「D845WN」 |
噂だけが先行していたμPGA478だが、16日にAbitのi850マザーボード「TH7II」が登場したのを皮切りとして、徐々にその姿を現してきている。そしてついに、秋葉原最大の関心事となっている、μPGA478ピンソケットを搭載し、SDRAMをサポートするi845チップセット搭載マザーボードの動作デモを明日から開始するというショップが現れた。Intel純正のi845搭載ATXマザーボード「D845WN」とMicroATXマザーボード「D845HV」のサンプルボードをそれぞれ1枚ずつ入荷したZOA 秋葉原本店では、D845WNを用いて18日から店頭で動作デモを行うとしている。
D845WNのメモリスロットはもちろんSDRAM用のDIMMで、本数は3。拡張スロットはAGP×1、PCI×6、CNR×1となっている。i850マザーではなぜかPCI×5本という構成の製品が多かったが、Intel純正品が6本だということを考えると、i845ではPCI×6本が当たり前になるのかもしれない。なお、USBポートは背面パネル側に4ポート備えている。ハーネスを利用せずに4ポート使えるのは便利だ。
バックパネル部分のレイアウト。「TH7II」と同じく、サウンド出入力端子がボードに対して縦に並んでいる。今後はこれが主流になるのかもしれない |
一方、MicroATXフォームファクタのD845HVは、D845WNの一部をばっさり切り落としたようなデザインが特徴。拡張スロットはAGP×1、PCI×3。CNRスロットが省かれている一方で、ICH2内蔵のコントローラを用いてネットワーク機能を提供している。
マザーといっしょにPentium 4-1.9GHzもアキバ初登場
デモに用いられるCPUは、μPGA478のPentium 4-1.9GHz。ES(Engineering Sample)品だが、ES品とはいえ1.9GHzのPentium 4がアキバに登場したのはこれが初めて。実際に動作するSocket478用CPUとしても、もちろん初登場となる。この1.9GHzは現行のPentium 4と同じ製造ルール(0.18μm)、同じアーキテクチャ(Willametteコア)でパッケージが違うだけの製品だ。サイズはコンパクトフラッシュ程度で、その小ささは往年のi486かi386といった印象を受ける。
CPUといっしょにホワイトボックスに入った状態で入荷してきたCPUクーラーはリテール品と思われるが、その大きさにはただただ驚くほかない。このクーラーは、まず巨大なヒートシンクとファンをCPUの上に置き、その上から、PentiumIII-1GHzなどに付属するリテールクーラーのストッパーに似たレバー2つを用いて、マザーボード側の4本の支柱にツメを引っ掛けて固定する仕様となっている。大きさ、固定方法のどちらを取ってみても、従来のCPUクーラーを流用するのはかなり難しそうだ。
ICH2にはまだ「SECRET」の刻印がある |
ZOA 秋葉原本店によると発売にはまだしばらく時間がかかりそうだとのことで、予価も出ていない状況ではあるが、SDRAM仕様のPentium 4のパフォーマンスがどれくらいなのか、気になる人は同店に足を運んでみてはどうだろうか。
またDOS/Vパラダイス本店では、Chaintechのi845マザーボード「CT-9BJA」が近日入荷予定だとしている。CT-9BJAはすでにT-ZONE.PC DIY SHOPが6月に店頭で展示していたもので、詳細についてはこちらの記事を参照してほしいが、いよいよアキバに登場することになりそう。安価なことで知られるChaintech製品だけに、初値が気になるところだ。なお、拡張スロットはAGP×1、PCI×5、CNR×1となっており、メモリスロットはSDRAM用DIMM×3。
なぜかチップセットの表記はスミで塗り潰されている |
さて、次々とμPGA478に対応するマザーボードが出てくると、肝心のCPUがいつ出回るのかが気になるところだが、これは現在のところ詳細は不明。ただし、8月末に予定されていると言われる、Intelの価格改定にあわせて登場するのではないかというのが、複数ショップの見解だ。ちなみにクレバリー3号店は、来週早々に入荷する可能性を示唆しており、これは気になるところである。
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