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QNX、組込みシステム開発技術展で“QNX RTOS”最新バージョンを披露

2001年06月27日 22時11分更新

文● 編集部 佐々木千之

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QNXソフトウェア システムズ(株)は27日、東京ビッグサイトで開催中の“組込みシステム開発技術展”の自社ブースにおいて、QNX(キュニックス) RTOSの最新版Version 6.1のデモンストレーションを行なっている。29日に行なう予定の正式発表に先駆けて公開した格好だ。

QNX RTON Version6.1の動作デモ
QNX RTON Version6.1の動作デモ。画面上黒く見えるウィンドウではグラフィックが高速に動いている。右下に見えるCPUの負荷を示す2つのバーは、どのようなプログラムを走らせても、すぐに平均化されていた

QNX Version6.1は、数字の上では前バージョンから0.1しか変わっていないが、いろいろな部分で改良が行なわれている。大きなところではSMP(対象マルチプロセッシング)のサポートがある。これまでQNXは基本的にシングルCPUのみのサポート(6.0ではSMPサポートはβ版としていた)であったが、6.1で正式に対応となった。QNX 6.1のSMPサポートの特徴は、これまでのアプリケーションがそのままマルチプロセッサー/マルチスレッド対応になること。OSカーネルが自動的に、負荷を複数のCPUに割り振るとしている。

QNX RTOS Version6.1を動作させていたシステム
QNX RTOS Version6.1を動作させていたシステム。Pentium III-800MHz×2基を使っている

アプリケーション面では、これまでウェブブラウザーとして独自の“Voyger”を搭載していたが、6.1ではVoygerに加えて、オープンソースの“Mozillaプロジェクト”で開発された“Mozilla”を搭載している。QNXの将来のバージョンにおいては、このMozillaを標準として採用する計画。このほかEメールクライアントが新しいものになり、マイク入力から録音のできるサウンドアプリケーションも追加した。ブロードバンド接続で使われるようになった“PPPoE”のスタックも用意したとしている。

QNX 6.1に搭載する新旧のウェブブラウザー
QNX 6.1に搭載する新旧のウェブブラウザー。左上がVoygerで、右下がMozillaベースのもの

またこれまでサポートしてきた、トゥルータイプフォントに加えて、“Bitstream Font”と呼ぶ一種のベクトルフォントをサポートした。このBitstream Fontは、大きなサイズにしてしまうとトゥルータイプフォントに比べ見栄えが悪いが、フォントファイルサイズが小さいのが特徴。例えばトゥルータイプフォントで約6MBの日本語フォントがBitstream Fontではおよそ10分の1の600KB程度になるという。

QNXソフトウェア システムズではこれらの改良により、インターネットアプライアンスや、小型情報端末などへの普及を期待している。

セイコーエプソン(株)のQNX採用キオスク端末『Intergate』
セイコーエプソン(株)のQNX採用キオスク端末『Intergate』(QNX 6.1ではない)。IntergateはこれまでiTRONを使っていたが、世界市場で販売するこの製品からはQNXを全面採用することに決まったという

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