コミックマーケット代表の米沢嘉博氏は、60回を迎えるコミックマーケットについて、「物理的な限界を感じるようになった」と語る。
コミックマーケット代表の米沢嘉博氏 |
晴海ふ頭から東京ビックサイトに会場が移ったあと、会場は広くなったが出品者の数も増加を続け、東京ビッグサイト3日間ではキャパシティーはもう限界だという。かといって開催期間を延長することには、主催者やスタッフの体力的な限界がある。米沢氏としては「全員が参加できる」ことが望ましいとしているが、現状では難しい。
また、コミックマーケットが巨大化したことにより、かつてのような一体感がなくなりつつあることも、米沢代表は危惧している。人数が少ないころは、同じ方向を向く仲間意識のようなものがあったが、これだけ巨大になってしまうとそれらが薄れ、モラルやマナー、ルールが問題になってきたという。
しかし、米沢氏は主催者側が強制的にルールを押し付けるのではなく、「無秩序ではあるが、ルールが存在」すればいいと考えている。
また、米沢氏によると近年のコミックマーケットの傾向は、「最近勢いのあったゲーム系が落ち着いてきて、アニメやマンガが盛り上がってきた」という。米沢氏は、興味のあるジャンルは「創作少年、創作少女、評論」などだが、代表になってからは運営に忙しく、なかなか見てまわれないと残念がっていた。
主催者側の発表によると、10日の来場者数は、約15万人。3日間の来場者数の予想は、約40万人弱。ただし、天気によっては相当の増減があるとしている。