現行Mac OS Xユーザーは無償でアップグレード
アップルコンピュータ(株)は26日、記者発表会において、『Mac OS Xバージョン10.1』を29日に発売すると発表した。Mac OS X v10.1は1万4800円で、全国の主要アップル製品取扱販売店において販売される。
現行のMac OS Xユーザーは、全国の主要アップル製品取扱販売店などで無償配布される『Mac OS X v10.1 Instant Up-To-Date』と称したアップグレードキットを入手することで、最新のOSにアップグレードできる。このMac OS X v10.1 InstantUp-To-Dateアップグレードキットは、数量限定で配布される。配布される数量および店舗に関して同社プロダクトマーケティング課長の櫻場浩氏は「特に取り扱い店舗のリストアップなどは行ないません。数量も公表はしていませんが、最初にMac OS Xを購入いただいた方々に行き渡る数を用意しています」としている。
なお、配布が終了しても、Mac OS Xのユーザーであれば、『Mac OS X Up-To-Dateプログラム』を利用することで、発送手数料込みの2500円の実費でアップグレードできる。店頭に出向くことが難しいユーザーもこの方法で最新OSを入手可能だ。
![]() | Mac OS X v10.1の新機能を説明するアップルコンピュータ(株)プロダクトマーケティング課長の櫻場浩氏 |
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とにかく基本機能の向上が目玉
Mac OS X v10.1は、今年3月に発売した次世代OS『Mac OS X』の初のメジャーアップグレードとなるもので、パフォーマンスなどの面で遺恨を残した形でのリリースとなっていた最初のバージョンの欠点を大きくカバーする高機能化が図られている。
特にFinderまわりの高速化が図られており、動作にぎこちなさがあったが、かなり改善されている。特にユーザーからの指摘が多かったアプリケーションの起動については、今回のアップグレードで従来よりも2倍から3倍速くなった。ウィンドウのリサイズも自由自在というところまで軽くなっており、通常の作業にストレスを感じることはなくなりそうだ。
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Mac OS X v10.1のデスクトップ。見た目はほとんど変わらないが、動作の高速化を体感すればまったく新しいOSになったかのような錯覚するある |
新機能の追加、という面では、なぜこれがないのか、と指摘が多かった“DVD Player”がようやく追加された。また、CD-R/RWなどのデータCDの作成機能も追加された。また、デジタルオーディオプレーヤーやプリンター、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラといったデジタル機器の対応も進み、広範囲なサポートを実現している。プリンターに関しては、すでにエプソンやキヤノンをはじめ主力メーカーのドライバーは対応済みだったが、これがさらに拡張され、PostScriptプリンターに関してもPPDに対応し、出力がサポートされる。
アドビはIllustratorをMac OS X対応に
ようやく当初考えられていた環境へと整いつつあるMac OS Xとなったが、今後の大きな課題は対応するアプリケーションがどの程度までふくらむか、といったとことだろう。このMac OS X 10.1は25日深夜(日本時間)、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたパブリッシング関連の展示会&コンファレンスである“SEYBOLD SF 2001”で発表されたものだが、このSEYBOLD SF 2001では、米アドビシステムズ社が、業界標準のイラストレーションツールである『Adobe Illustrator』のMac OS X対応を発表しており、アップルにとっては幸先のよい再スタートとなった。
