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Cyber-shot DSC-P5/DSC-P3

Cyber-shot DSC-P5/DSC-P3

2001年08月31日 22時53分更新

文● 行正

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持ち歩いてのスナップに最適

蘆花旧邸
P5撮影サンプル1。F2.8、1/50(Exifデータ数値)。元画像は2048×1536ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。
蘆花旧邸アップ
P5撮影サンプル1の中央左を640×480ドットにトリミングしたもの。黒つぶれしにくく、暗部も描写されている。

 本体を小型化しつつも細かな改善が施されたP5とP3は、普段から持ち歩いて気軽に利用できるコンパクトデジタルカメラとしていっそう完成度が高まっている。画質に関しては、画像補間処理「SRC(Super Resolution Converter)技術」により、ノイズの少ない画像となっているのだが、若干シャープさに欠ける印象も受ける。また、14bitA/Dコンバータのおかげもあってか画像の白飛びや黒つぶれは少ないが、フラッシュ調光に関してはまだ改善の余地があり、被写体が近い(普通のバストショット程度)状況でも露出オーバーになりやすいようだ。



マクロ
P5撮影サンプル2。元画像は2048×1536ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズ。F2.8、1/125(Exifデータ)。マクロモードでの撮影。
マクロ
P5撮影サンプル2の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。描写性はかなり高く、色も鮮やかに再現されている。

 ホワイトバランスは、P1と同様に自動/ホールド/室内/屋外の4モードのみである点は少々不満が残る。室内が“白熱灯”に設定されているため、蛍光灯下ではオートホワイトバランスに頼ることになる。P5/P3のオートホワイトバランスはそれほど大きく間違うことはあまりないが、それでも微妙な光源下ではマニュアルでも設定したくなるのは確かだ。



向日葵
P5撮影サンプル3。元画像は2048×1536ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズ。F5.6、1/250(Exifデータ)。P5は35mm換算で39mm~となっているので広角側が弱く、広々とした情景を表現するのが難しい。
夜景
P5撮影サンプル4。元画像は2048×1536ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズ。F2.8、1秒(Exifデータ)。夜景モードでの撮影。モードダイヤルに夜景はあるもののCCDノイズリダクションを搭載していないこともあって露光は最長2秒。露出補正をかけることはできるがシャッター速度は選べない。

 特筆すべき点としては、P5/P3のグリップ部のデザインがある。P5ではフロントのグリップ部には格子状に突起が並んでおり、P1における縦長のものと比べてホールドしやすくなった。注目なのはフラッシュ発光窓の左下にあるひとまわり大きな突起だ。グリップ部の突起が樹脂製なのに対してこの突起はボディシェルの一部なのだが、これは右手の指でフラッシュ発光部を覆わないための“フラッシュ位置判断用突起”になっている。P1では、慣れないとグリップしたときに右手中指がフラッシュを覆ってしまい、フラッシュを発光させたときに不測の光量不足になることがよくあるのだが、P5/P3ではこの突起よりも右手中指が上に行かないように持てばよいわけだ。とはいえ、P1を初めとするCyber-shot DSC-Pシリーズはフラッシュがレンズから遠くグリップに近い位置にあるのが最大の問題で、突起により指がかかりにくくなったとしても近い距離の撮影では被写体の左側横に影が写ってしまう。この点は抜本的な対策が望まれる。



自然
P5撮影サンプル5。元画像は1536×2048ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズしている。F4.0、1/200秒(Exifデータ)。発色は記憶色を強化するように補正されているようだ。樹木の緑は実際以上に鮮やかに発色している。

 今回の最大の変更点である新バッテリに関しては、実際に持ち歩いて使用してみると約1時間程度は利用できる。電池の持ち自体はDSC-P1とほぼ同レベルであり、バッテリ容量が減っているにも関わらず同じ時間の利用を可能にしている省電力設計は評価できるものの、1時間程度の利用というのはいかにも短い。バッテリそのものが小さくなったので、複数持ち歩いても苦にならないだろう。DSC-P30やP50、P20では単3電池を利用(緊急用)可能にしたものの本体サイズも大型化し、デザイン的にはいささかやぼったくなったことを考えれば、スタイリッシュコンパクトデジカメを目指すP5/P3の方向性に合致している。ただし、NP-FC10の充電はP5/P3に装着し、付属ACアダプタをカメラに接続して行うしかないので、旅行などで複数のバッテリを使いまわす際は少々不便だ。現在のところNP-FC10用充電器は用意されていないが、是非ともオプションとして望みたい。



猫
P3撮影サンプル1。元画像は1920×1440ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズ。F4.0、1/250秒(Exifデータ)。
猫
P3撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。解像感は非常に良好だ。

 IXY DIGITALシリーズを凌ぐ人気のDSC-P1の後継機種として、P5/P3のコンパクトさや新機能はユーザーにとって満足できるものだろう。マニュアル撮影機能を持たない点はカメラ上級者には不満を感じるかも知れないが、スナップ用のサブカメラとしての魅力は高い。



階段
P3撮影サンプル2。元画像は1920×1440ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。F2.8、1/320秒(Exifデータ)。マクロ単焦点ということもあってレンズの歪みは少なく、描写は良好だ。

 なお、ソニースタイルでは新Cyber-shotに関係した開発者インタビューなどをメールマガジンで配信しているので、興味のある方は一読しておくとよいだろう。



花と虫P3撮影サンプル3。元画像は1440×1920ドットだが、掲載用に480×640ドットにリサイズ。F4.0、1/30秒(Exifデータ)。マクロモードでの撮影。
花と虫アップ
P3撮影サンプル3の中央部を640×480ドットにトリミングした。P3の解像感も良好で、細かな部分もシャープに再現されている。
Cyber-shot DSC-P5/DSC-P3の主な仕様
製品名 Cyber-shot DSC-P5 Cyber-shot DSC-P3
撮像素子 1/1.8インチ有効321万(総334万)画素CCD 1/1.8インチ有効282万(総334万画素)CCD
レンズ 光学3倍ズーム、f=8~24mm(35mmフィルムカメラ換算:39~117mm)、F2.8~5.6 単焦点、f=6.9mm(35mmフィルムカメラ換算:36mm)、F2.8
記録媒体 メモリースティック(8MB付属)
記録画素数 2048×1360(3:2)/2048×1536/1600×1200/1280×960/640×480ドット 1920×1280(3:2)/1920×1440/1600×1200/1280×960/640×480ドット
液晶モニタ 1.5インチTFT(12万画素)
インターフェイス USB、DC入力、ビデオ出力
電源 インフォリチウムバッテリ
本体サイズ 112.5(W)×36.2(D)×53.8(H)mm 112.5(W)×38.1(D)×53.8(H)mm
重量(本体のみ/装備重量) 約185g/約214g 約165g/194g

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