeluxe、PhotoImpactなど他社製品やPSP6以前のユーザー向けの乗換版が9800円、学生および教育機関関係者向け(身分証明書の提示が必要)のアカデミック版が7800円となっている。
同じ価格帯(1万円前後)のグラフィックソフトとしてはアドビシステムズの「Photoshop Elements」があるが、こちらはあくまでもフォトレタッチが主目的のプロダクツであるため、ベクターシェイプを扱えること、イラストの作成が可能なことも考えると、PSPにアドバンテージがあるといえよう。デジタルカメラで撮影したデジタルフォトの見栄えを良くしたい人から、ちょっと本格的に2D CGを作ってみようかと思う人まで、幅広いユーザー層にお勧めできる製品だ。
なお、P&Aは2001年4月にPSP7J→7.02Jへのアップデートパッチを公開、無償配布を開始している。レイヤーパレットのパフォーマンスが改良され、レスポンスが高速化されたほか、細かい不具合も修正されている。詳細は同社Webサイトを参照いただきたいが、かなり多数の修正・改良が施されているので、ユーザーはチェックしておきたい。ファイル容量は12MBとなっている。
製品名 | Paint Shop Pro 7J |
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価格 | 1万4800円(通常版) 9800円(乗換版) 7800円(アカデミック版) |
発売元 | (株)P&A |
連絡先 | 042-525-9501 |
URL | http://www.panda.co.jp/ |
対応OS | Windows 95/98/Me/NT 4.0/2000 |