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PCG-GR9/K

PCG-GR9/K

2001年07月17日 14時55分更新

文● 山崎

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PCG-GR9/K

ソニー

オープンプライス

6月26~28日にニューヨークで開催されたPC Expoで、ソニーはIntelの最新モバイルCPUである新Mobile PentiumIII「Tualatin(開発コードネーム)」を採用したノートPCを参考展示した。当初、日本での発売は未定とされていたが、ついに国内販売のリリースが正式に行われ、VAIOノートの時期フラッグシップモデルとなる「PCG-GR9/K」の姿が明らかになった。

Mobile PentiumIII-1.13GHzを搭載した
まったく新しいフラッグシップモデル

 2001年春モデルまでVAIOノートのフラッグシップを務めていた「PCG-XRシリーズ」は、クリエイティブなユーザーのためのノートPCというコンセプトを持ち、DVカムコーダから取り込んだ動画を編集したり、オリジナル音楽CDの作成などが可能なマシンであった。後継となる「PCG-GRシリーズ」もそのコンセプトを受け継ぎ、マシンパワーを要求するそれらの作業をこなすための高性能なハードウェアをスタイリッシュなボディに収めたモデルである。

PCG-GR9/Kでは、高クロックCPUを確実に冷却するため、面積が従来の1.5倍の放熱板を持つ「ハイパーサーマルクーリング機構」(写真中央の金属ブロック)を新たに採用している。PC内部の熱は写真下側のマシン背面に向けて排熱される。
 基本スペックで注目は、Intel製のノート用CPUとして現在最高速となるMobile PentiumIII-1.13GHzを採用し、これまた初登場となるIntelの最新ノート用チップセット「i830MP」を搭載している点だ。0.13μmプロセスルールで製造される新コアを採用するPentiumIIIと新しいチップセットは、Intelからの正式なリリースが出ていないため、2次キャッシュ容量やFSBなどが現時点では公開されておらず実力は未知数だ。しかし、PCG-XRシリーズの最終モデル「PCG-XR9Z/K」がMobile PentiumIII-850MHz搭載であったことを考えると、単純にCPUクロックを比較しただけでも大幅なパフォーマンスアップが期待できる。



ハイパーサーマルクーリング機構の下面側。純銅製の受熱板(写真右側のメッキされた部分)によってCPUからの熱を吸収し、大型のヒートパイプで放熱部(写真左側)へ導きファンで排熱する構造だ(写真左上部が排気口)。
ちなみに最新CPU3種類の実力を検証している「Pentium 4-1.8GHzベンチマーク」の記事中にもあるように、デスクトップ用のPentiumIII-S-1.13GHzはPentium 4-1.5GHzに迫るベンチマーク結果を示している。ノートPCとデスクトップPCの違い(チップセットなど)はあるだろうが、Tualatinを搭載するPCG-GR9/Kが強力なノートPCであろうことは間違いない。



CD-RW&DVD-ROMのコンボドライブは着脱可能だが、交換可能なオプション類は発売未定だ。CDライティングソフト「Drag' n Drop CD」とDVD再生ソフト「WinDVD 2000」がプリインストールされる。ヘッドフォン出力は「ドルビーヘッドフォン」に対応するので、DVD-Videoを迫力あるサウンドで楽しめる。
 液晶はPCG-XRシリーズ同様に14.1インチTFT液晶を採用するが、解像度は1400×1050ドットへ向上しており、非常に高精細な表示となっている。ビデオチップには、ビデオメモリを8MB内蔵するATIの「MOBILITY RADEON-M」を搭載する。今回、借用機でのパフォーマンス計測が行えなかったため描画スピードについては未知数だが、高精細液晶でも色がにじんだりせず、画面表示は非常に緻密という印象を受けた。表計算ソフトで多くのセルを扱う必要のあるユーザーには一見の価値がある描画クオリティの高さだ。

 メインメモリは2基装備するSO-DIMMソケットに128MBのモジュールを1つ実装し、最大256MBまで拡張可能だ。HDDはノートPCとしては大きめの30GBの容量を持ち、DV素材などの保存にも対応できるだろう。光メディアドライブはCD-R書き込み8倍速、CD-RW書き換え4倍速、DVD-ROM読み出し8倍速、CD-ROM読み出し24倍速のコンボドライブを採用しており、オリジナルCDの作成やDVD-Videoの鑑賞といった用途に幅広く利用できる。



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