“オルトアール総合雑談中心”というウェブマガジンがある。
![]() |
---|
“オルトアール総合雑談中心”(http://www.alt-r.com) |
メインテーマは、名前にもある通り“雑談”だ。それを象徴するのが“メーリングリスト5人組(ML5)”というコンテンツである。これは、メーリングリストでやりとりされる会話が、随時ウェブ上にアップされてゆくというシステムを使った雑談形式のコンテンツだ。この“ML5”が見せた気軽かつ軽快な雑談が、多くのユーザーからの支持を得た。そしてユーザーの雑談意欲の高まりに応えて、ML5の経験をもとに、メーリングリスト自動掲載システムを新規開発。“オルトアール雑談開放区(MLX)”として一般に開放し、ユーザーは独自の“雑談”の場が作れるようになった。
同サイトではこうした雑談のほかにも、スタパ齋藤氏の“スタパライフ”や船田戦闘機氏の“遥かなる1000万PV”が用意された不定期コラムコーナー“ナローキャストステーション”(ML1)をはじめ、写真あり、インタビューあり、広告あり、スクラップあり、チャットあり、IRCに関する新しいRFC(Request for Comments)を日本語化するライブラリありと、コンテンツが大小さまざま軒を連ねている。さらに最近では、“オルトアール楽天ブックス”という、ネット上の本屋さんも開始した。
一日平均10数万PVを数える雑談サイトとはどんなものなのか。オルトアールが提唱する“雑談”の魅力とは何なのか。そして雑談を軸にしてオルトアールは何を目指すのか。同サイトの編集長である、(株)タフ・代表取締役会長、船田巧(船田戦闘機)氏を訪ねた。
オルトアールの成立
![]() |
---|
“船田戦闘機”として知られる、タフ代表取締役会長/“オルトアール総合雑談中心”編集長・船田 巧氏 |
結論として、みんながああいう(雑談開放区の)使い方をするっていうのがわかれば、みんなにとっていいかなと、そんな感じですかね。
オルトアールの人々
オルトアールには、“雑談”を実践するコンテンツとして、前述した“メーリングリスト5人組”(ML5)のほか、70年代生まれの7人による“メーリングリスト7人衆”(ML7)や、昭和38年生まれのメンバーによる“メーリングリスト38年組”(ML38、現在は終了)がある。ML7では情報がURLという形で飛び交い、ML38では親父ギャグという形に昇華される。それぞれに個性があるこの取り合わせは、どうやって生まれたのだろうか。
メンバーは、「スタパは集客力もあるし」という編集的な読みも入っていましたが、根本は“お友達”で、自分が話をしたいと思う人を、誘ったんですよ。開放区でもみんな、こいつとはいつも話をしていたいと思う人が集まってくれれば、それで自然と面白いものになりますよ。
ただ、“5”みたいに仲間だけでやっていると、知らない話というのがあまり多くないわけですよね。そこに違う世代の人たちを入れて、自分たちではできない話をしてもらおうということです。“7は”下に、“38”は上に、ちょっとずつジェネレーションギャップがあって、やっぱり知らないことがある。まったく知らないことには興味を持てないけれども、ネットを通じて見ていくと、ほどよい距離感で読める。そんな感じです。
![]() |
---|
すでに終了している“ML38”。メンバーはワタナベアニ氏、伊藤ガビン氏、寺田克也氏、山口優氏。船田氏によれば「もとはガビンちゃんが、オヤジギャグのをやりたいって言ったのが始まり――」らしい |
進行役に関していえば、ML5をプロデュースすること自体が、また実験なんです。で、一応、ML5や、ML1といっているコラム形式のものについては、どう動いていくかおおむね判った、という心境に達しているので、もうあまりいじらない。逆に開放区などで、こちらが考えていなかった使われ方を、誰かしてくれないかなーという感じなんですよね。
![]() |
---|
編集長として、自ら雑談を提供してゆく船田戦闘機氏。PVが上がった時期は、書き込みが途切れないよう夜中にネタを探してまわったりしたとか |
