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“IDF-J”2日目の基調講演でマイクロソフトおよびオラクル、IA-64環境への移行促進を表明

2001年09月28日 14時28分更新

文● 編集部 中西祥智

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26日に開幕した、インテル(株)主催の開発者向け技術フォーラム“インテル・デベロッパ・フォーラム 2001 Fall Japan”の2日目は“e-Business Day”として、Eビジネス関連の講演やセミナーが開催された。e-Business Dayの基調講演は、マイクロソフト(株)の阿多親市代表取締役社長や日本オラクル(株)執行役員製品本部長の保科実氏らが行なった。

マイクロソフトの阿多親市代表取締役社長
マイクロソフトの阿多親市代表取締役社長

演壇に立った阿多社長はまず、『Windows .NET Server』を2002年上半期に発売し、IA-64に本格的に対応することを説明した。クライアントパソコン向けでは、64bit版の『Windows XP』を11月16日に発売するが、パッケージ販売は行なわず、パートナー企業がプレインストールする形での販売となる。

Windowsプラットフォームのロードマップ
Windowsプラットフォームのロードマップ

64bit環境のメリットについて阿多社長は、「大容量のメモリーを扱える」ことを強調した。32bitプロセッサーでは実メモリーは4GBまでであるのに対し、64bitプロセッサーは最大4TBの実メモリーおよび16TBの仮想メモリーに対応する。コンシューマーでも、エンジニアやグラフィックス関連のソフトを扱うユーザーの10%はメモリーが足りないと感じているおり、その状況を64bit環境に移行することで一気に解消するという。

サーバー用途で64bit環境の恩恵を受けるのは、「もちろんデータベース」だと阿多社長は語った。.NET Serverと64bit対応のSQL Serverによって、大量のデータ処理に対応する。また、マイクロソフトは64bit環境への橋渡しとして、『Windows Advanced Server, Limited Edition』を提供する。これは64bitのOSで8プロセッサーに対応しており、OEMメーカーを提供し、64bit版の.NET Serverへ無償でアップグレードが可能。

Windows Advanced Server, Limited Edition
Windows Advanced Server, Limited Edition

さらに同社は、ISV(Independent Software Vendor)支援プログラムとしてAdvanced Server, Limited Editionを低価格で提供する。このプログラムはインテルと三菱電機(株)、および同社が共同で行なうもので、標準価格362万円のAdvanced Server, Limited Editionを搭載したサーバーを248万円で提供し、米マイクロソフト社の技術者が32bitアプリケーションの64bitへの移植を支援するという。

ただし、このAdvanced Server, Limited Editionは「64bitの開発環境」だ。阿多社長は64bitへの移行時期について、「2004年~2005年にはフル64bit」になるとの見通しを示した。まず、2002年の.NET ServerおよびSQL Serverによる「64bitのデータベースと32bitのアプリケーションという状況」から、2003年から2004年は64bitアプリケーションの開発時期となって64bit環境と32bit環境の混在状態になり、「2005年までには64bitへの移行が終了しているべきだ」と阿多社長は主張する。

また、阿多社長は2000年9月26日に発表した『Microsoft Windows 2000 Datacenter Server』についても言及した。 Windows 2000 Datacenter Serverは、発売から1年間で約100例の導入実績があるという。マイクロソフトは、そのWindows 2000 Datacenter Serverをベースとする“Windows Datacenter Program”を、パートナー企業と共同で提供する。

Windows Datacenter Program
Windows Datacenter Program

Datacenter Programでは、24時間365日のフルサポートを行ない、最低でも99.9%の稼動を保証する。ソフトウェアだけでなくハードウェアも、パートナー企業と共同して提供するが、これは「従来は、ソフトを買ってもらうこと」だったビジネスモデルの、変化の現れだという。パートナー企業に対してマイクロソフトは、オンサイトサポートをユーザーに提供し、問題発生時には「4時間以内のレスポンス」を要求する。また、マイクロソフトのデータセンターでは、実際に8台のDatacenter Serverが各社のハードウェア上で稼動している。これによって、標準的なハード・ソフトの構成だけでなく、実際に問題のあったシステムを再現して、問題の即時解決を目指すという。

Windows 2000 Serverのパフォーマンス
Windows 2000 Serverのパフォーマンス

阿多社長はさらに、Windows 2000 Serverの他社製品への優位性を証明するTPC-Cベンチマークテストを公表した。同ベンチマークは、1分間に処理できるトランザクション数を“tpmC(Transactions Per Minute C)”で表わす。それによると、全10位の内上位3機種も含めた6機種は、Windows 2000 Serverを搭載したサーバーとなっていた。阿多社長は、Linuxがランキングに入っていないのは、上位10位に入れなかったためだと、Windows 2000 Serverのパフォーマンスの良さを強調した。また10機種中5機種がSQL Serverを搭載しており、「Oracleのスコアは8番目」であり、SQL Serverの優位性を示していると語った。

日本オラクル執行役員製品本部長の保科実氏
日本オラクル執行役員製品本部長の保科実氏

マイクロソフトの阿多社長の次には、日本オラクル執行役員製品本部長の保科実氏が講演を行なった。同社は10月1日より順次、データベースを中心とした企業向けソフトウェア『Oracle9i』の出荷を開始するが、保科氏は「年内に9iのIA-64評価版」を出荷すると語った。

9iは、10月1日にSolaris版、10月下旬にLinux版、11月下旬にHP-UXおよびAIX版、12月にWindows版を出荷する。UNIX版はすべて64bit版だという。IA-64への対応は、8iで「デモ版」を、9iで評価版を提供してアプリケーションの開発を推進する。また、日本オラクルもIA-64へのISV向けの開発支援プログラムを提供する。

ISV向け開発支援プログラム
SV向け開発支援プログラム

同プログラムは日本オラクルとインテル、日本ヒューレット・パッカード(株)が共同して日本HPの技術センター“PTAC(Partner Technology Access Center)”内でさまざまな評価作業を行ない、ISVに情報を提供するという。保科氏によると、このプログラムによって「IA-64対応版を出荷した時に、すぐにアプリケーションが使える」状況を目指すという。ただし、9iのIA-64正式対応版の出荷時期は未定。

また、インターネットの利用拡大によって、企業内だけでなく企業間のデータの共有が行なわれるようになり、またCRMやERPなどで扱うデータも統合して管理しなければならず、大規模で高性能なデータベースが必要であることを保科氏は説いた。9iはIAアーキテクチャー上で、そういったエンタープライズレベルの大規模なソリューションにも耐えうる製品と、保科氏は位置付けている。

データベースの伸展
データベースの伸展

9iは、データベースとアプリケーションサーバーの2つの製品を組み合わせたプラットフォーム。従来のオラクルのプラットフォームは、100を超える製品を組み合わせたものだったが、今回からは2つに統合した。ユーザーは個々の製品のバージョンなどを気にする必要がなく、細かい機能の組み合わせは全て、オラクル側で行なうという。

サーバーOS市場の動向
サーバーOS市場の動向

なお、保科氏はLinuxについて、「Eビジネスを支えるバックエンドのサーバーにも」安定して使用できると強調した。日本オラクルは子会社にミラクル・リナックス(株)を持つが、今後『Miracle Linux』をIA-64に対応させて、「エンタープライズレベルで使えるようにしたい」と語った。

IA-64に向けたLinuxと9iのラインアップ
IA-64に向けたLinuxと9iのラインアップ

基調講演でマイクロソフトの阿多社長は、Code RedやNimdaといったワーム、ウイルスへの対策として、「サーバーの管理を最新の状態に保つことが重要」だと語った。同社のDatacenter Programでは、テクノロジーと、サポートのプロセス、そしてサーバー管理者の3つの要素を上手く連携させることで、信頼性を向上させることを目指している。

しかし、サーバーの管理者が「パッチを当てて、今まで使っていたアプリケーションが動作するのかどうか」検討しているうちに、ウイルスに感染してしまうといった状況があるという。その人間のミスについてだろうが、阿多社長は講演で「この1年で、痛感している」と語った。

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