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ノベル、開発パートナーへ『NDS eDirectory』無償提供プログラムを開始

2001年07月23日 19時09分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ノベル(株)は23日、都内で記者発表会を開催し、ディレクトリーサービスソフト『NDS eDirectory(エヌディーエス イーディレクトリ)』対応のアプリケーションを開発するISV(ソフトウェアベンダー)に対して、eDirectoryを無償提供する“NDS eDirectoryソリューションプログラム”を8月30日に開始すると発表した。

無償提供でディレクトリーサービス市場を拡大

NDS eDirectoryソリューションプログラムによって、ISVは自社製品へNDS eDirectoryを無償でバンドルし、それぞれの顧客企業に対して無償で再配布が可能になる。顧客企業が、ISVのソフトウェア製品にバンドルされたNDS eDirectoryを使うためには、ノベルのウェブサイトにおいてユーザー登録を行なばよく、無償でライセンスを入手できる。またノベルはISVに対し、ノベル開発パートナープログラム“DeveloperNet”を通じて、アプリケーション開発を目的としたNDS eDirectoryのライセンスの無償提供も行なう。サービスやサポートについては、有償で提供する。

ディレクトリ市場拡大の相乗効果を狙う
NDS eDirectoryソリューションプログラムでノベルが狙うディレクトリ市場拡大の相乗効果

結果として、ISVは自社製品の付加価値を高めることができ、顧客企業はeビジネスに必要なセキュリティーの確保とユーザーの集中管理が可能なディレクトリーサービスを、(ディレクトリーソフトのための)追加投資なしに利用できるメリットがあるとしている。一方ノベルは、このプログラムにより、NDS eDirectoryの導入促進とディレクトリ対応ネットワークアプリケーション/サービス市場の拡大を狙うとしている。なお、このプログラムへの賛同とサポートを表明したISVとしては、(株)アプレッソ、NTTソフトウェア(株)、日本エンコマース(株)、ターボリナックス ジャパン(株)の名が上がっている。

NDS eDirectoryソリューションプログラムの対象となる条件は以下の通り。

  • NDS eDirectoryまたはLDAP対応アプリケーションを持つ、あるいは開発予定のISVを対象とする
  • バンドル可能なソフトウェアはNDS eDirectory対応を表明、表明予定のもの
  • 顧客企業が自社のシステムで利用する場合に限定。ASP、ISPなどでの商用利用は対象外
  • ユーザーライセンス数は、グループ企業を含む1社あたり25万ライセンスまで。これを超える場合は別途購入可能
  • NDS eDirectoryへのアクセスは、バンドルされたISVのアプリケーション経由のみ可能。別アプリケーションからアクセスする場合には、通常のユーザーライセンスが必要
ノベルが示した、世界のディレクトリー市場のシェア
ノベルが示した、世界のディレクトリー市場のシェア。NDS eDirectoryは企業向けに大きなシェアを持つとしている

ケンブリッジ買収でソリューションプロバイダーを目指すノベル

米ノベル社は11日(米国時間)に、3月に表明したeビジネス関連のコンサルティング会社である米ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ社の買収が完了したと発表しているが、本日の発表会には、ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズ(株)代表取締役社長で、米ノベルの日本地区代表に就任した吉田仁志氏が出席した。

米ノベル、バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのポール・スマート(Paul Smart)氏と日本地区代表の吉田仁志氏
米ノベル、バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのポール・スマート(Paul Smart)氏(左)と日本地区代表の吉田仁志氏(右)

吉田氏はノベルのケンブリッジ買収に伴う事業戦略などについては「別途機会を設け日を改めて詳しく説明したい」として、詳細については語らなかったが、「ノベルはネットワーク製品を提供するソフトウェア会社から、ディレクトリーをはじめとしたネットワーク時代のソリューションを提供する会社を目指してきた。ケンブリッジとの融合により、新生ノベルはベストな製品とサービスを提供できるようになる」などと述べた。

ノベル(株)代表取締役社長のフィリップ・ウェルチ氏
ノベル(株)代表取締役社長のフィリップ・ウェルチ氏

また、ノベル(株)代表取締役社長のフィリップ・ウェルチ(Philip K. Welch)氏は、ケンブリッジとの合併によって、「これまで不足していた戦略的なシステム提案が可能になる。パートナーとして協力していただいているSIや顧客へのサポート能力も向上し、新生ノベルはネットソリューションベンダーに生まれ変わる」という。

現時点ではまだ、ノベルとケンブリッジはそれぞれ従来通りの活動をしており、ケンブリッジはノベルにとって「1パートナー」(吉田氏)ということだが、事業戦略が固まってくればより連携した動きのできる組織すると思われる。ノベルは今後、eDirectoryソフトをただ売るのではなく、システム提案を絡めて販売することで、企業へのディレクトリーサービスの導入をより積極的に行なう方針だ。

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