「Sagitta」とは、ラテン語で「矢」を意味する言葉だ |
フルアルミ製で高級感のあるコンパクトなベアボーンキット「Sagitta」(サジッタ)がエムシージェイから登場。洗練されたデザインで早くも注目を集めている。
肉厚のアルミ板で作られた頑丈なケースのサイズはサイズは266(W)×271(D)×78(H)mm。蓋の開閉も容易である点をはじめ、そこかしこに作りの良さを感じることができる。
そんなケースの蓋を開けると見えるのは、Delta製のi810Eチップセット搭載FlexATXマザーボード「M81ENT-FX」だ。これはオンボード10/100Base-TX対応ネットワークコントローラ「SiS900」、ビデオエンコーダ「CH7008A」を搭載しているほか、ノートPCや一部の1Uラック用マザーボードで見られるMini PCI Socketを持ち、Wisecom製と思われる56kbpsモデムカード「WS-5614KMEB」をそこに標準で搭載している。注目は、映像出力用にSとコンポジットの両端子を用意している点だ。初回出荷分に松下寿製の読み出し最大24倍速スリムCD-ROMドライブを搭載してきたエムシージェイによると、Sagittaのコンセプトに「セカンド以降のDVD-Video再生用PC」としての側面があるため、今後はテレビ出力端子を生かせる、DVD-ROMドライブや、コンボドライブを搭載したモデルの発売も予定しているという。
CPUソケットの真上にHDD用のマウンタが用意されている |
拡張性を見てみると、メモリスロットはCD-ROMドライブの直下に2本用意されており、最大512MB。Mini PCI Socket用の拡張カードは現在のところ市販されていないので、カードによる拡張は不可能と考えた方がいい。HDD(ICHによりUltra ATA/66に対応)はCPUソケットの真上に設けられたマウンタに1台搭載可能だが、この仕様のため、CPUクーラーは背の低いタイプを選ぶ必要がありそうだ。Socket370とマウンタの距離は実際に編集部で計測したところ約40mmとなっているので、空気の流れを考えると、高くとも30mm厚程度までのクーラーを選択すべきだろう。CPUはcD0ステッピングコア版PentiumIII/Celeronをサポートしており、エムシージェイによればPentiumIII、Celeronともに1GHzの動作を確認しているとのこと。クーラーさえどうにか用意できれば、小型の高速マシンを組むことができそうだ。ちなみに、FSBは66~150MHzの間を14段階に変更可能。FSBを設定できるというのは、FlexATXベアボーンとしては極めて珍しい仕様である。
価格はOVERTOPで2万9800円、高速電脳で3万800円。デザインとサイズ、そしてスペックを考えるとかなりお買い得だ。FDDを搭載していないのでオフィス向きではないかもしれないが、ベアボーンキットの購入を考えているほとんどの人にとって極めて有力な選択肢になることは間違いないだろう。
なお、先に紹介した、同じくエムシージェイから登場予定のSCSIケース風ベアボーンキットだが、こちらは入荷が遅れている。どうやら、先の米同時多発テロの影響で台湾を出国できなかったもよう。こちらを狙っていた人はあと数日の辛抱が必要なようだ。
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