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Kodak EasyShare DX3600 Zoom

Kodak EasyShare DX3600 Zoom

2001年08月13日 22時24分更新

文● 行正

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クレードルでワンタッチ画像転送+充電&撮影サンプル

クレードルは、カメラ底部の形状に合わせたトレイ(右)が取り外し可能で、今後のラインナップ拡充に際にも部品を共用できる工夫がされている。ラインナップが増えればベースユニット(左)を別売りにしてトレイの部分のみ標準付属とするといった展開も予定しているとのこと。

 DX3600 Zoomに付属するクレードルは「カメラドック」と呼ばれており、付属のACアダプタと、付属ソフトをインストールしたPCをUSB接続して利用できる。DX3600 Zoomの下面にあるスライドカバーを開けてからクレードルに置けば、内蔵バッテリへの充電が開始される。クレードル前面にある“Connect”ボタンを押せば、PCでアプリケーションが起動し、CFメモリおよび内蔵メモリ内にあるデータを転送して一覧が表示される。



付属ソフト“Kodak Picture Software”の画面。カメラをクレードルに置いてクレードル前面のボタンを押すだけで一覧表示される。

 Kodak EasyShareシステムでは、付属ソフトの画面上で画像を選択し、簡単なレタッチやPCに繋がっているプリンタへの出力のほか、オンラインプリントサービスへの注文が行える。画像データはインターネット経由でコダックの基幹ラボに送信され、印画紙に出力される。注文時に指定することで、最寄のコダック系DPEショップに送られたものを取りに行くか、宅配便で家庭まで送ってもらうかを選択可能だ。価格はサービスサイズ(89×119mm)で1枚あたり40円、基本料金は1回あたり500円(9月30日まで無料)。宅配便配達を利用した場合は400円の配送料がかかる。



おもしろいことに、クレードルの下面にも三脚孔が付いている。DX3600 ZoomにはWebカムとしての機能はないものの、将来的なラインナップ拡充で三脚で固定したままPCに画像を転送するなどの用途が考えられているようだ。

 Kodak EasyShareのサービスは10月中旬から始まるが、現在でもWebブラウザ上で利用可能なほぼ同様のサービス「Print@Kodak」が実施されている。同種のプリントサービスとしては、富士写真フイルムの「FDiサービス」、コニカの「オンラインラボ」がほぼ同様のサービスだ。

 いずれのサービスも、写真の紙焼きと同程度の価格(40~50円)で提供され、フィルムベンダーにとっては、銀塩からデジタルカメラへ市場の移行する際にDPEショップをいかに活用するかという課題となっている。印画紙へのプリントは家庭用インクジェットプリンタでの印刷と違って耐光性や耐水性があり、写真の紙焼きと同様の手触りや発色やになるのが魅力だが、なによりもかさばるプリンタを家庭に置かなくても済む点は魅力だろう。



撮影サンプル1。元画像は1800×1200ドットだが、掲載用に640×427ドットにリサイズしている。

 撮影結果に関しては、コダックのデジタルカメラの特徴である“濃い発色”が目を惹く。人によっては好き嫌いの分かれるところだが、色は全体的に鮮やかで濃く、木々の緑は萌えるような新緑に写る。解像感は非常に良好で、とくにシャープネスが強いわけでもないが、エッジの立ったメリハリの強い画面となり、入門機としては満足できる画質だ。

 6万3000円という価格は入門機としては高めに感じるが、内蔵8MBメモリに加えて充電池も付属するなど、パッケージを買えばすぐに使えるという入門機としての手軽さがポイントだ。



撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。背景左の青いものは作業用ビニールシートだが、鮮やかな青に写っている。
撮影サンプル2。マクロ撮影の結果。1800×1200ドットを640×427ドットにリサイズして掲載。色はかなり“濃い”ことがわかる。

 同社のリリースによれば、Kodak EasyShareシステムは、Kodakが銀塩カメラを一般に普及するために使いやすさを謳った約100年前のスローガン“You do press a button, We do the rest.”(あなたはボタンを押すだけ、あとは当社にお任せください)を基本的な考えとして、デジタルカメラの使い勝手(Easy to use)をいっそう向上させるものとしている。



撮影サンプル2の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。

 DX3600 Zoomは、露出補正やホワイトバランスのマニュアル設定がなく、夜景モードなども装備しないなど、“ボタンを押すだけ”のデジタルカメラであり、入門機としてきっぱりと割り切った点は評価できる。ただし、すでにデジタルカメラを使いこなしているユーザーには機能的な不満を感じるだろう。Kodak EasyShareシステムの普及を考えれば、銀塩/デジタルカメラの中級/上級ユーザーが使いたくなるような製品ラインナップの充実を期待したい。



撮影サンプル3。1800×1200ドットを640×427ドットにリサイズして掲載。ワイド側での撮影で、歪曲が少々目立つ。
撮影サンプル4。1800×1200ドットを640×427ドットにリサイズして掲載。とくに中央部左のポールなど、原色系の被写体は非常にビビットな発色を見せる。
撮影サンプル5。1800×1200ドットを640×427ドットにリサイズして掲載。
撮影サンプル5の右上部を640×480ドットにトリミングしたもの。ハイライトがあるため中間調のノイズが大きくなっているが、全体的に解像感は良好だ。

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