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マイクロソフト、テクニカルカンファレンス“Microsoft Tech・Ed 2001 Tokyo”を開催

2001年08月28日 19時08分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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マイクロソフト(株)は28日、企業ユーザーや開発者向けのテクニカルカンファレンス“Microsoft Tech・Ed 2001 Tokyo”を開催、同社テクノロジーの解説や最新技術動向、企業情報システム構築のための実践的ノウハウなどを紹介した。

開催初日となる本日は、Opening Dayとして、同社の阿多親市代表取締役社長のオープニングスピーチ、米マイクロソフト社のジェネラルマネージャによる基調講演が行なわれた。

阿多社長
同社の阿多親市代表取締役社長

阿多社長は、「IT関連メーカーはリストラの真っ最中で、パソコン出荷台数も下降しているが、企業向けパソコンやサーバーは相変わらず堅調な伸びを示している。これは各企業が社内システム構築に投資を続けているためだ。われわれは今後Windows XPを出荷するが、ブロードバンド時代に向けて常時接続による新たなパソコンの使いかたを提案していく。これによりパソコンと周辺機器の出荷は増加するだろう」

「今回のTech・Edのメインテーマは基幹システム構築の提案。システム構築の基盤となるのは、ソフト、Windows、ハード、技術情報、技術サポートだ。われわれはこれらの基盤要素に対しさまざまな取り組みを行なっている。ハードウェア対応としてWindows Datacenterプログラム、ソフトウェア対応として、ソフトウェアベンダーとの協業によるWinodwsとソフトウェアの動作検証を提供している」

「システム運営については、障害を起こさないための技術情報や、障害時の問題解決への環境整備を提供する。今年中に1000名のサポート体制を作りたい。セキュリティー問題への対応については、問題重要度に応じて24時間電話相談窓口を開設、顧客の状態を伺い適切なサポートを行なう」

「われわれは、ソフトを提供するだけでなく、システムに関するさまざまな問題を解消するため、動作検証、技術情報、技術支援により力を入れていく」と挨拶した。

次に、米マイクロソフト社.NET Enterprise ServersジェネラルマネージャのMicheak Risse(マイケル・リッセ)氏が、“.NET in the Enterprise”をテーマに基調講演を行なった。

Risse氏
米マイクロソフト社.NET Enterprise ServersジェネラルマネージャのMicheak Risse氏

同氏は、昨年より同社が新規5製品を含む12の新サーバー製品をリリースしたことについて「今年はエンタープライズの年」とし、過去10年間を合わせたよりも大きな成果があったと語った。また同氏は、エンタープライズビジネスにおいて重要なのは時間であり、ウェブベースのソリューションを短期間で開発することで、既存システムとの統合やシステム規模の拡大もスムーズに行なえると説明した。

同氏は、エンタープライズサーバー製品に、顧客とのやり取りを実現する『Commerce Server 2000』や『Content Management Server 2001』、ビジネスパートナーとの情報のやり取りを行なう『Biztalk Server 2000』『Host Integration Server 2000』、社員のビジネスの効率化を図るための『SharePoint Portal Server 2001』『Mobile Information Server 2001』『Exchange Enterprise Server』について紹介、それぞれの製品デモを行なった。また同氏は、次期Exchange Serverのデモで、企業内の各種ストレージに保管されているさまざまなデータ形式の情報を同時に検索し、結果を表示できると説明した。

続いて、米マイクロソフト社.NET Developer PlatformジェネラルマネージャのDavid Treadwell(デビッド・トレッドウェル)氏が、“インターネット時代における開発の生産性”と題した講演を行なった。

Treadwell氏
米マイクロソフト社.NET Developer PlatformジェネラルマネージャのDavid Treadwell氏

同氏は「インターネットによりコンピューターの使いかたが変わる。今後10年の間にますます変革するだろう。ウェブサービスはXMLをベースとしたものが中心となる。コア部分にXMLを利用することで異種間でのデータのやり取りが可能となる。XMLベースのウェブサービスの基盤となる技術は、サービスの発行/発見/利用のためのUDDI、サービスの利用法を記述するWSDL、サービスにアクセスするためのSOAP、汎用的なデータフォーマットのXML、コミュニケーション基盤となるインターネットの5つだ」と語った。

また、アプリケーションサービスの開発を効率よく行なえるものとしてMicrosoft .NETをあげ、「.NET Frameworkはランタイムインフラ。.NET Frameworkの重要な要素の1つであるASP.NETにより、サイトおよびサービスを容易に構築できる。ASP.NETは、従来のASPを大幅に進化させたもので、開発の効率を上げられる。また.NETは20種類以上のプログラミング言語が.NETに対応しており、多言語での開発が可能だ。日本市場向けに富士通と協力し、COBOLとFortranも利用可能となっている」と説明した。

なお、Tech・Ed参加者には、開発ツールの最新版『Visual Studio .NET』のβ2版が配布された。同氏は、Visual Studio .NETについて「Visual Studio .NETではWDSL 1.1をサポートした。ワンクリックホスティングやエンタープライズツールも追加されている」と語った。また、.NET Frameworkを利用したモバイルアプリケーション構築ツール『Mobile Internet Toolkit』のβ2版は、日本では9月14日に公開するという。同氏は、「Mobile Internet Toolkitにより、複数のモバイルデバイスから利用可能なASP.NETアプリケーションを構築できる。iモード、EZweb、J-Skyに対応しており、Pocket PCもサポートする」としている。製品版の提供はVisual Studio .NETと同時期になるという。

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