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大原学園、税理士講座のストリーミング配信を開始

2001年09月10日 23時13分更新

文● 編集部 中西祥智

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大原簿記専門学校などを運営する学校法人大原学園は10日、インターネット上でストリーミング配信する“税理士WEB講座”を開始したと発表した。

“税理士WEB講座”
“税理士WEB講座”ブロードバンド用講義画面(ワイド仕様)

税理士の資格を取得するためには、簿記論および財務諸表論の2科目は必須で、それに所得税法、法人税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、住民税、事業税、固定資産税の9科目中の3科目を加え、合計5科目の試験に合格しなければならない。試験は科目合格制で、受験者は5科目を1度に受験する必要はない。毎年8月1日に試験が行なわれる。

大原学園では、情報化の発達に合わせ、また遠隔地での学習強化のため、1998年の9月にCSデジタル放送を利用した通信教育を開講した。現在までにのべ1万2000名が受講したという。2000年9月には、インターネットを利用した質問の受け付けなど、学習支援ツールの提供を行なった。そして今回、ブロードバンド化を見据えて、ストリーミング配信による講義を開始したという。

税理士WEB講座は、税理士試験の全11科目の内の簿記論、法人税法、財務諸表論、相続税法、所得税法、消費税法の、主要な6科目の講義を行なう。10日に配信を開始したのは相続税法で、12日に所得税法を、以下は順次開講するという。講義は各科目とも週2回程度、1回2時間で全78回、156時間となる。受講者は24時間受講可能で、映像をダウンロードしてローカルディスクに保存することもできる。配信する映像は事前に収録したもだが、同学園では大きなトピックスがあれば随時追加収録するなど、タイムリーな話題にも対応したいとしている。

スケジュール画面
スケジュール画面

受講には、専用のアプリケーションのインストールが必要となる。受講者が税理士WEB講座に接続すると、ログイン画面のあと、まずスケジュール画面を表示する。ここで各自の学習スケジュールを管理する。カレンダー画面から講義を選択すると、“講義カード”画面になる。ここで、3種類の講義の中から、受講者の通信環境や嗜好に合うものを選ぶ。講義はブロードバンド用とナローバンド用に分かれ、さらにブロードバンド用はワイド画面と標準画面の2種類に分類される。ブロードバンド用ワイド画面の講義では、640×480ドットで映像を表示し、標準画面の講義は320×240ドットでの表示を行なう。ナローバンド用講義は、画面中央に静止画を、画面右上で動画を再生する。

ブロードバンド用標準画面
ブロードバンド用標準画面

各講義は15~20分程度ずつ、8~10のブロックに分割されており、“ブロックインデックス”として、それぞれのブロックに見出しが付けられている。その見出しかインジケーターをクリックすることで、講義の希望する部分を見ることができる。そのほか、質問メールの送信や講義の検索、資料のダウンロード、受講者のフォーラムへの参加などが可能。

インターフェース
インターフェースのボタン。左から質問メール、FAQ、講義一覧、フォーラム、ミニテスト、資料のダウンロード、メモ、スケジュール

税理士WEB講座は、Eラーニングなどの開発を行なっている(株)スマートリンクと大原学園が共同で開発した。講座を閲覧するアプリケーションは、内部的には『Windows Media Player』であり、配信する映像も“Windows Media Video”となる。ブロードバンド用講義を受講するには、384kbps程度の通信速度が必要。ワイド画面と標準画面は、Windows Media Playerの拡大表示機能を利用しており、ダウンロードするデータの量は同じ。ナローバンド用講義は、64kbps以上で利用可能。

講義を受講する際には、受講者のパソコンのレジストリに、IDおよびセキュリティーキーが自動的に書き込まれる。これによって受講者は最大2台のパソコンでしか受講することができず、3台以上での利用を望む場合には、別途受け付けるという。また、ナローバンド用の映像をダウンロードすることが可能だが、保存した映像ファイルは受講者のパソコン以外では再生できない。

ナローバンド用講義
ナローバンド用講義。中央に大きな画像を表示している

税理士WEB講座の対応OSはWindows 98/98SE/Me/2000で、Windows XPにも対応する予定。Mac OSには対応しない。また、IE 5.0以上、Windows Media Player 7.0以降、Adobe Acrobat Reader 5.0以降も必要になる。

受講料は、1科目につき17万円。本来は19万円だが、開講記念特別価格、接続料支援キャンペーン価格として1万円ずつ、17万円に引き下げた。また、大原学園のウェブサイトからADSLサービスを申し込んだ場合は、さらに1万円の割引となる。

大原学園広報部部長代理の和田芳典氏大原学園広報部部長代理の和田芳典氏

大原学園広報部部長代理の和田芳典氏は、税理士WEB講座の初年度の受講者数を約2000名と見込んでいる。講義は9月に開講して8月までに終了するが、9月10日時点での申し込み者数は約400名だという。また、今回提供を開始したのは初級講座だが、今後は上級講座も併設する。和田氏は、「年間5000名の受講者を目指す」としている。

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