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ハードウェア

これで解決! Linux 100の疑問―その2

2001年08月27日 04時31分更新

文● Linux magazine編集部

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Linux magazine 2月号表紙本記事も収録 Linux magazine 2000年 2月号 1,390円

Q:グラフィックスカードをインストーラが正しく認識しません

A:Linuxではグラフィックス出力に、フリーのXサーバソフトウェアのXFree86を採用しています。Voodoo3やMillennium G400、RIVA TNT2などのグラフィックスカードは、XFree86 3.3.4以降でサポートされました。TurboLinux 4.0やLASER5 Linux 6.0、Vine Linux 1.1では、XFree86 3.3.3.1を使っているので、それらのグラフィックスカードを認識できません。インストールの時には、Xの設定をしないで、その後XFree86 3.3.5以降にアップグレードしてから、Xを設定すればよいでしょう。

アップデート用のXFree86は、それぞれのディストリビューションのFTPサイトに、RPMパッケージで用意されています。XFree86-3.3.5-*というファイルを見つけて、XFree86で始まるRPMファイルをダウンロードしておきます。次に“RPM -Uvh <パッケージ名>”でアップグレードして、Xのセットアッププログラムを起動します。

セットアップは、XF86Setupコマンドで行います(画面5)。ディストリビューションによっては、Xconfiguratorコマンドやturboxcfgコマンドを使う場合もあります。

Red Hat Linux 6.1やKondara MNU/Linux、OpenLinux 2.3では、XFree86 3.3.5を採用していますので、インストーラが自動認識します。

お使いのグラフィックスカードがXFree86に対応しているかどうかは、マニュアルを読むか、それぞれのディストリビューションやXFree86.org(http://www.xfree86.org/)のWebサイトで調べてください。

画面5
画面5 XF86Setupのグラフィックスカード選択ボタン

Q:内蔵モデムが使えません

A:最近のノートPCに採用されている内蔵モデムは、DSPを使いソフトウェアによってモデム機能を実現しているいわゆる「Winmodem」というものです。Winmodemはソフトウェアでモデム機能が実現されていますので、現時点ではWindows上でしか使用できません。

しかし、Linux上でこのWinmodemを使えるようにドライバを開発する「linmodem」というプロジェクトが立ち上がっています。興味のある人は、http://www.linmodems.org/をチェックしてみてください。

また、Lucent社のチップを使ったWinmodemのLinux用ドライバに関して、バイナリパッケージがLucent社からリリースされているほか、「LTModem」(http://www.close.u-net.com/ltmodem.html)というプロジェクトも活動しています。

Q:サウンドカードの設定はどうするのですか?

A:Linuxのカーネルには、フリーのサウンドドライバが含まれています。しかしサウンドカードによっては、インストーラでは自動的に検出されない場合があります。そのときには手動で設定します。

Red Hat系のLinuxでは、sndconfigコマンドで設定します。root権限で、まず/usr/sbin/sndconfigを実行してください。もしインストールされていない場合には、RPMパッケージのsnd-xxx.i386.rpmとsndconfig-xxx.i386.rpmをインストールしてからsndconfigを実行します。またTurboLinuxでは、turbosoundcfgコマンドで設定します。

lsmodコマンドで、soundモジュールが組み込まれているか確認しておきましょう。

なお、設定された結果は、リスト1のように/etc/conf.modulesファイルに記録されます。ISAバスのサウンドカードなどで、I/OアドレスやIRQ、DMAポートなどが合っていないために動作しない場合には、conf.modulesファイルを正しい値にエディタで変更します。修正したら、

# /etc/rc.d/init.d/sound res
tart

と行って、サウンドドライバを再起動します。

CreativeのSound Blaster(Live!を除く)やESS系サウンドチップ、YAMAHAのFM音源チップOPL3などを使用しているのならば、カーネル標準のドライバで動作します。

しかし、Sound Blaster互換製品やYAMAHAのYMF724、YMF744などを使用している場合には、商用のOSS(Open Sound System)ドライバを組み込む必要がありますので、サウンドドライバの入手先(表1)を参照してください。

表1 サウンドドライバの入手先
Webサイト 内容
OSS/Free(The Linux Sound System)
http://www.linux.org.uk/OSS/
フリーのサウンドドライバで、Linuxのカーネルに標準で含まれているため、新たに入手する必要はない
ALSA(Advanced Linux Sound Architecture)
http://www.alsa-project.org/
LinuxのサウンドドライバをGPLに従って開発しているグループ。対応しているサウンドカードのドライバは、OSS/Freeとほぼ同様だが、サウンドカードによっては(特にGUSのドライバ)、OSS/Freeよりも拡張されている場合がある。APIはOSSと互換性がある。最新バージョンは、0.4.1h
商用OSS(Open Sound System)
http://www.opensound.com/
4Front Technologies社が開発し、販売しているサウンドドライバ。プラットフォームはLinuxに限らず、広く主要なUNIX環境をサポートしており、デバイスドライバは、各OSプラットフォームで統一したAPIを提供する。販売されているのはバイナリのコードのみ。ドライバの機能はハードウェアごとに異なるが、OSS/Freeよりも拡張されているものが多く、新しいハードウェアのサポートも行われている
Creative Open Source page
http://opensource.creative.com/
Sound Blaster Live!のLinuxドライバを、GPLライセンスに基づきソースコードで公開している。現時点ではバイナリは配布されていないので、自分でコンパイルしてインストールする必要がある。1999年11月より正式版となったが、0.3βバージョンから機能の追加はない

alias sound sb
pre-install sound insmod sound dmabuf=1
alias midi opl3
options opl3 io=0x388
options sb io=0x220 irq=5 dma=1 dma16=5 mpu_io=0x330

リスト1 /etc/conf.modulesファイルのサウンド設定部分(LASER5 Linuxの場合、内容はカードによって異なる)

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