D-VHSの特徴&メリットは?
最近、D-VHSデッキの実売価格が下がり、BSデジタル放送が始まった頃(2000年12月)に比べてずいぶん買いやすくなってきた。たとえば、松下電器産業の「NV-DHE10」は標準価格19万8000円だが、通販なら10万円で購入できるケースもあるようだ。こんなチャンスをみすみす逃す手はない。デジタル録画機の中でも、クオリティ、ランニングコスト、互換性など、多くの点で優位に立つのがD-VHSなのだから。
D-VHSのメリット 「ココが◎」
- ハイビジョン番組をクオリティを落とさずに長時間記録できる!
- (エンコード記録できるデッキは)地上波やアナログBS放送のエアチェックに最適!
- 従来のビデオデッキと使い勝手が同じで操作しやすい! 記録メディアのコスト(1時間当たりの価格)が安い!
D-VHSのデメリット 「ココが×」
- テープメディアなので、すばやい頭出し=ランダムアクセスができない!(ランダムアクセスに強いのはHDDレコーダやDVD系などのディスクメディア)
- 現在のモデルでは録画同時再生機能やタイムシフト再生機能が使えない!(HDDレコーダのメリットはタイムシフト再生にあり)
- 接続するテレビ、チューナとの相性があり、i.LINKで接続しても機器を認識しない場合がある(初物の宿命!? 互換性向上に期待したい)
HDDレコーダやDVDレコーダに比べて幅広い記録モード(ビットレート)をサポートするD-VHSは、高画質のHSモード(28.2Mbps)で記録できるのが最大の特長だ。デジタルハイビジョン番組のクオリティを落とさずに長時間記録できるという点で、D-VHSはほかのデジタル録画メディアを大きく引き離す。
もうひとつ、エアチェックファンが注目しているのが、D-VHSは地上波やアナログBS放送の高画質デジタル記録に適していること。MPEGエンコーダ/デコーダを内蔵した製品に限られるが、従来方式でアナログ記録する代わりに、D-VHSデッキ内でアナログ→デジタル変換を行い、余裕のある記録モードでテープ上にデジタル記録。それをデコードして、普通にテレビに表示する。入口と出口だけを見ると(録画/再生時の手順は)従来のビデオと同じだから、使い勝手もよい。
実際、STDモードを使えば、画質では明らかに従来(S-VHS)を上回るうえ、1本のテープに記録できる時間はさらに伸びる。たとえば、DF300を使用した際、S-VHSでの標準記録時間は2.5時間。一方、STDモードの場合は5時間となる。実はこのメリットこそ、いまD-VHSを選ぶ最大の理由といえるだろう。
押さえておきたいこの機能!
~D-VHSの特徴的な機能って?
日立製作所のテープナビ機能はわかりやすくて秀逸な出来。タイトルには漢字変換入力も可能。 |
録画日時データに加えてタイトルも入力しておく(手動入力する)と、ナビ機能をさらに便利に使いこなせるだろう。BSデジタル放送の場合は日時や番組タイトルのデータが自動的に記録されるが、アナログ放送の場合はユーザー自身が入力しなければならない。この作業が最もやりやすいのは、漢字変換にも対応した日立製作所の“テープナビ”だ。ナビデータの互換性、表示画面の見やすさなど、多くの点で一日の長がある。
D-VHSデッキ+BSデジタルチューナ+プログレッシブテレビという組み合わせでのエアチェックで一番面倒なのは、ストリーム記録した番組を再生する手順だ。i.LINKというインターフェイスは、メリットが多い半面、使いにくい面もある。テレビとD-VHSデッキの中間にチューナが介在すると、再生するたびに電源を入れるなど、面倒な操作が必要になる。
D-VHSデッキ自身がHD(1125iや750pの高品位)/SD(525iのノーマル)信号のデコード機能を持っていると、こうした面倒な操作が省略できる。現在この機能を実現しているのは日本ビクターの「HM-DH30000」と東芝の「A-HD2000」のみ。使い勝手を重視するなら、この点も機種選択の基準に加えておきたい。
日本ビクターの「HM-DH30000」。チューナと接続しているときに、HD/SD信号のデコード機能があると便利。 |