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HandEra 330(英語版)

HandEra 330(英語版)

2001年09月10日 19時54分更新

文● 小林

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HandEra 330(英語版)

HandEra MDS/アスク(販売代理店)

オープンプライス

HandEraの「HandEra 330」は、高解像度(240×320ドット)表示に対応し、2種類のメモリカードスロットを搭載するなど、高機能を売りにしたPalmデバイスだ。HandEraの前身は、CFスロット搭載のPalmデバイス「TRGpro」を開発したTRGProductsで、本機の開発を表明した2001年4月に社名を変更している。現在入手できるのは英語版のみだが、国内販売代理店の1社、アスクが本体にJ-OS(英語版Palm OSの日本語化キット)を同梱したパッケージの販売を開始している。

縦長のハイレゾ液晶を生かす
便利なVirtual Graffiti

背面。電源は単4乾電池×4本を使用。スタイラス収納部が空いているのが特徴的。シリアルコネクタの形状はWorkPad 30Jなど、PalmIII系の製品と同等。Palm OS 3.5対応のドライバが入手できるものなら、周辺機器の流用も可能だ。

 HandEra 330のボディは、「PalmIII」をベースにした伝統的な形状で、クレードル/ケース/スタイラスなど多くのPalmIII/WorkPad用オプションを利用できる (周辺機器の使用にはPalm OS 3.5に対応したドライバが必要)。PalmIIIが米国で発売されたのは'98年3月であり、サイズは81(W)×121(D)×17(H)mmと、薄型化が進んだ最近のデバイスに比べて大きく無骨な印象だが、本体上部に備えるCF&SDカードスロットやボイスメモ、メニュー選択用のジョグスイッチなど機能はギュっと詰め込まれている。

 これら一連の新機能のうち、最も注目したいのが、液晶のハイレゾ化(高解像度化)だ。本機はドット数が1.5倍のハイレゾフォントを用意しており、Palm OSの標準フォントに比べて、文字が格段に読みやすくなっている。液晶のハイレゾ化はすでにソニーの「CLIE」が先鞭を付けているが、HandEra 330ではカラー表示に対応せず、3:4の縦長液晶(240×320ドット)を採用している点が異なる(CLIEを含む、通常のPalmデバイスの液晶は縦横比1:1)。



新機能の「Virtual on-screen Graffiti」。Graffitiエリアは上部の矢印をタップすることで小さく折りたため、画面を有効活用することができる。

 この縦長の液晶を活かすために採用されたのが、「Virtual on-screen Graffiti」である。これは通常液晶の下側に置かれているGraffitiエリア(文字入力エリア)をソフトウェア化し、用途に合わせて伸縮できるようにしたものだ。通常は画面の1/3程度の大きさを占有しているが、文字入力を行わない場合などは、上部の矢印をタップすることで下側に小さく折り畳んで画面を広く使うことができる。

 液晶のハイレゾ化やVirtual on-screen GraffitiはHandEraが独自に拡張した機能のため、Palm OS標準の160×160ドットを想定して開発されたアプリでは、Graffitiエリアの縮小表示時に画面の下側が空白になってしまうが、標準添付のメモ帳や表計算ソフト「QuickSheet」以外にも、続々と対応アプリが増えてきている。Virtual on-screen Graffitiは、入力したペンストロークが画面に表示されるなどギミック面でもおもしろく、今後Palm OSに標準で備えてほしい機能のひとつである。



Palm OS標準の160×160ドットを想定して開発されたソフトは、標準では拡大して全画面表示されるが、OSの環境設定(Pref)を変更することで、実サイズのまま画面の左上/中央に表示することも可能だ。
メニューに表示するアイコンのサイズも変更することができる。

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