ボーランド(株)代表取締役社長 安藤 由男氏 |
ボーランド(株)は6月26日、ビジュアルJava開発ツール『Borland JBuilder 5』(以下、『JBuilder 5』)を7月12日から販売すると発表し、プレス向け説明会を行なった。
JBuilderシリーズは、Java2プラットフォームに対応したビジュアルJava開発ツール。JBuilderそのものがJavaで開発されているため、Windows、Linux、Solarisという3つのプラットフォームでまったく同じ開発環境を利用することができる。また、ソースコードエディタとビジュアル設計ツールとの間で編集内容をリアルタイムに同期させて開発を行なうことが可能。さらに、ソースコードレベルでのデバッグ機能も搭載されている。
プレス向け説明会では、ボーランド(株)代表取締役社長である安藤 由男氏が最初に挨拶を行なった。同氏は、Javaプログラミングがエンタープライズからモバイルにまで広く用いられている一方、開発者が少ない現状に触れ、ボーランド(株)としてJava開発者教育などを行なうとした。
『JBuilder 5』デモンストレーション
次に、ボーランド(株)JBuilder プロダクトマネージャである新井 正広氏が『JBuilder 5』の新機能説明およびデモンストレーションを行なった。ここでは、XMLデータをDTDやXMLスキーマから容易に作成したり、CSSやXSLを用いて変換する機能、さらにDTDやXMLスキーマとの整合性を調べる検証機能搭載により、XML対応アプリケーションの開発を容易にしている点などがデモンストレーションされた。
ボーランド(株)JBuilder プロダクトマネージャ 新井 正広氏 |
DTDとルート要素を指定すれば、自動的にXMLデータのひな形が出力される。 |
生成されたXMLデータのひな形。 |
手前のウィンドウで、実際にJavaのプログラムがXMLをどのように表示するか見ることができる。背景にあるのがJavaのソース。 |
タグがDTDに従っていない場合はハイライト表示される。 |
ほかに、ソースの履歴を管理する「リビジョンブラウザ」や、『Microsoft Visual SourceSafe』やCVSなどのバージョン管理ツールをサポートしたチーム開発支援機能を搭載、エンタープライズ向けの大規模プロジェクトもサポートする。
『JBuilder 5』内でバージョン管理ツールを指定することが可能。 |
また、アプリケーションサーバへの対応強化として、これまでサポートしてきた『Borland AppServer』や『BEA WebLogic』などのアプリケーションサーバに加えて、新たに『IBM WebSphere』をサポートすることも発表された。
販売戦略と価格
最後に『JBuilder 5』の販売戦略について、ボーランド(株)営業本部長の江尻 茂光氏が説明した。
ボーランド(株)営業本部長 江尻 茂光氏 |
まず、価格体系と製品ラインナップについてだが、
- 『JBuilder 5 Personal』
- Java開発入門者向け
- 製品版4800円、ダウンロード版は無料(7月末から)
- 『JBuilder 5 Professional』
- Webプログラミング向け
- 6万8000円、他社の開発ツールからの乗り換えは期間限定の(7月12日~12月22日)優待割引版(4万8000円)
- 『JBuilder 5 Enterprise』
- エンタープライズシステム向け
- 36万円
の3種類が販売される。
販売戦略として、同社では『JBuilder 5』のターゲットを4種類設定し、それぞれのターゲットを取り込む戦略を用意している。
- エンタープライズ分野……主要アプリケーションサーバへの対応やチーム開発機能の強化。
- 非Java開発者……他の開発ツールからの乗り換え優待パッケージ。
- 学生などの「Java開発者予備軍」……学生プログラミングコンテスト開催支援。
- モバイル用途……『JBuilder Mobile Set, Nokia Edition』を年内にバージョンアップし、Nokia以外のベンダーもサポートする。
なお、『JBuilder Mobile Set, Nokia Edition』は米「JavaOne」にて発表しデモンストレーションを行なった、モバイル向けJava開発環境。特に携帯電話が普及している日本を中心にサポートを提供するとしている。
ボーランド(株)では、今回の新製品発表の際に、昨年比110%だった販売目標を120%に増やすという。