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エレコム、3人の著名デザイナーによるIT生活演出ブランドを発表

2001年07月18日 22時30分更新

文● 編集部 佐々木千之

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エレコム(株)は17日、都内で製品発表会を開催し、社外の著名デザイナー3人を起用した新しい製品ブランド“NEW BASIC STYLE(ニューベーシックスタイル)”を発表した。“自分好みのIT空間が演出できる”というコンセプトのもと、パソコンデスク、キャリングバッグ、卓上アクセサリーなど71製品を8月21日に発売する。

葉田順治社長
エレコム代表取締役社長の葉田順治氏。葉田氏自身、デザインへの造詣が深く「日本人の美意識と生活感覚を変えるような商品を出し続けたい」という
佐藤康三氏
佐藤康三氏

NEW BASIC STYLEのデザインを担当したのは、(※1)佐藤康三氏、榎本文夫氏、岩崎一郎氏の3人。佐藤氏はエレコムの葉田順治代表取締役社長と旧知の間柄で、以前からエレコム製品に関するコンサルティングを受けていた。そうした中で、「もっと日本人の美意識に近い製品を作ろう」(葉田社長)ということになり、佐藤氏がブランド全体のディレクションを引き受けて、榎本氏、岩崎氏に参加を依頼する形で制作が始まったという。

※1 佐藤康三氏((株)コーゾーデザインスタジオ):都市環境から生活雑貨までのデザイン開発を手がける。

榎本文夫氏(榎本文夫アトリエ):東京YMCAデザイン研究所非常勤講師も務める。


岩崎一郎(イワサキデザインスタジオ):プロダクトデザイン分野で活動。

榎本文夫氏と岩崎一郎氏
榎本文夫氏(右)と岩崎一郎氏(左)

NEW BASIC STYLEには、3人のデザイナーが異なるテーマに沿い、異なる素材を使ってデザインした“Mシリーズ”“Nシリーズ”“Pシリーズ”の3種類ある。

M(Metal)シリーズは、“アーバンライフを謳歌する男性”がターゲットで、“清潔感のあるクールで知的な空間”をテーマとして、アルミとステンレスという金属系素材を使った。デザインは佐藤氏が担当した。

Mシリーズのパソコンテーブル
Mシリーズのパソコンテーブル(6万5000円)、サイドワゴン(2万9000円)、回転椅子(2万円)
Mシリーズのデスクアクセサリー
Mシリーズのデスクアクセサリー。トレーやスタンドなど(1000~2500円)
Mシリーズのケース類
Mシリーズのケース類。CDケース、MDケース、MOケースなど(2000~2600円)

N(Natural)シリーズは、“自然派嗜好の若年夫婦”をターゲットに、“肩のこらない素朴さと優しさのある空間”をテーマとして、積層合板や籐、陶器など暖かみのある素材を使った。榎本氏が担当。

Nシリーズのパソコンローテーブル
Nシリーズのパソコンローテーブル(4万2000円)、座椅子(2万円)
Nシリーズのデスクアクセサリー
Nシリーズのデスクアクセサリー(陶器製)。トレーやスタンドなど(800~1500円)
Nシリーズのケース、バッグ類
Nシリーズのケース、バッグ類。CDケース、PDAケース、キャリングバッグなど(2200~1万4000円)

P(Plastic)シリーズは、“学生、フリーター”をターゲットに、“カジュアルで軽いノリの中にもこだわりのある空間”をテーマとして、ポリプロピレンやEVA(硬質ウレタン)などの樹脂素材を使った。岩崎氏が担当した。

Pシリーズのパソコンテーブル
Pシリーズのパソコンテーブル(2万9000円)、パイプイス(1万2000円)
Pシリーズのデスクアクセサリー
Pシリーズのデスクアクセサリー。メディアスタンドやフォトスタンドなど(1000円)
Pシリーズのバッグ類
Pシリーズのバッグ類。収納ボックス、マウスパッド、キャリングバッグなど(1200~1万3000円)

NEW BASIC STYLEのデザインディレクションを担当した佐藤氏は、「いままでのパソコンアクセサリーのデザインはオフィスやSOHOで使うことが前提のものばかりだが、コンピューターは仕事だけをするものという時代ではない。PCはPCだけで成立しているわけではなく、NEW BASIC STYLEは、個人それぞれのライフシーンにあわせて、ライフスタイルを広げるもの」と述べた。

NEW BASIC STYLEの販売は「たくさん売ることを目指しているものではない」(エレコムの梶浦部長)とし、21日から同社のウェブサイトで販売を開始するが、店舗販売に付いてはこれまでのエレコム製品の販売ルートをそのまま使うのではなく、製品コンセプトを理解してくれる販売店を使っていくという。

また、今回のNEW BASIC STYLEは第1弾で、現在のエレコムが扱う製品の延長線上にあるが、来年販売予定で開発中の第2弾では、ステーショナリー分野で、これまでのエレコム製品と違った製品群になるとしている。

多くのパソコン関連家具やアクセサリーが、低価格や、機能のみを売り物にしているのに対し、NEW BASIC STYLEははっきりとしたデザインコンセプトを打ち出した、ユーザーにデザインで選んでもらう製品(※2)。アップルコンピュータ(株)の『iMac』や『iBook』をはじめ、ソニーの『VAIO NOTE 505』『VAIO NOTE C1』など、パソコンハードウェアには、ユーザーが購入の際にデザインで選ぶ製品が増え、周辺機器までそろえることができるが、パソコンデスク、バッグ、デスクアクセサリーまでトータルにデザインされたものはなかった。

※2 NEW BASIC STYLEの価格については、エレコムの調達能力をフル活用して中国で生産し、“適正な価格”を実現したとという。例として、デザイナーズブランドのデスクと比較して、2分の1から5分の1の価格に抑えたとしている。

今回のエレコムの試みは、パソコンの普及率が高まり、インターネットの利用が日常生活に入り込んで来たことを象徴している。ある意味で、パソコンもクルマ並みになったといえるのではないだろうか。エレコムではたくさん売ることは目指していないというが、価格や性能(機能)ばかりを追わないこうした製品が、どの程度消費者の心をつかむことができるか注目される。

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