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申し込み殺到でモニターの追加も予定――モスバーガーの無線LANインターネットサービス

2001年06月26日 23時32分更新

文● 編集部 佐々木千之

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(株)モスフードサービス、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)、(株)メルコは26日、21日に発表した東京都内のモスバーガー店舗における無線LANインターネットサービスのモニター実験について、7月3日のサービス開始に先駆けて店舗とサービスをプレス向けに公開した。

実験店舗の1つ、モスバーガー門前仲町店
実験店舗の1つ、モスバーガー門前仲町店。地下鉄門前仲町駅6番出口からすぐ

この無線LANインターネットサービスは、都内のモスバーガー5店舗(神田北口店、銀座六丁目店、門前仲町店、茅場町店、渋谷道玄坂店)において、IEEE802.11b規格の無線LANをつかった、インターネット接続サービスを、ホームページを通じて募集したモニター会員1000人に利用してもらうというもの。これ以外に、店内に大型のPDP(プラズマディスプレーパネル)を設置して、モスバーガー関連の情報やアミューズメントソフトを流す実験を、神田北口店、銀座六丁目店、門前仲町店と、川越山田店、国分寺南口店において実施する。

この“IT化推進店舗”実験は今年いっぱい実施し、今後数店を追加する予定という。この実験によってモスフードサービスでは、店舗におけるインターネットサービスとPDPの有効性、利便性、顧客満足度を検証するとしている。

門前仲町店に設置されていたのはThinkPad X21が3台
門前仲町店に設置されていたのはThinkPad X21が3台

今回プレス向けに公開したのは門前仲町店。1階と2階の2つのフロアのある店舗で、NTTコミュニケーションズ提供による1.5MbpsのADSL回線を1回線引いており、そこから無線LANアクセスポイントを経由して店内に設置された3台のノートパソコンと、モニター会員のノートパソコンに対して無線LANによる、インターネットアクセスサービスを提供する。ADSLは1.5Mbpsの帯域保証タイプだが、実験中に帯域が不足するようであれば、追加も考えているという。また、今後の展開地域によっては、ADSLが導入できない場合も予想されるが、そういった地域では光ファイバーでのサービスも考えているという。

認証画面
サービスを利用するためにはこの認証画面でIDとパスワードを入力する必要がある

無線LANインターネットサービスの利用は、IDとパスワードによる認証が必要で、無線LANのPCカードとパソコンを用意すれば誰でも利用できるというわけではない。通信自体も40bitの暗号化を行なっている。認証後は意識することなく、通常のインターネット利用が可能。特にフィルタリングなどの制限は加えていないとしている。まだサービス開始前で帯域が空いていることもあるだろうが、アクセス速度に関しては、かなり快適にインターネットアクセスができるという印象を受けた。

NTTコミュニケーションが運営する実験ウェブサイト
NTTコミュニケーションが運営する実験ウェブサイト。店舗からのみアクセス可能で、このビルの画像がメニューになっている

コンテンツ面では、店舗のアクセスポイント経由でのみ見ることができるオリジナルコンテンツを用意しており、モスバーガー店舗の周辺情報や、映画の予告編などのブロードバンドコンテンツを提供する予定。モニターサービス中は無償で利用できるが、本サービスにおける料金は未定。

試験的に設置する大型PDP
試験的に設置する大型PDP。表示しているのはモスバーガーのメニューで、指先で選ぶと合計金額とカロリーが表示される。ただし、レジと連動していないので、これで注文できるわけではない

モスフードサービスによると、現在モスバーガーの店舗において、昼間のランチタイムから夕方にかけては20~30代の女性が6、7割を占めているが、午後8時以降はいなくなるため、夜間の比較的空いた時間に男性客を呼ぶ手だてにもなるのではないかと、期待している。ただ、電源コンセントについては、店舗の電源容量や工事が必要なことや、「あまり長居されるのもちょっと厳しい」とのことで、特に用意はしないとしている。

PDPで提供するエンターテイメントアプリケーションのデモ
PDPで提供するエンターテイメントアプリケーションのデモ。(株)セガ製のソフトで、指先で画面をタッチすることで、画面中の魚がいろいろなアクションをする。PDPは静岡パイオニア(株)との協力で設置しているという

21日に募集開始した1000人のモニター会員は、200名に無線LAN PCカード(メルコ製)を無償提供するということもあってか、募集ページに2日間で10万アクセスがあり、3000人の申し込みがあったという。予想を上回る申し込みのため、モニター枠を増やす方向で検討しているとしている。なお、モニターは抽選で決定するため、まだ申し込みは可能。

無線を使ったインターネット接続サービスは、モバイルインターネットサービス(株)が渋谷や三軒茶屋などでIEEE802.11b規格のものを予定しているほか、日本エリクソン(株)が都内のインターネットカフェや新幹線車内でBluetoothを使った実験サービスを公表している。モスフードサービスでは、年内の実験の結果にもよるが、来年から関東地区を手始めにこの無線LANインターネットサービスを広げていきたいとしており、快適なインターネットアクセスを楽しみながらハンバーガーをほおばるといった風景が、あちこちで見られるようになる日もそう遠くはないようだ。

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