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NECと松下、携帯電話端末分野で提携

2001年08月21日 23時51分更新

文● 編集部 桑本美鈴・田口敏之

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日本電気(NEC)(株)と松下電器産業(株)、松下通信工業(株)の3社は21日、第3世代携帯電話端末分野において、開発協業を行なうと発表した。携帯電話で国内大手同士の提携は初めてとなる。

左から、松下通信工業社長・桂靖雄氏、松下電器産業副社長・川田隆資氏、松下電器産業社長・中村邦夫氏、NEC社長・西垣浩司氏、NECネットワークスカンパニー社長・杉山峯夫氏
左から、松下通信工業社長・桂靖雄氏、松下電器産業副社長・川田隆資氏、松下電器産業社長・中村邦夫氏。NEC社長・西垣浩司氏、NECネットワークスカンパニー社長・杉山峯夫氏

松下グループは松下通信が携帯電話を生産しており、2000年の国内市場のシェアは26%で1位。一方NECは23%で2位だった。今回の協業は、NECが半導体やソフト開発技術などを、松下グループがデジタルAV技術をそれぞれ持ち寄って開発の効率化を図り、高品質な製品をいち早くタイムリーに市場投入することによって、第3世代携帯電話のグローバルな市場において、それぞれがリーディングカンパニーとなることを目的としている。

今後の具体的なスケジュールについては、これから話し合うとしており未定だが、最初のプロダクトの投入には欧州を考えており、欧州の大手携帯電話メーカー、フィンランドのノキア社と真っ向から対抗してゆく形だ。

    協業の内容は、
  • 第3世代携帯電話端末のアーキテクチャーの共同規定化、およびアプリケーション等の共同開発
  • モバイル融合新市場における新端末の共同開発
  • 製品投入時の評価試験における協力
  • そして2.5世代のGSM/GRPSから、第3世代も含む、必要に応じた製品の相互補完

となっている。

NECの西垣社長によれば、「第3世代の携帯電話端末は、映像などを1台で扱える、パソコン並の機能や処理能力が必要となってくる。ユーザーのニーズが拡大して、新機種の開発サイクルも短縮化したため、これに併せて、ユーザーが安心して使用できる端末を開発するために、技術開発力のさらなる強化も必要だ」という。

通信が高速・大容量化し、音楽・映像・放送などのさまざまなメディアや新しい技術を取り込むといわれている第3世代携帯電話は、その開発コストが従来の世代のものと較べて高いことが問題となっている。ノキア社のエンジニアが1~2万人いるというのに対し、NECと松下には8000~9000人しかいないというが、開発工程を分担し、同一のアーキテクチャーを使用することによって効率化できるため、1社で開発するのに比べ、必要な開発工数や人数は半分になるという。

また、共同開発することによって、互いに共通のアプリケーションを利用することができるようになるという。しかし製品自体の開発と端末の生産については、これまでと変わらず松下とNECがそれぞれ独自に行なう。

協業によって今後開発される携帯電話端末については、アーキテクチャーなど共通となる部分もあるが、NECと松下それぞれの特色を出したい部分を主張していくことで、差別化を図るとしている。「アプリケーションレイヤーは、それぞれが工夫して特徴のあるものを取り入れるし、第3世代携帯電話の端末には、ビジュアルコミュニケーションができるものや音楽が聞けるもの、またはデータのやりとりや音声通話に特化したものなど、さまざまな種類のものが考えられるため、同じものができるということはない」という。

また将来的には、ハードウェア面での協業については、「チップセットは開発工数を考えると統一することでコストダウンにつながる。長いスパンにおいてチップセットを統一する方向で話し合いたい」(NEC)としている。

なおアーキテクチャーの標準化・規格化を進めて、開発成果はオープンにするという。

NEC側は、提携先に松下を選んだ理由として、「海外メーカーは、事業を丸ごと買ってくれとか、力を合わせて事業拡大に向けて協業しようということがなかった。対海外、対ノキアを考えたとき、距離が近くて共通の問題意識と目的を持つ松下と提携できたことは、非常に大きな喜びである」と述べた。

また「ユーザーからの声によると、今後の期待は映像配信などと連携したビジュアルコミュニケーションにある。モバイルインターネットアクセスツールなどのハードウェアもさることながら、ソフトウェアに多大なリソースを必要とする。安心してお使い頂ける端末を提供するのが端末メーカーの使命と考えるが、1社だけでは困難な状況になってきている。相互の強みを活かして、強力で効率的な技術開発を進め、携帯電話ビジネスをグローバルな成長路線に乗せることができる」と述べ、フィンランドのノキア社など欧州市場に大きな影響力を持つ企業に対抗し、海外の市場にターゲットを置いた市場開発を行なっていくための提携であることを強調した。

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