NECの無線LAN対応製品「WARPSTAR」シリーズに、ブロードバンド接続とTA/モデムを利用したダイヤルアップ接続を使い分けられるブロードバンドルータ「WARPSTARΣ」が登場した。TA/DSU機能を本体に内蔵した「AtermWB55TL」と、本体のシリアル/USBポートに外付けモデムやTAを接続して利用する「AtermWB45RL」の2機種から、ここではAtermWB45RLを紹介しよう。
アクセスマネージャでアプリケーションごとに接続先を変更可能
インターフェイス類はすべて本体背面に装備している。LAN側インターフェイスに10BASE-T/100BASE-TX対応のスイッチングハブを搭載し、LAN内のPC間で高速な通信が可能になっている。 |
本体側面のカバーを開けるとPCカードスロットにアクセスできる。別売りの11Mbps対応無線LANカード「AtermWL11C」を装着すれば、AtermWB45RLを無線LANのベースステーションとして利用可能だ。 |
さらにUSB接続したPCと有線/無線LAN接続したPCとの通信を可能にする“疑似LAN機能”も搭載している。WAN側のマルチライン対応に加えてLAN側も有線と無線をサポートし、それらをユーザーが自分の環境に合わせて拡張できる柔軟性の高さがAtermWB45RLの最大の魅力だ。
タスクトレイに常駐するアクセスマネージャのアイコンを右クリックすれば、コンテキストメニューから接続方法を選ぶことができる。さらにアクセスマネージャのダイアログで接続先を選択することで、複数回線を目的に応じて簡単に使い分けられる。 |
通常CATVやADSLを利用していれば常時インターネットに接続できる環境が整っており、わざわざ接続や切断という操作を行う必要はない。ところがAtermWB45RLでは、LAN内の端末からインターネットへのアクセス要求があると、システムに常駐しているアクセスマネージャが(初期状態では)ポップアップしてインターネットへの接続開始をユーザーに確認するダイアログが表示される。設定次第ではデフォルトに指定した接続先にダイアログも何も表示せずにアクセスすることも可能だが、常時接続環境であってもユーザーが明示的にインターネットへの接続を開始しない限りデータのやり取りを行うことができないアクセスマネージャは、セキュリティの観点からは評価できるシステムである。自分の使っているPCがインターネットに接続中であることを常に意識でき、意図せずインターネットに接続していることがないので、外部からの不正なアクセスなど、セキュリティの低下を気にするユーザーにはありがたい機能だろう。
しかも複数の回線を使い分けている場合は、タスクトレイに常駐するアクセスマネージャのアイコンを右クリックし、コンテキストメニューからブロードバンド接続なりダイヤルアップ接続なりを選び、さらにダイアログから接続先を選択できるので、複数回線を頻繁に使い分けているユーザーにとっても便利なシステムだ。
AtermWB45RLの導入設定は、ユーザーの環境に合わせたWAN側の動作モードやLAN側の接続インターフェイスをウィザードに従って選択していくだけで簡単に行える。このあと必要に応じてダイヤルアップ接続設定を行うだけでとりあえず使い始めることが可能。 |