ビデオチップのみならず、最近ではチップセット(Athlon/Duron用の統合型「nForce」)を発表するなど、一挙手一投足が注目を集めるNvidia。同社の最新ビデオチップ「GeForce3」が発表されたのは2001年2月だった。当初の予定より遅れつつも、5月の大型連休直前にProlinkから搭載ビデオカードの第1弾が発表され、その後も続々台湾メーカーから発売された。そして、7月初旬にいよいよ国産メーカーとして初のGeForce3搭載カードとなる、カノープスの「SPECTRA X20」が発売された。
新開発の独自技術を満載
「SPECTRA X20」の外箱は、従来のソリッドで金属的な光沢のあるパッケージデザインから一転して、木目風のテクスチャが施されている。 |
実際、前製品の「SPECTRA 8800」と基板を見比べてみると、AGPスロットの直上、一番信号線が引き回しやすい場所にビデオチップを配置し、そこから等距離にメモリチップを並べているのは変わらないが、デジタル信号よりもノイズや距離による影響(劣化)が大きいアナログ信号の伝送経路(コンデンサや抵抗の配置)がさらに密になり、同社のブランドイメージの根幹である“画質向上の飽くなき追求”へのこだわりぶりが伺える。
新たに開発(改良)された冷却システムは、同社のCPU用クーリングファンと同じFirebirdのブランドを持つ(Firebird G2&インタークーラーブレード)。写真下の赤丸部分が赤く光るLED。 |
これによる排熱効率のアップが具体的にどの程度になっているか、公式な資料は公開されていないが、1時間程度連続動作させた限りでは銅板全体が暖かくなる程度で触れないほどではない。ただ、ベンチマークテストのために4時間以上連続して通電させた後では、ブラケットを触るのもためらわれるほどカード全体が熱を持っていた。もちろん、その状態でも動作に支障はなかったが、やはりGeForce3&230MHz駆動(460MHz相当)のメモリはかなりの熱を出すようだ。