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日韓ベンチャー企業の“出会いの場”――韓国ITベンチャーの日本進出を支援する“iPARK Tokyo”が開設

2001年07月16日 23時56分更新

文● 編集部 中西祥智

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韓国ソフトウェア振興院(※1)は16日、韓国のIT関連ベンチャー企業の日本進出、日本企業との交流を支援する“iPARK Tokyo”を東京・霞ヶ関に開設した。

※1 韓国ソフトウェア振興院は、韓国情報通信部が1998年に設立した非営利・準政府機関下部団体。情報通信部のIT産業政策樹立の支援や、韓国IT産業の初期創業支援などを行なう。

テープカット
テープカット。左から3人目が経済産業省商務情報政策局審議官の吉海正憲氏、その右が韓国ソフトウェア振興院の李檀ヒョン(王へんに行)(イ・タンヒョン)院長、次いで鄭華泰(チョン・ファンテ)駐日韓国公使

“iPARK Tokyo”は施設面積が850m2(257坪)で、韓国企業が入居する事務所を18室、短期出張を支援する事務室を8室、センター運営事務室を1室、そのほかに共用施設として、大小会議室や資料室、休憩室、電算室などを設置する。事務所には1.5MbpsのADSL回線を敷設している。

運用は同日に開始しており、料金は事務所が3.3m2あたり月額1万7500円、短期出張用事務室が1日2500円となっている。事務所には、16社が入居を決定している。入居する企業の選抜基準については、韓国ソフトウェア振興院がインターネット、3Dゲーム、セキュリティー関連企業などを主に選抜したという。

“iPARK Tokyo”
“iPARK Tokyo”

開所式の冒頭、挨拶に立った韓国ソフトウェア振興院の李檀ヒョン(王へんに行)(イ・タンヒョン)院長は、日本のモバイル技術と韓国の高速インターネット、世界でも先進的な2つの技術がひとつになることで、両国は世界的な競争力を獲得できると語った。

韓国ソフトウェア振興院は“iPARK”を、韓国ITベンチャーの海外進出拠点として、世界各地に設立する。2000年に開設したシリコンバレーと北京に次いで、今回の東京は3ヵ所目。年内に、ボストン、上海およびスコットランドの3ヵ所、最終的には世界12ヵ所に設置するという。

すでに入居して活動している企業もあった。韓国のISPのネクステル(NEXTEL)社は、画像圧縮技術を用いたセキュリティーシステムや、地図情報システムなどを日本市場で販売している。同社は2000年に日本法人(株)ジェイ・ネクステルをすでに設立しているが、今回“iPARK Tokyo”内に事務所を構えた。

ネクステル社の事務所
ネクステル社の事務所。すでに業務を開始していた

日本の大企業にはなかなか相手にしてもらえない韓国のITベンチャー企業にとって、やはり“iPARK Tokyo”のような存在は魅力的だという。同社は、インターネット関連では日本より先行している韓国で得たノウハウを武器に、日本市場への進出を目指す。

式の後に行なわれた記者会見で、李院長は韓国ソフトウェア振興院の考えとして、ITベンチャーを支援するといっても基本的には市場原理を尊重すると述べた。「企業間の協力は市場原理に従って行なわれるべきだ。しかし、IT関連のベンチャー企業は規模も小さく、海外進出・国際協力は難しい。それらの企業が独り立ちできるまでの土台作り、活性化を支援する。そして、独り立ちができる段階になれば、政府などの支援は徐々に減らしていく」

韓国ソフトウェア振興院の李檀ヒョン(王へんに行)院長韓国ソフトウェア振興院の李檀ヒョン(王へんに行)院長

韓国産業資源部と韓国中小企業振興公団が、2月に虎ノ門に設置した“iPARK Tokyo”と同種の施設、“韓国ITベンチャーセンター”について、李院長は、事業が重複しないよう緊密に情報交換を行ない、シナジー効果を上げると説明した。しかし、具体的な差別化などについては言及しなかった。また、歴史教科書問題などで日韓関係が悪化していることについては、日韓両国は短期的な問題があっても、中長期的には協力しなければならないとの認識を示した。

韓国のインターネット事情については、人口の約半分、2000万人以上がインターネットを利用しているが、まだ発展する余地は数多く残っており、成功しているかどうかは疑問だとしている。その一方で、日本の現状について李院長は、iモードのように新鮮でクリエイティブなものを生み出す力があり、やがて韓国に追いつくと考えている。

そして李院長は、“iPARK Tokyo”は新しいビジネスチャンスであり、どんな分野で日本と協力すればいいのかをこれから検討し、日韓双方にとってよい企業の“出会い”を提供したいとの抱負を語った。

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