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【速報】DDR SDRAMサポートのVIA製P4対応チップ「Apollo P4X266」搭載マザーが販売開始!実売価格は1万5000円前後!

2001年09月25日 19時19分更新

文● 小磯

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AV40

 Pentium 4バスライセンスを巡ってIntelとVIAが争いを行っているなか、DDR SDRAMをサポートするVIA製のPentium 4用チップセット「Apollo P4X266」を実際に搭載したマザーボードが現れた。特許侵害を理由にした両社の訴訟合戦の真っ最中に登場となったのはShuttle製「AV40」。最近は「超小型多機能マザーボード」として話題の「FV24」や、先週登場して話題となった小型アルミベアボーン「Cube-24」を投入してなにかと注目のベンダだが、今回も要注目の製品を登場させてきたことになる。なお実売価格はコムサテライト3号店で1万4780円、OVERTOPで1万4800円、高速電脳で1万5800円。Pentium 4用マザーボードとしてはもっとも安価な部類だ。



パッケージ
パッケージは地味な印象を受ける
North Bridge

 Apollo P4X266(P4X266+VT8233)はPentium 4用チップセットとしてはじめてSDRAM/DDR SDRAMをサポートするチップセットで、同時にVIA初のPentium 4用チップセット。DDR SDRAMをサポートするi845チップセットの投入は早くても2001年第4四半期中と言われているIntelに対し、当初よりDDR SDRAMのサポートに積極的だったVIAが、よりも実際の製品展開で数歩先を行っているのということが改めて証明された格好だ。結果としてこのことが、VIAが公式サイト上で「IntelがApollo P4X266の採用に対して圧力をかけている」という旨の声明を発表するほどの係争に発展したり、実際にあるイベントで、開会当初は展示されていた某大手ベンダ製のApollo P4X266マザーボードがいつの間にやら会場から消え失せ、影も形もなくなっていたりといった事態を生むことになったわけで、実際の性能うんぬん以前に、周囲の状況がきわめて特殊なチップセット。あらゆる意味で歴史的な製品になるだろうことは疑いようがない。



South Bridge
South Bridge「VT8233」
DIMMスロット
DIMMスロット

 さて、そんな注目のApollo P4X266を搭載するAV40は3本のDDR SDRAM専用DIMMスロットを搭載しているのだが、それに気づくまではi845マザーボードと説明されても信じてしまいそうなほど、ボード全体から受ける印象はSocket478搭載のATXフォームファクタ採用i845マザーボードによく似ている。もちろんSouth BridgeがVT8233となっている点や、多くのi845マザーボードと違って拡張スロットがAGP×1、PCI×5とPCIスロットが1本少なくなっている点など細かな違いはあるのだが、それにしてもよく似ている、というのが第一印象だ。
 DDR SDRAMはマニュアルによると最大1.5GB搭載可能。一方でShuttleのウェブサイトでは、レジスタードDDR SDRAMならば3GBまで搭載できる旨が記載されているが、実際のところはわからない。


North Bridge周辺(左)。チップクーラーを搭載していることもあり、ぱっと見ただけではi845マザーボードと見分けがつかない。右はSouth Bridge周辺。Promise製IDE RAIDコントローラ搭載モデル「AV40R」用の空きパターンが見られる。また、Philips製のUSB2.0コントローラ用と思われるパターンもあるが、これについての記述はマニュアルにはいっさいない
North Bridge周辺South Bridge周辺

 FSBは100~132MHzの範囲を1MHz刻みで設定可能。VCoreは1.100~1.850Vの範囲をどの程度細かく刻めるかは不明ながら設定できる。また、DIMMスロット供給電圧はデフォルトの2.50Vのほか、2.55V/2.60V/2.70Vの中から選択できるようになっている。なお、電源は12V 4ピンコネクタを持つPentium 4対応のものを利用可能。AUX電源コネクタも搭載している。

意外や意外!? ショップ側は冷静な反応
取り扱いショップは少数ながら次回入荷予定もあり

質問不可
“人柱用”として「質問不可」の文字をポップに入れるショップも

 マザーボード自体の価格がSocket478対応Pentium 4用マザーボードとしてきわめて安価なうえ、コストパフォーマンスに優れるDDR SDRAMを差すことができるという仕様のため、かなりの注目を集めそうにも関わらず、意外にもショップ側は冷静な対応。すでに「とりあえずPentium 4→i845マザーボード、パフォーマンス重視→i850マザーボード」という構図が生まれているなかで、政治的に今後どう転ぶかわからないApollo P4X266マザーボードを選択するユーザーが“人柱”以外にどの程度いるのか掴みあぐねているようだ。大手ベンダからの製品登場はまず見込めないだけに、誰よりも早くDDR SDRAMとPentium 4を組み合わせて動作させたいという人や、歴史の生き証人としてとりあえず持っておきたいという人は、見つけた段階で押さえておくのが得策かもしれない。ただし、AV40に関しては「在庫数はそれなり。さらに今週中に再度入荷予定」(コムサテライト3号店)とのことなので、パフォーマンスが気になる人は、情報が出揃うまでちょっと様子を見てみるのも悪くない!?



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