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ドライアイス冷却でマイナス70℃の世界へ!FSB設定クロック200MHzでの起動をマーク!!

2001年08月19日 19時25分更新

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●EP-8K7AのI/O電源回路を改造する(実践編)

改造前のI/O電源回路制御部

 さて、半固定抵抗の抵抗値は、筆者のパーツBOXに買い置きがあった都合で2Kオームとしたが、この場合(R363の実測抵抗値が576オームなので)1Kオームの方が理想的。そしてEP-8K7Aに取り付ける手順として詳しく述べると次の通りになる。

(1)半固定抵抗の2ピンと3ピンは、予め短絡接続しておく。
(2)テスターを使って1ピンと3ピン間の抵抗値を測定しながらツマミを回転させ580オーム付近に予めセットしておく。
(3)I/O電源回路の固定抵抗R363(チップ抵抗)を摘出する。
(4)“US3034”の3ピンとGND間に(2)で準備した半固定抵抗をハンダづけする。
(5)マザーボード単体で通電しI/O電源回路の出力電圧をテスターで測定。
(6)半固定抵抗のツマミを回転させ(5)の測定電圧が3.40V~3.45Vになるよう調節する。
(7)JP3の3-8と5-10にジャンパキャップを装着してDDR電圧が、3.1Vに昇圧する事を確認
(8)同じくJP3の2-7にもジャンパキャップを追加装着して3.2VのDDR電圧となれば完了

 本来この手の電子パーツは、プリント基板を用意して実装・固定した後にマザーボードへ配線するのがセオリーだが、今回のように省力的(少々横着なだけ)な固定方法を採用する関係から目的の回路を実現するために(1)のような必要最小限度の空中配線を施す場合もある。なお、2ピンと3ピンを短絡接続する理由はいくつかあるが、2ピンのリードをマザーボード上の目的のパッドに接続しようしても届かないために、3ピンを経由してリード長を稼ぐ意味合いが強い(2ピンと3ピンを短絡接続しても1ピン、2ピン間の抵抗値は変化しない)。ちなみに本回路の場合、“US3034”の3ピンとGND間の抵抗値を低くすると、I/O電圧が高くなるので半固定抵抗の1ピンと2ピン間の可変抵抗部分を用いて回路に配線するとツマミを右に回せばI/O電圧は低下する。逆に右回しで高いI/O電圧となるようにするのであれば、半固定抵抗の2ピンと3ピン間の可変抵抗部分を用いるといい(頻繁に調整しない場合、筆者はあえて左回しで高い電圧となるようにしている。理由は出力調整時にうっかり右に回して、思いもよらない高い電圧が出力されるかもしれないからで、逆にしておけば電圧は低下するので安心。ある意味、回路を守るための策)。(2)の準備も通電時のことを考えると重要な要素のひとつ。怠ると出力電圧が全く不明な設定状態から通電することになる。したがってオリジナルの回路定数をまねておくのが最善だ。(3)でマザーボード上の固定抵抗(R363)を取り外してしまうのだが、2本のハンダごてを駆使してチップ抵抗の両電極を同時に加熱すると容易に摘出できる(初めてハンダごてを握るなら、差し支えのないボードを別途用意して練習しておくといいだろう)。(4)でいよいよ半固定抵抗を接続する。“US3034”の3ピンラインを追うとC174のR384(パーツは実装されていない空きパッド)側電極まで接続されていた。一方、GNDポイントを探してみるとR384の片側パッド(R389側)がつながっている。そこで半固定抵抗の1ピンは、このR384の片側パッドにハンダづけし半固定抵抗の3ピン(上述の通り半固定抵抗の2ピンがこの3ピンに短絡接続されているので実質的に2ピンと同意)は、先のC174の片側電極へ接続すれば回路的にR363の代わりに半固定抵抗が接続されたのと同じ理屈になる。



増設した半固定抵抗を調整してI/O電圧を3.40V~3.45Vの範囲内に調整する。写真は、電圧調整後にデバイスを装着し正常に動作するかテストしながらI/O出力電圧を確かめている

 ここまで正しく作業を施せば、ほぼ、オリジナルのI/O電圧(3.3V)で出力されるハズ(もしも、異常な電圧なら、即、電源を切断して間違いを探す)。なお、(5)の通電時、CPUやメモリーなと一切のデバイスは装着しないで単にATX電源と起動スイッチを接続してテストを開始する。I/O電圧の測定ポイントは、DDR電圧の設定を施すJP3の横に位置するQ54と印された素子(ダイオード)のリードで(マザーボードにハンダづけされている2本のうちどちらでも良いがその2本のリード間に素子から少しだけ飛び出している中央のリードとは異なる)対GND間電圧を測定する。(6)は、(5)の測定結果から3.3V付近であれば電圧計を監視しながら半固定抵抗のツマミを左にゆっくり回転させて3.40V~3.45Vの範囲内に収まるよう調整する。なお、I/O電圧を3.5V以上に設定すると起動困難に陥るので注意が必要。最後に(7)と(8)のDDR電圧を測定するポイントだが、最もわかりやすい場所はDIMMソケットの7ピンであり、こことGND間の電圧を測定するといいだろう。



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