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PETIT SHOT

PETIT SHOT

2001年07月25日 23時36分更新

文● 行正

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マニュアルフォーカスっぽい使い勝手とまずまずの画質

日中の屋外で撮影(640×480ドットの撮影データをそのまま掲載した)。発色そのものは良好だが、直射日光下での撮影なので空との境界や白い部分がとび気味だ。

 パンフォーカスレンズや記録媒体が内蔵メモリのみである点など、トイデジカメらしい仕様であり、フラッシュを内蔵していない点もコンパクトな本体からすればやむを得ないだろう。撮影画像を見ても、100万画素以上のCCDデジタルカメラに慣れた目で見ればがっかりするかも知れない。低照度ではノイズが多く、エッジの偽色も目立つが、画像は周辺部でも歪みが少なく、日中の太陽光では発色も正常であり、上手く使えばWeb用の画像などには十分使えそうだ。



日中の屋外で撮影(480×640ドットの撮影データをそのまま掲載)。直射日光の当たっている部分よりも、影となっている部分のほうが色あいが正常なものとなっている。

 なお、この種のトイデジカメはCMOSセンサを利用し、センサの受光量で自動的にシャッター速度が決まる(一定の光を受けると読み出す)という単純な構造を採用しているが、CMOSセンサはCCDに比べてラチチュード(階調表現の幅)が狭いという欠点があり、直射日光下では白とびしやすい。光量不足のときはノイズの多いざらついた画像となるため、より明るい風景のほうが発色はよいが、直射日光に照らされた被写体を避けるのが良いだろう。つまり、薄曇の天気がこの種のトイデジカメにとって一番の好天と言える。



屋外で撮影(480×640ドットの撮影データをそのまま掲載)。薄暗いとノイズが目立ってくるが、夕焼けの色具合などはそれらしく発色している。

 少々気になった点としては、レンズ周囲のレバーでマクロ(10~15cm)と通常撮影(50cm~∞)を切り換える。15~50cmの間はどちらのポジションでもピントのボケた画像となってしまうのだが、通常撮影のポジションであっても50~60cm程度の距離もピントの甘さを感じる。小物を撮るときは30cm前後という撮影距離も意外と使うので、マクロと通常の中間が欲しくなる。

 マクロ切り換えレバーはレンズ間の距離を物理的に移動しているため、裏技的ではあるが、レバーを中間の位置で止めれば15~30cmの距離でもピントを合わせることができる。また、50cm程度の距離でも、レバーをマクロ側にほんの少し移動させれば通常ポジション以上にくっきりとした画像を得られる。



屋内でマクロ撮影(480×640ドットの撮影データをそのまま掲載)。被写体との距離に合わせてマクロ切り換えレバーを中間にして撮影すれば、ピントはしっかりと合う。

 PETIT SHOTを使いこなすならば、マクロレバーの位置に撮影距離を書き込んでおくと良いだろう(付属ソフトを使えば、USB接続したPETIT SHOTの画像をPC側でリアルタイムに確認できるので撮影範囲がわかりやすい)。もちろん、あらかじめ目盛りをふってくれていたほうがマニュアルフォーカスっぽく使えてよかっただろう。

 PETIT SHOTの価格は、トイデジカメとしては高めの1万2800円となっているが、タバコの箱よりも小さなサイズながら画像はまずまずだ。画質的には日立マクセルの「WS30 SLIM」(オープンプライス)のほうが若干良いようにも思える(なお、WS30 SLIMはフラッシュを内蔵し、実売価格1万円前後で販売されている)。PETIT SHOT、WS30 SLIMなどはサブカメラとして持ち歩くには少々力不足かも知れないが、デジタルカメラユーザーがオモチャとして楽しむ分にはおもしろいだろう(逆にこれ以下の製品だと不満を感じそうだ)。


PETIT SHOTの主な仕様
撮像素子 35万画素CMOSセンサ
レンズ 固定焦点、F2.6
記録媒体 内蔵8MBメモリ
記録枚数 640×480ドット:約26枚/320×240ドット:約107枚
液晶表示 モノクロ液晶(7セグメント×2桁)
記録画素数 640×480/320×240ドット
動画記録 640×480ドット:4秒/320×240ドット:14秒
インターフェイス USB
電源 単4アルカリ乾電池×2本(連続2時間動作)
本体サイズ 55(W)×71(H)×25(D)mm
重量 約70g

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