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VALUESTAR T VT770/0D

VALUESTAR T VT770/0D

2001年07月17日 22時26分更新

文● 伊藤裕也

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VALUESTAR T VT770/0D

NEC

オープンプライス

テレビ番組の視聴やDVD-Videoの鑑賞などAV用途を強く意識したNECの「VALUESTAR T」がラインナップを一新した。新モデルのポイントはDVD&CD-RWのコンボドライブのスペックアップ、上位モデルにおける17.5インチのワイド液晶パネルの採用、ソフトウェアのバージョンアップなどが主で、CPUやメモリといった基本的なスペックは従来モデルとほぼ同じだ。

 ここでは、その夏モデルより「VT-770/0D」を紹介しよう。VT-770/0Dは春モデルに後から追加されたBSデジタルチューナ搭載機「VT1000J/6JD4」の後継機となるVALUESTAR Tシリーズの最上位モデルだ。

大画面で映像もクッキリ!
17.5インチの高輝度ワイド液晶モニタが付属

本体前面には、PCカードスロット(TypeII×2)をはじめ、IEEE1394インターフェイス(4ピン)、USBポート、光オーディオ出力を1ポートずつ用意している。また、PCIスロットは3本とも埋まっており、空きはない。

 まずは基本スペックから確認しよう。VT-770/0Dでは、CPUにPentiumIII-1.0BGHz、チップセットはApollo Pro133A、メモリは2ポート用意されたDIMMスロットに128MBのVC SDRAMを1枚搭載し、最大512MBまでの増設が可能、ビデオチップはオンボードのGeForce2 MX、ビデオメモリは16MB――と、主なスペックは従来どおり。変更点はもっぱらドライブ類で、HDDが60GBから80GBに、コンボドライブは書き込みと書き換えがそれぞれ4倍速から8倍速に強化されている。



液晶パネルの輝度の変更は、液晶パネル前面に付属する「VISUALボタン」を押すことにより実行できる。現在のモードは、ボタンの横に付属するLEDの色で判別可能だ。

 VT770/0Dに付属する液晶モニタは、17.5インチの高輝度表示対応ワイド液晶パネルを採用。1280×768ドットの解像度を持ち、本体前面に用意された「VISUALボタン」でパネルの輝度の変更が行える機能を搭載している。設定可能な明るさのレベルは200cd/m2と400cd/m2の2種類。つまり、通常の2倍の明るさの表示に対応しているわけだ。これはDVD-VideoやBSデジタル放送など、PC用モニタより明るい特性を持つテレビなどでの視聴を想定した映像の表示に効果がある。なお、この高輝度モードは全画面への適用はもちろん、DVD-VideoやBSデジタル放送などをウィンドウ内で表示するようなケースでは、動画を表示するエリアのみを高輝度表示し、ほかの部分は通常の輝度で表示する、ということも可能だ。



話題のBSデジタル放送の視聴に対応
充実したテレビの視聴機能

VT770/0DでBSデジタル番組の視聴を実現するチューナカード。本チューナカードとソフトのセットは、「SmartVision BSサポ-トキットNX」としてオプションでも用意される。

 VT-770/0Dならではのポイントは、通常のTVチューナ(VHF/UHF/CATV)に加え、BSデジタルチューナを標準搭載していることにある。
 BSデジタル放送の受信に関する機能は付属ソフト「SmartVision BS/TV」上で利用し、TVの視聴とデータ放送の受信、EPGを利用した視聴の予約などに対応している。なお、番組録画(HDDへの記録)には対応していないので注意してほしい。録画をする場合にはVT-770/0Dに装備されているS-Videoもしくはコンポジットの映像出力を外部ビデオ機器に接続し、録画する必要がある(つまり画質は通常のアナログ放送と同等)。



SmartVision BS/TVのEPGモード。見たい番組を選択するだけで、すぐさまそのチャンネルにスイッチできる使いやすさが魅力だ。青い線は現在の時刻(放送中の番組)を示す。

 気になる映像品質は、高輝度対応ワイド液晶モニタのおかげで極めて良好だ。ただし、BSデジタル放送で提供される1125i(1080i)/750p(720p)といったハイビジョン番組は525pにダウンコンバートして表示されるため、これらの番組の表示はBSデジタルチューナ内蔵のハイビジョンテレビ並とはいかない。BSデジタル放送の高画質の映像を期待する人には、ハッキリ言って向かないだろう。もっとも、BSデジタル放送には双方向通信による視聴者参加型プログラムやデータ放送など、映像品質以外にも数多くの特徴がある。それらに魅力を感じる人は、映像のダウンコンバートはさほど気になるものではないだろう。

 ちなみに、音声に関してはPCMのほか、BSデジタルのサラウンド規格である「AAC」にも対応している。しかし、本機に付属する5.1chサラウンドスピーカシステムはAACのデコードには対応していないので(AACの再生には別途AACデコーダ内蔵のアンプなどが必要)、基本的にはDVD-Videoの再生用と考えるべきだ。

 地上波テレビ放送の受信については、今回より同社のテレビチューナーカード「SmartVision Pro2 EX」と同等レベルに機能を強化している。具体的にはTV番組の視聴と録画を行なうソフト「SmartVision/TV」がバージョンアップされたことにより、録画した映像(MPEG2データ)をユーザーが指定したファイルサイズで分割保存できる「エクスポート」機能や、TVチューナからの映像を直接オーバーレイ表示する「ライブモード」機能などが、新たに追加されている。

 価格はオープンプライス。店頭での実売価格は35万円前後からとなっている。BSデジタル/地上波TV放送の両機能ともまだ発展の余地は多く残されているものの、TV関連機能を操作できるリモコンや5.1chスピーカセットまで付属するなど、AV関連のさまざまなメディアと簡単に連携できることにかけては非常に優秀なPCであることは確かだ。特に17.5インチのワイド液晶パネルは、ぜひとも店頭で実際に確認されることをお勧めする。



BSデジタル放送でユーザーの識別を行う「B-CASカード」を読み取るための「B-CASリーダ」。B-CASカードがないと有料番組が見れないほか、NHKの番組では“注意”のテロップが出た状態になるので、基本的に必須のアイテムだ。なお、B-CASカード自体は本体に付属するが、実際に利用開始する際には添付のハガキでユーザー登録をする必要がある。
テレビプログラムやBSデジタル放送の視聴、DVD-Videoの再生などをコントロールできる「リモートコントローラ」。リモコン横に付属するスイッチを切り替えることにより、ポインティングデバイスとしても機能する。
VALUESTAR T VT770/0Dの主なスペック
CPU PentiumIII-1.0BGHz
メモリ 128MB
ビデオ GeForce2 MX
HDD 80GB
コンボドライブ R8倍速/RW8倍速/DVD8倍速/CD32倍速
通信 モデム
OS Windows Me
モニタ 17.5インチワイドTFT
オフィスアプリ Office XP Personal

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