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NV-DHE10/NV-DH1

NV-DHE10/NV-DH1

2001年07月18日 00時00分更新

文● 山之内 正

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割り切った使い方ができるなら買い
「NV-DH1」

NV-DH1
NV-DHE10から、MPEG2エンコーダ/デコーダを省いた「NV-DH1」。BSデジタルの記録がメインのユーザーにお勧め。付属リモコンは同一だ。

 「NV-DH1」は、BSデジタル放送のストリーム(デジタル)信号をそのままD-VHSテープに記録するだけの、きわめてシンプルなデジタルハイビジョンビデオデッキである。記録モードは、ハイビジョン番組を録画する「HSモード」(ビットレート28.2Mbps)と、標準放送を録画する「STDモード」(14.1Mbps)の2種類のみで、LS3モードは装備しない。地上波放送についてはS-VHS/VHS形式でのアナログ録画のみ対応で、デジタル録画機能は最小限に抑えられている。
 上位機種「NV-DHE10」と本機の違いは、地上波放送などのアナログ信号をエンコード記録(デジタル録画)するための“MPEG2エンコーダ/デコーダ”を省略している点。これによって大幅な低価格化を実現したというわけだ。BSデジタル放送はD-VHSとして、地上波はS-VHS(VHS)で、という具合に完全に割り切って使うなら、本機も選択肢に入るだろう。D-VHSの普及のためには本機のような低価格製品も必要かもしれないが、地上波(アナログ)放送のエンコード記録もD-VHSの大きな魅力なので、用途と予算に応じて判断していただきたい。

 i.LINK経由でBSデジタルチューナに接続して番組録画を行う際、本機は放送信号の種類に応じて自動的に記録モードを設定するので、操作は基本的に録画ボタンを押すだけでよい。再生画像は“原則的に”放送時と寸分たがわないクオリティを保つ。マルチビュー番組、音声ストリーム、番組データなどストリームに含まれる信号はすべて記録されているので、放送をリアルタイムで見ているときと同じ条件で、時間をずらして映像を楽しんだり情報を引き出すことができるのだ。うっかり見逃した情報を確認したり、繰り返し見られるというのは、映像以外にも豊富なコンテンツを同時配信するBSデジタル放送のメリットを120%活用するのに便利なことこの上ない。これが、まさにD-VHSの画期的なところと言えよう。
 原則的にと言ったのは、データの読み取りエラーなどが原因で、まれに映像が不安定になることがあるためだ。D-VHSデッキのユーザーなら何度か体験しているはずだが、通常は同じ場所でエラーが発生するとは限らず、再現性がないのが厄介である。こうしたトラブルに見舞われたときは、ヘッドクリーニングを行ってみよう。ちなみに、LS3モードを省略しているのは、ビットレート変換機能を省略したためだが、他機種で録画したLS3モードのテープは本機でも問題なく再生できた。ただし、メーカーがこうした使い方を正式にサポートしているわけではないので、ご注意いただきたい。

 日本ビクターの「HM-DH30000」「HM-DR10000」や日立製作所の「DT-DR20000」「DT-DR3300」と同様、本機もサーチ時の出画を実現している。コマ送り状態にはなるが、アナログビデオでの高速サーチのようにバーノイズは出ないので、内容の判断には困らないだろう。なお、アナログソースのS-VHSによる録再性能は同社のS-VHSデッキとほぼ同等で、特に本機の方が優れている点は見当たらなかった。

NV-DHE10/NV-DH1の主なスペック
NV-DHE10 NV-DH1
録画モード(D-VHS) HS/STD/LS3 HS/STD
内蔵チューナ VHF/UHF/CATV
i.LINK端子 2系統
本体サイズ 430(W)×357.5(D)×118(H)mm 430(W)×357.5(D)×104.5(H)mm
重量 7.0kg 7.6kg

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