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~ 写真で見るItaniumの世界 ~

ノーザンライツのItaniumサーバ激写レポート!!

2001年07月18日 17時45分更新

文● 吉川大郎

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最後に、ノーザンライツ代表取締役社長である喜多伸夫氏にお話をおうかがいしたのでレポートしたい。大手ハードウェアメーカーがこぞってItaniumサーバを発表している現在、同社はLinux専門企業としてどのような戦略を採っていくのか? NL Server 6401の位置づけは? 今後のIA-64市場はどうなっていくのだろうか?

[喜多氏] やはり64bitCPUに対するニーズは今後高くなると思う。今回NL Server 6401を第1弾として出させていただくが、インテルさんのご協力をいただきながら、さらに第2第3の64bitシステムを出していく。特に科学技術計算の分野と、当面はソフトウェア開発=64bitへのコーティングの部分がターゲットになる。OSを我々なりに研究開発して、科学技術計算分野で最大限のパフォーマンスを発揮できるようにしていく。
ロードマップとしては、基本的にはインテルのロードマップをフォローして、インテルのリリースに準拠していく形で提供していく。
[日刊アスキー] 他社もItaniumシステムを出荷しているが、御社のセールスポイントをお聞きしたい。
[喜多氏] 我々ができるのはOS周りだ。今までの販売実績などから、ソフト開発や科学技術計算のニーズが見えているので、それに向けて我々がどこまでOSを最適化してけるか? というのが課題だ。OSを最適化し、システム全体として見た場合のパフォーマンスの高さを差別化要因と考えている。カーネルをいじることができる人間がスタッフとしてそろっているので、差別化ができる。
また、大手さんは16CPUなど大規模なシステムを本命にしているので、我々は4CPUまでの64bitシステムを提供していく。16CPUや32CPUといったシステムは考えていない。
今回は、4CPUまでをクラスタリングして、ハイパフォーマンス向けのシステムに仕上げていくまでの第1段階だ。16CPUという世界ではなく、もう少しエコノミーなところで、パフォーマンス的にもAlphaを駆逐したい。こうした面で大手とは少し違う。
[日刊アスキー] 4CPUまでと決めている?
[喜多氏] ソフトウェ アが我々の強みだ。16CPUなどになるとハードウェアの設計ノウハウが必要になるが、残念ながら我々にはない。だからOSで差別化するのが我々の仕事だと思う。
[日刊アスキー] 科学技術計算分野が現在は大きなターゲットということだが、その分野では、やはり64bitであるAlphaのシステムや、リーズナブルということで受け入れられている32bitのPCクラスタも存在する。こうした構図の中にItaniumが入ってくるわけだが。
[喜多氏] まず、ベンチマークテスト的に比べていくのはこれから。インテルとしても初の64bitであり、今後充実していくと思うし、我々も協力していく。また、我々がお付き合いをしている中でも、「ノーザンライツは64bitシステムを出さないのか?」という質問があった。我々はAlphaシステムを扱うつもりはないので、64bit=インテルチップという位置づけだ。
コスト的な面では、もちろん32bitのPCクラスタも広がっていくが、お客様の使い分けということになる。現在、AlphaとPentiumが競合している。AlphaかPentiumか、というお話は非常に多い。いままで32bitであるPentiumで取れなかった部分を、64bitのItaniumで取っていく。これは、“Itanium”という切り口でなく、インテルの64bitで切り崩していきたいということだ。
現在、Pentium 4の希望も来ている。Pentium 4のシステムは出していないが、それも検討すべきだと思う。今後64bit、32bit両方で充実した品揃えをしていきたい。
[日刊アスキー] 現在Linuxはどのメーカーでも手をつけていて、WindowsとLinuxの両方を扱っている。ビジネス的な面から、Linuxを扱うというのはメリットになるのか。
[喜多氏] あくまでこの分野(ハイパフォーマンスコンピューティング)で言うと、Linuxはツールだから、特にLinuxではなくてもいい。ただ、Solarisで256台を並べるか? というとそれはない。IA-32のマシンを128台や256台並べてLinuxを使って ― ベースとしてはUNIXなので ― という意味でLinuxがある。目的としてタンパク質解析やゲノム、気象データ、半導体の設計シミュレーションなどがある。自動車メーカーもそうだ。こうした研究を行なうところは、Linuxだからというのではなく、コスト的な面で選択する。何億円もするマシンは会社として導入しなければいけないが、16台程度のパラレルコンピュータならば部署単位で予算をつけることができる。使用時間が決められているスーパーコンピュータで融通が利かなかったのが、身近になってきたという面はある。
[日刊アスキー] Itaniumで価格競争はあるのか?
[喜多氏] いかにマーケットニーズを掴んで販売していくかだ。コスト競争力を見ると、どこも同じ土俵にいる。ここから先だ。IA-64に対する取り組みが本格化していく中で、しっかりパフォーマンスを発揮するものにできるかどうか。もちろんハードウェアの部分もあるが、やはりソフトの部分でどこまでパフォーマンスを上げられるかが重要だ。今はRed Hat LinuxやTrubolinuxを持ってきているだけだが、今後はわれわれのほうでItaniumに合うOSを提供していきたい。さまざまなハードウェアでの動作を想定しなければいけない“Linuxディストリビューション”ではなく、そのハードウェア用のLinuxを搭載し、“ハコ”としての能力を上げる。お客はディストリビューションを買うわけではなくコンピュータを買うわけだから、ハードウェアとOS併せてパフォーマンスを上げる。Itaniumについても同じ考え方だ。
おそらく次のCPUが出てくる頃には、パフォーマンスにおいてもかなりAlphaを凌駕するものがあると思う。
[日刊アスキー] Linuxカーネルの研究体制は?
[喜多氏] ノーザンライツラボという部署を設置し、そこで毎日OSの研究開発を行なっている。現在5人いる。人材的にはそろっているし、条件がぴったりの人間がいるので心配していない。ビジネスサイドでニーズをしっかり捕まえて、がっちりチューンナップできるかが問題。技術的には問題ない。日本でLinuxカーネルをいじれるレベルのスタッフがしっかりそろっている。
[日刊アスキー] たとえば私がNL Server 6401を導入したいとして、どのような手続きを行なえばいいのか。
[喜多 氏] まずは用途をおうかがいする。目的と、それを達成する必要要件を確認させていただいてご提案するという流れだ。他のシステムも同じ。まずはご要件をおうかがいする。
ヒアリングから始まって、作業内容やハードだけ買っていただくか、全体のシステム構築なのかといった面で変わってくるが、シンプルにハードウェアを提供するだけということであれば、ヒアリングから入って1~1.5カ月というところ。ヒアリングをして、コンフィグレーションして納める。すでに引き合いもあり、見積もりもしている。
[日刊アスキー] 管理運用面ではフォローしていただけるのか?
[喜多氏] 御要望があれば。アウトソースというところまでは難しいが、障害対応や、“こういう風に使いたいがどうか”という面でのメニュー化はやらせていただいている。
[日刊アスキー] 64bitは、いつごろ世の中に浸透していくと思うか?
[喜多氏] 立ち上がる時期として1年ほどかかると思う。過去にインテルさんも種まきをしているわけだが、実際にコマーシャルに販売が始まって、向こう1年はテストやポーティングという段階があり、徐々にソフトウェアがそろってきて……、ということで1年ほどかかると思う。今は「まず1回試してみたい」というお話が多い。すぐに使いたいというお話はまだない。
[日刊アスキー] 今後データベースサーバなどの用途については?
[喜多氏] ミラクルリナックスさんと一緒に仕事をさせていただいている。商用データベースということで、Oracleはやっていく。ただ、Itaniumでやるかどうかは未定。現在社内ではプランはない。しかし協業体制の流れの中でやる可能性はある。

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