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アスキー、PS2版『シーマン ~禁断のペット~』を発売

2001年08月22日 23時22分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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(株)アスキーと(株)ビバリウムは22日、プレイステーション2(PS2)版『シーマン ~禁断のペット~ ガゼー博士の実験島』を制作、発売すると発表した。発売日は11月15日。

PS2用画面
PS2版『シーマン ~禁断のペット~』の開発中画面

『シーマン ~禁断のペット~』は、音声認識技術を利用して、画面上の水槽の中にいるペット(シーマン)とマイクで会話しながら飼育するもの。ペットは飼い主との会話を通じて得た情報を元に知識を増やし、それらの知識によって会話内容も変化、複雑なものとなっていく。日々の世話を怠るとペットは機嫌を損ねたり病気になったり餓死したりする。逆に世話を続ければ交配、産卵し次の形態へ進化していく。

オリジナル版となるドリームキャスト版『シーマン ~禁断のペット~』は、ビバリウムが'99年7月に発売、限定バージョンや2001年版を含めた累計が55万本を超えるDC最大のセールス記録を持つ。

今回発表されたPS2版『シーマン ~禁断のペット~』は、アスキーとビバリウムが共同で開発する。言語処理とシーマン独自の知能(AI)はビバリウムが担当し、描画やPS2に依存する部分はアスキーとビバリウムが共同で行なうという。

PS2版『シーマン ~禁断のペット~』は、いわゆる続編“シーマン2”ではなく、シーマンの育成を体験していないPS2ユーザーにも楽しんでもらうため、PS2用にリメイクされたもの。DC版と同様に、最初からシーマンを育てるようになっている。

しかし、PS2版『シーマン ~禁断のペット~』は、シーマンの特徴である“生き物の面白さ”や“ペットに飼われている錯覚”をより強めるために、シーマンの育成環境がDC版から少々変化している。

まず、シーマンの生体は、DC版が養殖モノであったのに対し、PS2版は天然モノ。場合によっては野生のシーマンを捕まえてくることも必要になるという。

また、飼育環境はDC版では水槽のみだったが、PS2版は水槽や海洋などで飼育可能。DC版は水槽で飼育していたシーマンが進化し熱帯雨林に飛び出して行くところで終わるが、PS2版はその熱帯雨林の島も育成環境のひとつとして登場、島の散策も体験できる。

シーマンの餌は、DC版では虫かごで飼育した虫を利用していたが、PS2版は屋外を散策しながら自分で“天然餌”(昆虫)を手に入れなければならない。夜行性の虫を手に入れる場合は、暗闇を懐中電灯で照らしながらの散策となり、毒虫を捕まえると手を刺されてしまうという。

なお、ビギナーユーザーに対しての音声ガイド(ナレーション)は、DC版同様、俳優の細川俊之氏が担当する。

アスキーは、シーマンの育成キットに必要な音声入力デバイス(マイクデバイス)“シーマイク(SeeMIC)”を設計、このシーマイクを内蔵したオリジナルコントローラーを開発した。PS2版『シーマン ~禁断のペット~』は、このシーマイク対応コントローラーを同梱して発売される。

コントローラー
マイクデバイス“シーマイク”を内蔵したコントローラー。ソフトに同梱して提供される

PS2版『シーマン ~禁断のペット~』の価格は8800円。なお、初回予約のみの限定パッケージとして、シーマンの世界観の核となるピラミッドテキストを象ったシーマイクコントローラーの石版仕様バージョンを同梱した『限定同梱版』も用意される。価格は同じく8800円。

限定版コントローラー
石版仕様バージョンのシーマイクコントローラー。初回予約の限定同梱版に同梱される

さらに予約キャンペーンの一環として、9月1日~10月15日までに店頭予約を行なったユーザー全員に、(株)海洋堂の製作によるフィギュアボトルキャップ(“フロッギー”と“ギルマン”の2種類)をプレゼントする。

特製フィギュア
海洋堂製のフィギュア。左が“フロッギー”、右が“ギルマン”。店頭予約者全員にプレゼントされる

ビバリウムの代表取締役社長で『シーマン』のゲームデザイナーである斎藤由多加氏は、アスキーと組むことになった経緯について、「PS2版を作る上での最大の壁がマイクデバイスと音声認識エンジンだった。ソフトに周辺機器をバンドルするのはハードルの高いビジネスモデル。DC版の時はマイクデバイスそのものをセガが用意してくれたが、PS2の場合、SCEIの方針が“周辺機器はサードパーティーが用意する”とのことだったので、われわれデベロッパー側がマイクデバイスを製造し在庫管理をしなければならなくなり、パブリッシャーと組む必要が生じた」

「シーマンというキャラクターは元々ネットワークエージェントとして考えられたもの。DC版発売後、マルチプラットフォームに対応するべく、他の機種を検討したとき、故大川会長から“PS版をやるならぜひアスキーで”とアドバイスをもらった。アスキーは周辺機器に長けており既に多数のコントローラーを出している。お会いした後とんとん拍子で話が進み、今に至った」と説明した。

また、PS2版のプロモーション展開については「DC版では、“ゲーム”という言葉を使わず“ペット”と統一してプロモーション展開してきた。今回も今までのゲームタイトルとは違ったプロモーションを行なう。その際気を付けるのが機能が増えたことを強調しないこと。シーマンユーザーは普段ゲームをしない人が多いので、“○○機能により△△が可能になった”などと言うと敷居が高くなってしまう気がする。われわれは“シーマン~禁断のペット~”のひと言だけでプロモーションを行なう」としている。

また、DC版ではシーマンを経由して知人とメッセージをやり取りするなどネットワークに対応していたが、今回のPS2版は対応していない。「PS2版はマイクデバイスを同梱するため他のソフトより値段が高くなる。さらにネットワーク対応となるとユーザーの負担が大きくなってしまうので、今回はスタンダードな育成キットのみ」(斎藤氏)。

斎藤氏は「自分のメッセージをシーマンに託すとシーマンが相手先に行って代弁してくれるエンジンは現在もバージョンアップを続けている。パソコン用『SEAMAIL』という形で近い将来紹介したい」としている。SEAMAILは、(株)ISAOの入会キャンペーン用プレミア賞品として提供されたコミュニケーションソフト。ビバリウムはSEAMAILのバージョンアップを継続しながら、将来的にパソコン用ソフトとして販売する予定だが、時期や価格、販売方法などは未定という。

また、アスキーの鈴木憲一代表取締役社長は、「シーマンを当社から送り出せるのは大きな喜び。前作で為し得なかった要素が取り入れられている。売上目標は50万本だが、ミリオンセラーを目指して努力する。アスキーはゲーム事業をやめたのではという話が出ているが、焦点を絞ってインパクトのあるタイトルを作っていきたい。そのためのエンジニアも確保できている」としている。

斎藤社長と鈴木社長
ビバリウムの斎藤社長(右)と、アスキーの鈴木社長(左)。斎藤社長は「2年前は記者発表もやらずに発売に至った。このような華やかな場で発表できるのは生みの親として光栄。こんな変わったソフトをSCEIもよくOKしてくれたなあと思う」とコメント

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