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Caplio RR10

Caplio RR10

2001年07月11日 22時50分更新

文● 行正

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少々難ありの操作性

撮影サンプル1。元画像は1600×1200ドットだが、掲載用に640×480ドットにリサイズしている。晴天の下での撮影は液晶モニタの視認性が非常に低くなる。

 実際に操作してみると、あまり練られたデザインとは思えない点がいくつかある。最大の問題はレンズ近くにストラップ孔があることだ。「携帯電話風デザイン」からすれば縦にしたときの上部にストラップ孔があるのは正しいかも知れないが、ポケットから取り出して撮影する際に、ポケットから出ているストラップを右手で引っ張り出してからグリップする右側に持ち直すというのはスムーズではないだろう。左手で取り出すとしても、普段から手に持って歩く場合は右手(右利きならば)なのだから、グリップと反対の位置にストラップがあるのでは手にぶら下げた状態から構えるのに持ち直す動作を必要とする(標準でネックストラップが付属するのならばまだ納得がいくが、ハンドストラップが同梱されている)。



撮影サンプル1の中央部を640×480ドットにトリミングしたもの。階調表現性はそれほど高くなく、高コントラストな画像では白とびをおこしやすい。

 また、三脚孔がないのも疑問だ。撮影モードとしては最大4秒の長時間露光モードも用意され、マニュアルにも「カメラをしっかり構えて撮影してください」と記載されているが、さすがに手持ちでは無理だろう(どこかに置くならともかく)。携帯電話風スタイリッシュデザインというコンセプトと、カメラ然とした三脚孔が合致しなかったのかも知れないが、それゆえにカメラとしての実用性を大きく減じているように思えてならない(なお、本機にはセルフタイマ機能はい)。



撮影サンプル2。1600×1200ドットの画像を640×480ドットにリサイズ。発色は悪くなく、晴天下ではめりはりの効いた色あいとなる。ハイライト部で白とびが発生している。

 さらに付け加えるならば、レンズが端に寄っているために両手で構える際にフラッシュに左手がかかりやすい点、液晶モニタの輝度が低くて屋外での視認性が低い点、液晶の視野角(とくに上下方向)が狭く撮影アングルが限られる点なども不満が残る。RDC-7sやRDC-i500では、アングル可変モニタと縦位置用シャッターボタンなど、少なくとも操作性に関しては非常に良好であっただけに、RR10がいまひとつしっくりこない操作性なのは残念だ。



撮影サンプル3。1600×1200ドットの画像を640×480ドットにリサイズ。日陰部でのマクロ撮影。とくにきついハイライトがなければやわらかな色合いで、中間調表現も十分だ。

 画質については、解像感はあるもののノイズが目立つ画像となっており、発色はきつめだが鮮やか過ぎるほどではない。2倍ズームに抑えていることもあって、周辺の歪みはあまり気にならないレベルだ。



撮影サンプル3を640×480ドットにトリミングしたもの。解像感はあるものの暗部ノイズが少々気になる。

 MP3再生機能付きデジタルカメラとしては富士フイルムの「FinePix 50i」やコダック「Kodak mc3がある。MP3プレーヤとして見るならば、MP3再生での電池駆動が約120分(FinePix 50iは約4時間)というのはいかにも短い。



撮影サンプル4。1600×1200ドットを640×480ドットにリサイズ。コントラストの高い画像になり、空の青みが強調されているようだ。

 RDCシリーズは、銀塩カメラ的なデザインやユーザーインターフェイスを廃したところが特徴であり、好みは分かれるものの独特の機能や操作性の使い勝手は高い。RR10は、RDCシリーズ同様に“カメラ”のイメージは持たないが、撮影という目的を考えれば使い勝手はあまり良くなく、カジュアルでポップというコンセプトそのものがカメラ機能とマッチしてないように見受けられる。異色のデジタルカメラ(イメージキャプチャリングデバイス)をリリースする同社の今後の製品に期待したい。



撮影サンプル4の上部中央を640×480ドットにトリミングしたもの。ビルのエッジ部分や窓枠は比較的シャープだが、青空がノイジーなのが気になる。

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