東芝の「GENIO e550」は、Pocket PC初のCF/SDのデュアルスロットを搭載したことが特徴だ。本体は、スロットを2つ持っているとは思えないほどコンパクトで、手の小さな人にもホールドしやすいサイズにまとめあげられている。
GENIOといえば、1997年に東芝が発売した携帯電話一体型PDAを思い出す人もいるかもしれない。名前は継承するものの、この「GENIO e」はまったく別のラインナップ。ちなみにGENIOはイタリア語で天才のことで、GENIO eは機能性・拡張性・携帯性などすべての要素を満足している“PDAの天才”という意味が込められている。
ギネス認定の最強PDA「iPAQ」と
同等のハードウェアスペックを誇る
液晶下部に4つ並んでいるのがプログラムボタン。中央の大きな円形のボタンがカーソルキーだ。カーソルキーの右脇にはスピーカを装備している。 |
こうして見ればわかるように、ハードウェアスペックはギネスブックに世界最強PDAとして認定されているコンパックコンピュータの「iPAQ Pocket PC PC H3630」と同等だ。実はiPAQの“世界最強”は、ベンチマークテストなどの結果から認定されたものではなく、CPUなどのハードウェアのスペックがほかのPDAを圧倒的に凌駕していることから判断されたもの。GENIO eはこの“公式世界最強マシン”と張り合えるハイエンドなPDAなのだ。
左側面には、上からマイク、録音ボタン、IrDAポートが並んでいる。 |
iPAQ(3.77インチ)より一回り小さい3.5インチ反射型TFTを採用した液晶画面は、240×320ドット/6万色表示が可能。フロントライトを装備し、5段階の輝度調整ができる。明るさや発色は申し分なく、屋外・屋内を問わず画像の視認性に優れている。
操作部としては、本体下部に4つのプログラムボタンとカーソルキーを装備する。このプログラムボタンは、初期設定では「予定表」「仕事」「ホーム」「連絡先」が割り当てられている。予定表はスケジューラ、仕事は進捗状況の管理、連絡先はアドレス帳のアプリで、これらはPocket PCに共通のものだ。ホームは、東芝オリジナルのタスクランチャで、後述するように使い勝手はかなりよい。プログラムボタンで呼び出すアプリは、「設定」-「個人」タブ内の「ボタン」を選択することで、よく使うものに変更することもできる。中央にあるカーソルキーは、上下左右の4方向に加えて押し込むことで決定ボタンとなる5WAYタイプだ。また、左側面には「録音ボタン」が装備され、ボイスメモソフトが起動する。
プログラムボタンにはカチッとしたクリック感があり操作性は良好だ。対照的に、カーソルキーは少しふわふわとした感触で、上下キーを押したつもりでもカーソルが左右に移動してしまう場合がある(カーソルが右端のアイコンにあるときに、下キーを押すと下の段の左端のアイコンに移動してしまう) 。このあたりは好みによるかも知れないが、やや操作しづらい印象を持った。
コンパクト設計ゆえに携帯性はバツグン
GENIO eとiPAQの比較、その1。GENIO eの本体サイズはiPAQより一回り小柄で、それにあわせて液晶画面も小さくなっている。 |
GENIO eとiPAQの比較、その2。スペック上では厚さが1.6mm大きいが、実際に並べて比べると差はほとんどないように感じる。 |