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QV-4000

QV-4000

2001年08月01日 17時40分更新

文● 行正

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デジタルソフトフォーカスなどの豊富な撮影機能

マクロで撮影したハスの花。元画像は2240×1680ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。花びらがすでに何枚か落ちておりあまり見栄えがしないが、葉脈部などの細部はくっきりとしている。

 QV-4000に備わった目新しい機能としては、「デジタルソフトフォーカス機能」「リアルタイムヒストグラム機能」「縦位置撮影機能」などがある。

 デジタルソフトフォーカス機能は、ソフトフォーカス用のフィルタをレンズの前に装着して撮影するような効果をデジタル処理で行うもの。具体的にはピントの合った画像とピントをずらした画像の2枚を連写して合成することにより、本来の画像の輪郭や細部を残したままソフトな表現が可能となる。



同じアングルでデジタルソフトフォーカスで撮影したハスの花。周辺がぼやけた幻想的な感じとなるが、元の被写体の輪郭も残っている。元画像の2240×1680ドットを640×480ドットにリサイズ。

 QV-4000のデジタルソフトフォーカスでの2枚連写は、サンヨーの「DSC-MZ1」の「ワイドレンジショット」のようにCCDの電子シャッター機能を用いるものではなく、レンズを動かす動作も入り、撮影間隔が約0.5秒空くために、利用にあたっては三脚を使ったほうがよいだろう。



デジタルソフトフォーカスを効かせた画像と通常の撮影画像を原寸(トリミング)で並べてみた。ソフトフォーカスをかけてもディティールがきちんと残っている。

 なお、この撮影モードはQVシリーズでお馴染みの画像付き撮影ガイド「ベストショット機能」内から選ぶようになっている。ベストショット機能は、難しい撮影シーンでも画像付きメニューから撮影シーンに合った項目を選択するだけでカメラの設定が行えるほか、撮影アドバイスもしてくれるという優れた機能であり、QV-3500EXでは28種類のシーンを内蔵していた。



ベストショットのシーンの一部。右下の流し撮りに置きピンもしくはマニュアルフォーカスが指示されているように、QV-4000にはコンティニュアスAF(被写体追従式オートフォーカス)が搭載されていないのが残念。

 QV-4000では、本体メモリに内蔵するのはデジタルソフトフォーカスを含む5シーンに抑えられているが、付属のCD-ROM内には95種類のシーンが収録され、必要に応じてCFメモリカードにコピーして利用できるようになっている(1シーンに付きファイルサイズは約30KB)。QV-3500EXの36種類(CD-ROM付属含む)から一気に約3倍に増えたベストショットシーンには「キノコを撮る」や「蒸気機関車を撮る」などという非常にマニアックなものまで含まれており、項目をながめているだけで(そんな趣味はなくても)撮ってみたい気になってくる。



リアルタイムヒストグラム表示機能の画面。画面下1/3に大きく表示されている白いグラフがヒストグラム(右側が明るい)。

 リアルタイムヒストグラム機能は、液晶画面上に明度分布を表示する機能で、東芝「Allegretto M81」に搭載されているものとほぼ同様の機能だ。QV-3500EXやQV-2900UX、QV-2400UXでも再生時に画像のヒストグラムを確認する機能が付いていたが、QV-4000では撮影時に表示されるようになっている。画面下1/3を使ってリアルタイム表示されるヒストグラムは被写体の明るさに応じて変動し、カーソルキーの左右で露出を変更すれば、リアルタイムに反映されてそれに伴いグラフも左右に移動するので、適正な露出を決定しやすい。

 縦位置撮影機能は、QV-4000を縦にして撮影した場合に、本体に内蔵する傾斜センサによって自動的に縦位置画像(縦長の画像ファイル)として記録されるものだ。液晶画面で再生したときには画面両脇に黒い部分が表示されるが、左右どちらに回転して撮影しても上を自動認識しする。PCに転送してからフォトレタッチソフトなどで回転させてもよいわけだが、多くの画像をファイリングする際にひとつひとつを回転させなくてもよく、カメラ単体で画像を確認するするときにもカメラをわざわざ回さなくてもよいのが便利だ。



液晶モニタ左側のFOCUSボタンを押した状態。下に並ぶフォーカスモード(左から3点/スポット/マニュアル/無限遠/マクロ)がセレクトダイヤルで変更でき、画面上の9つのフォーカスエリアをカーソルで選択できる。

 このほか、従来のQVシリーズでも搭載されている機能としては、画面上に表示された9つのポイントを選択してAF合焦位置を指定できる「フォーカスエリア選択機能」、最長60秒まで利用可能な「バルブ撮影」、長時間露光時に発生するCCDノイズを低減する「ノイズリダクション機能」、1回の撮影で露出を最大5段階に変更した結果を記録する「AEB撮影」などがある。また、最後に撮った画像をワンタッチで呼び出すPREVIEW機能では画像の削除もできるため、撮影ミスを消すために撮影モードから再生モードに切り換える必要がないなど、細かな使い勝手も考えられている。



撮影サンプル1。元画像は2240×1680ドットだが、640×480ドットにリサイズしている。F2.0、1/8秒。オートホワイトバランスはとくに問題なく、白熱電球光源の多い状況でも赤っぽくなっていない。

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