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アットホーム、事業戦略を説明――ADSLが最大の敵だ!

2001年08月31日 15時27分更新

文● 編集部 中西祥智

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アットホームジャパン(株)は30日、記者説明会を開催し、事業戦略についての説明を行なった。

アットホームジャパンのサービス提供エリア
アットホームジャパンのサービス提供エリア

冒頭、廣瀬禎彦代表取締役社長は、現在のインターネット接続事業者の価格競争について、「コストの下方硬直性の高いインフラビジネスでは、コストダウンは難しい」としながらも、「新技術をタイミングよく取り入れて、永続的なコストダウンを図り、また質の高いサービスを」提供していきたいと語った。

廣瀬禎彦代表取締役社長廣瀬禎彦代表取締役社長

同社の説明によると、2000年には、CATVがブロードバンドの代名詞のようになっており、各CATV局も加入者が多くて困っているような状態だったという。しかし、2001年には一転して激しい競争にさらされるようになった。CATV事業者にも、値下げや回線速度の増速、付加価値の高いコンテンツ、通信品質の向上などを求められるようになったという。2001年6月末での同社の加入者は約29万世帯。7月末の時点で、全国42のCATV局に約700万世帯が加入可能なサービスを展開しているが、今年度末までには、1000万世帯が加入可能な体制を目指すという。

また、同社は年内に10から15の有料コンテンツの配信を開始する。現在、会員専用のポータルサイト@NetHomeにおいて、オンラインソフトやニュースなどの無料コンテンツを、23社から、ストリーミングコンテンツが367本、ダウンロードコンテンツを1080本提供している。廣瀬社長によると、今後「月額500円くらい」のコンテンツビジネスを行なうとしている。また、今後はEコマースへの展開も準備しているという。

廣瀬社長は、現在の売り上げのほとんどが接続料金によるものだが、「アクセスラインだけではほとんど収益が出ない」と語る。アクセスにコンテンツを組み合わせて、新しいソリューションを提供し「全体での収益性を確保」したいとしている。同社ではブロードバンドに対応した新しい広告手法についても検討しており、FlashやアニメーションGIFによる広告をクリックすると300kbps程度のストリーミングビデオを再生し、その後クライアントのウェブサイトへ移動するような方式を考えているという。

ブロードバンド広告手法
ブロードバンド広告手法

その一方、親会社である米Excite@Home社の経営が悪化していることについては、アメリカのCATV向けのISPは厳しいとしながらも、廣瀬社長は「現在は報告できる状況にない」として、詳細な説明を避けた。

また、廣瀬社長はパートナーのCATV局にとって「最大の敵はADSL」であり、ADSL事業者にコンテンツを提供することはないとしている。ただし、CATV局がADSL事業に進出する場合には、検討するという。同社は今年度中にさらにサービスを拡大し、主に東海、四国、九州といった地域で、新たにサービスの提供を開始する。今年度末には、全国で合計48局のCATV事業者にサービスを提供する予定。

同社の第2期(2000年1月~12月)における事業報告によると、2000年の売上高は7億3000万円、当期損失は31億2000万円。また、2001年4月に増資した結果、現在の資本金は65億円となっている。

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